(政治)

1) バチェレットの動き
ほとんどの閣僚を率いてバチェレットはペルーへ。合同閣僚会議を開き、両国の接近ぶりを示しました。彼女は先週はコロンビア、今週はペルー、来週はアルゼンチンとかでもう内政に関しては力を入れないようですね。所でアルゼンチンはチリにとって2番目に大事な投資国です(最大はブラジル)。

少年院(セナミ)の問題で彼女の側近のブランコ法務大臣が先日、交替させられました。セナミで少女が死亡し、その死因が怪しい(おかしい)となり調べが進むと、それまでもセナミで多数の収容された少年少女が死亡しているとなり、政府の責任が追及され始めたわけです。
今回、国会で作られたセナミ問題報告書が審議されましたが、多数決で否決されました。自分たちで作成した報告書を否決するのは理解できませんが、その中にブランコの責任が書かれていたのを政府が嫌ったと言われています。つまり政府がその法案に反対したので国会委員会で賛成した与党側議員が本会議で反対票を投じたわけです。 
バチェレットはそれを聞かれると、この問題は最近始まったものではなく何代も前の政権から続いているわけで、それを一法務大臣に結びつけるのは野党側の茶番劇としました。
現政権の前はピニェラ、その前は彼女です。そんな事より問題があれば解決しようとするのが当然で、それをせずに野党批判で終わらせる彼女の思想は理解不可能。
しかしチリの政治は南米の他国よりましと感じますが、バチェレットの無能ぶりはひどいものです。愛想の良いおばちゃんだけなら良いですが、責任を取らない人間が大統領を務めるなんて。       
2) 大統領選挙
予備選挙に政府側は中道のDC党も左翼側(社会党共産党)も参加せず、新左翼だけでしたが、もう野党側のピニェラの本選の勝利は確定的。 
そこで社会党から別れたPPD党の有力議員ジラルディは「与党側がギジェルを候補にしたのはエラー。全く大統領としてのカリスマも政治家としての経験も少ない彼がピニェラに勝てるはずがない。ラゴス元大統領が候補者から自分で降りたのは大きな痛手だった。」 
彼の発言の裏を考えてみましょう。 
ピニェラは賢い。彼は自分は右翼の票ではなく中道の票田を狙いたいとしています。彼より右側の候補はいないから、彼が中道に擦り寄っても右翼の票は逃げるわけはないですね。与党側は旧左翼のギジェルが予備選挙に出なかったため、本選挙で中道DC党と新左翼の2候補と3人で同じ票田を取り合うわけです。それが分かっていれば予備選挙新左翼を消しておけばよかったのに、新左翼なんて力は無いと見下したのが失敗。本選で彼らは旧左翼には投票しませんからね。  
おまけに予備選挙で勝った新左翼のサンチェスの人気が上がり、今週の市民調査では、11月の選挙に勝つと見られるのは1位、ピニェラ、次いでサンチェス、3位にギジェルとなりました。与党連合の立場がないですね。
3) ボリビア問題
チリの警官2名がボリビアで逮捕されました。国境近くで車のチェックをしていると1台の車が制止の指示を破り、ボリビア側に逃げこもうとしました。それを追跡してボリビア領土に7キロ入ったところで逮捕されウユニに移されました。
えっ、それって先日ボリビア軍人が逮捕されたのと同じじゃないの。ボリビア側はチリの警察は銃の不法所持をしているとしています。確かに警官は銃を持っていますね。ボリビア軍人を裁判にかけたのだから、今度はチリの警官がボリビアで裁判に掛かるのかな? 
また何か月も騒ぎが続くのかと思ったら、何とモラレス大統領は直ちに釈放処置を取りました。ボリビアの方がチリよりレベルが高いの?