(政治)

1) 閣僚交代
とうとう最初の大臣交替がありました。厚生大臣をしていたモリーナは夕刊新聞のインタビューで「(チリで現在禁止されてる妊娠中絶について)金持ちが住んでいる地区の私立病院では毎日、妊娠中絶なんか実施されてるわよ。」とコメント。1面トップに掲載されました。年に15000件もあるとコメントしています。政府は現在法案を作成し、中絶の全面解禁ではなく、暴行されて妊娠したケースとか、母体に危険がある場合などは中絶を法律的に認めるようにしているところですが、それらを全く無視したコメントを行った同大臣を容認できないと発表。これを受け彼女は大臣職を辞任しました。左翼政党の議員が「真実を語った大臣が辞める必要はなかった」とか、公立病院の人間が「私はここで中絶が行われたのを見たことはない」とかいろんな意見が続出。政府内でも本音と建前が一致しないわけですね。
確かに中絶法違反で刑務所に入っている人間が一人いるらしい。たった一人?
バチェレットは同大臣の辞任を認めてからブラジルに飛び、同国の大統領就任式に参加しています。ブラジル大統領は汚職のにおいが強いですが、チリはまだ今のところそんな雰囲気はないですね。
2) ペンタ銀行による選挙資金援助問題が裁判所で本格的に調べられています。
「今までも、この銀行は選挙資金援助以外にもをいろんな場合に政治家に金を渡していた。つまり銀行オーナーの問題」と幹部社員が発表。どこまで行くかな?
今まで電話の盗聴から議員の罪状が調べられていましたが、今回、メールが明らかになり、議員が銀行側に「頼むで、金回してくれ」泣きついていたり。これではもう逃げられませんね。電話の盗聴の時はあれは嘘でしょうと言っていた議員はメールが出てしまったのでどう言い訳するのかな? 
また労働法改正について、ある新聞の社説に「企業と組合が対決するのを煽るようだが、それは一般労働者にどう影響するか」とする記事が掲載されました。経営者連合のトップが言っているのと雰囲気は似ていますね。大企業では48%の会社に労働組合があり、中企業では5%、小企業では2%しかないとか。
この労働法改正と教育改正案は2015年のチリに政界だけでなく一般社会にも大きな影響を与えますね。
その教育法関連ですが、先月の大学入試の結果が発表されました。平均点ですが、私立の学校は600点、半公立は493点、公立は457点となっており、区役所が運営する学校は(日本なら市立でしょうね)もうこの10年間、最下位から立ち上がることができません。先生の問題とか父兄の問題とか言われますが、富裕層の子供の通う私立に大きな差をつけられています。それを何とかしようというのがこの教育法案改正なのですが。