(政治)

1) ピニェラ動向
パレスチーナの大統領アッバスがモネーダ宮殿を訪問しピニェラと面談しました。彼はその後、パレスチーナ移民グループと集い、おまけにプロのサッカーチームのパレスチナを応援しました。
チリには外国移民のチームがプロの1部リーグに三つあります。イタリア、スペインそしてパレスチナです。
つまりその3民族がチリにしっかり根を下ろしていると言うわけです。
もうすぐベネスエラで大統領選挙がありますが、チリ政府はベネスエラにチリ大使を送らない計画の様です。ベネスエラの左翼政権ははっきり死に体ですね。同じ左翼政権のニカラグアも最悪ですが、左翼思想よりそれを運営する政権に基本的な問題があるのでしょうね。
2) 大臣のスキャンダル
二つありました。先ず大蔵大臣が先月ボストンのハーバード大学へ同窓会参加のため訪問しましたが、その費用が公費で払われたのはおかしいと社会党議員が監査委員会に提訴。社会党は「前政権のエラーで政策を実施する資金がないといつもクレームしている大蔵大臣が自分の個人の旅行に国の費用を使うなんてもってのほかだ」 
大臣は「私は大蔵大臣として参加し、そこでチリの現状の説明をしているから公務となる。また経費の一部は同大学から戻されるはずだ」と説明しました。大学から払われる経費との差額は彼が自分で払うとか。
ついでラライン法務大臣が、大臣職に付く前にこっそり検察長官と面談していました。最初、「全く隠すことは無い。単なる面談だ」と軽くコメントしていましたが、調べが進むとペンタ銀行からの不正資金援助を受けたと裁判になっている最右翼UDI党のモレイラ議員の議員職をはく奪する手続きを避けるにはどうすればよいか話したらしい。議員職を一時凍結すれば裁判所も仕事がしやすくなりますからね。
長官は「これらのことから、自分は辞職するつもりは全くない」ときっぱり。
両方とも野党議員がネッチリ調べて追及するでしょう。
それから妊娠中絶法案が成立して、暴行などで妊娠した女性の中絶は合法になりましたが、一部の病院・医者は中絶はいかなる理由でも行いたくないと拒否し、法律がうまく実施されていません。これも政府の責任として野党側は厚生大臣の辞任を要求しています。
内閣官房長官はピニェラは2回目の政権なのに、いろんな大臣が全く素人としか思えないエラーを繰り返しているとコメントしました。
もちろん、次は与党側が前政権のエラーを発表するでしょうね。 

崩壊した与党連合「新多数」は次の選挙に新左翼を仲間に入れると発表。でもキリスト教民主党DCはそれから外れるかもしれません。
元チリ中銀総長は新多数が左に振れれば振れるほどピニェラ式中道右翼政権が継続するだろうとコメントしています。