(政治)

1) バチェレットの動き
今週のチリの風は2016年の総まとめとして書きます。
先週の日曜日に地震のあった第10州のチロエ島を視察したバチェレットは、その後、第9州のテムコでマプチェ問題の討議をしました。進展がないのが残念。
ところで新聞に「今年は厳しい年だったが、私が男性なら同じ状況でも、リーダーシップが足りないなどの批判は受けないだろう」とコメント。チリは未だに女性を差別するやのクレームをしました。しかし、おばちゃん、これは性別の問題ではなくチリ大統領としての仕事をちゃんとやっていないことから出てきたのではないですか。
晦日に全テレビ局を通して、「皆さんの生活がよくなるよう全力で働いてきました。過去には考えられなかったようなことを計画・実施しています。チリ人であることの喜び、皆さんの大統領であることを誇りに思います」とコメント。彼女の思いと実際はかなりの差があるようですね。任期が終われば政治から引退するそうです。
今年は大統領選挙になるわけで、政治の混乱が経済・社会一般に大きな影響を与えそうですね。国会議員も女性の参加を増やそうと政府は考えているようですが、例えば40%、これは与野党とも困惑の様子。うちの党に女性議員候補はそんなにいませんと言うことでしょう。そんな強制的な規則を作っても意味があるのかな?
2) スペインの新聞エル・パイスに南米の政治問題に関する特集記事が掲載されました。それによると1980年代は軍事政権が謳歌し、民主化が葬られた。それが終焉した現在は汚職問題がはびこっているとなっています。
今週、アルゼンチンの前大統領が裁判沙汰になりましたが、ブラジルと並んで最大の汚職国です。チリにもその問題はありますが両国よりは軽い感じです。
しかし国会議員で会社から援助金をもらい、その業界に関する法案を審議する時に助ける、つまり賄賂です、は散見されています。それよりひどいのは選挙資金の援助でこれはバチェレットも疑われています。
さてチリの場合、その他に談合関連の問題が頻繁に起っています。薬局・鶏肉・製紙と続けて明るみに出ました。もちろんまだ隠れている業界は多いでしょうね。とはいえ、日本よりは少ないと思います。日本の談合は日常茶飯事のようですからね。
チリに18社ある製薬業者連盟のコメントとして、チリで薬品の価格が上がっているのは為替の関係とファイナンスコストが高いことが原因との記事が出ました。
私は静脈血栓症の予防として抗血栓症の薬を毎日飲んでいますが、その価格が高いので、医者にどこに行けば安く買えるか相談しました。
「アルゼンチンに行けばよい、ここから近いメンドーサでは半額どころか、それより安い値段で買えますよ」
つまりチリの場合は製薬会社と薬局がつるみ、それに病院が絡んでいるので、高価格で売っても、他で買う可能性が無ければその高い値段が通ると言うことですね。
チリがアルゼンチンに負けているの?これはチリ政府の監督責任でしょうね。
3) 大統領選挙
いよいよ選挙の年になりました。第1次選挙で浮かびそうなのが野党側の前大統領のピニェラと与党側議員のギジェルですが、最終的にはピニェラが勝つと言うのが今までの予想でした。ところが今回の世論調査で初めてギジェルが当選する結果になりました。与党内で、ほとんど新人の元ニュースキャスターについて、今は人気があっても最後まで国民の支持を維持できるわけがないと思われていました。しかし意外な展開になってきて、元大統領のラゴスが霞んでいます。