(政治)

1) 大統領選挙
先週まで与党側UDI党の候補者だったゴルボルンは、クレヂットカード手数料値上げのエラーで、たった2日でぶっ飛びました。どんな議論が党内でされたのか全く漏れてきませんが、彼では選挙は勝てないと判断し、即時に次の候補を経済大臣のロンゲイラに認定した模様。
前日までゴルボルンにしがみつくように応援していた党員が,打って変ったようにロンゲイラの名を絶叫しています。私には理解できない変化です。どこかの国のように金を渡されて他人の葬儀の席で泣きじゃくるという感じかな。
与野党がそれぞれ予備選挙を行い、左右の候補者を選択し本選に挑むという成り行きでしたが、もしかするとその予備選挙がないかも知れません。予備選挙なしに本選に入ると左右・独立派の候補が数人も並ぶことになります。そのほうが選択の幅があって良いと言う声もありますね。
もっとも予備選挙より重要なのは、現行の国会議員選挙方法では普通、左右から一人ずつ選ばれるということで、これを単純に投票数から多い順に選ばれるようにすべきですね。
ところで消えてしまった候補者のゴルボルンはカリブの無税の島に多額の貯金をしていましたが、「そんなの彼だけじゃないよ、公表さればあっと驚くような政治家が多数、同じことをしているよ」
そうでしょう、政治家って左も右も同じようなものですから。
追加ですが、ゴルボルンが社長をしていたときのセンコスド社の怪しい動きを、その競争相手ファラベラ社も実施すべく同社の顧客に値上げを文書で通知していました。例の判決が出る少し前です。政府の消費者保護センターがそれについて同社に「長い間裁判でもめるよりここは一つ政府の言うことを聞いて、これを取り消しされてはどうですか」と持ちかけ、同社はそれを受け入れ手数料の値上げを取り消したとか。どこの会社も同じことを考えるわけですね。
しかし、ここで、書いておきたいですが、これらの一連の動きに対し、マスコミに彼らを批判する報道がありません。 両社ともマスコミにとって最重要客先なので、両社を非難する記事はボツになるのでしょうね。日本の東電の問題と似たようなもの。世界中そういう考え方は同じですね、寂しいけれど。
2) メーデー
世界的に5月1日はメーデーとして労働者の祭典ですが、労働組合のデモで「政府の労働者保護政策は、低すぎる最低賃金を始めとして十分ではない」と厳しい批判が出ました。  その夜、全テレビ局を通じて、ピニェラ大統領は「労働者はチリの宝、皆さんと協力してチリをさらに素晴らしい国にしましょう」と訴え、失業保険の充実などを国会に提出すると発表しました。
3) 国立統計局
昨年の国勢調査の不正(不当かな)問題で局長が辞任しました。それをどうするかと言う問題のほかに、毎月の消費者物価指数(IPC)の計算にも疑惑が寄せられています。
先に行なわれた国勢調査について、現在調査している第3者の機関による検討結果が5月14日に発表されますが、再調査は行なわないという結論は出ている由。また消費者物価指数については指数算出方法についての見解、見直し案が、専門家から提出され、それを検討中の由。どうなるかな?
4) 国際問題
ハーグ国際法廷でチリはペルーとボリビアから訴えられていますが、今週ペルーとの大臣会議で、判決がどうでようとも外交関係に影響させないと合意しています。チリが勝って現況維持か、ペルーが勝って領海変更かな?
もう一方のボリビアの訴えは正式に受理され、両国代表は近日中に同法廷で対面することになりました。