(政治)

1) 大統領選挙
7日に第1回の両候補者の討論会がありました。
二人とも今週は失言、エラーがあり緊張していました。
 与党側の候補ギジェルは「教育・厚生・年金問題で私の政策を実施するのに資金不足と言われるが、超富裕層からの税金でそれらは賄える」としました。銀行・テレビ・鉱山などを経営するルクシック・グループのリーダーはギジェルは人の懐に手を入れて金をとり、国民を分割して統治しようとしていると批判。ギジェルはそんなつもりはないと知らん顔。 野党側のピニェラは先の大統領選挙で不正があったと発言。それは投票用紙にあらかじめギジェル・サンチェスの欄に印がつけられていたと言うもの。政府側が大反撃に出て「チリの選挙は世界的に公正と認められてる。(政府と独立した組織の)選挙管理委員会からそういった報告は全く出されていない。どうしてそうした不可解な政治的批判をするのか」と逆襲するとピタッとコメントを止めました。何か基礎資料があり批判を始めたと思いますが、そうでもなかったようです。  バチェレットはいつものように各地を飛び回っていますが、今週は北のアントファガスタで新病院を訪問。ギジェルが同行したのでピニェラ側は政府は中立を守らないとクレーム。いつもと同じですね。なんでもギジェルがバチェレットに同行するのはこれで5回目とか。
バチェレットは旧軍人が収容されている特別刑務所を廃止し、一般刑務所に移すと約束していますが、ピニェラは私はその刑務所を維持しますときっぱり。これに関しては私はバチェレットの側です。

チリの政治は面白いですねとチリの風の読者からコメントをいただきましたが、私は逆の感覚です。
今回の選挙は盛り上がりません。その根幹は市民の政治不信です。議員は自分(個人と党)のために働き市民との公約を守らないから。
新聞にどうして投票しないのかと言う特集が組まれました。「私を説得できないような候補者にどうして投票できるの?」先の選挙で投票したのはわずか47%です。
それから教育・年金・市民の安全・経済発展などどちらの候補者も同じようなことを言っています。
予備選挙の時、私は新左翼のサンチェスに投票しました。その後の惨めな内部争いで、大統領選で彼らを応援する気が無くなりましたが、私が先日の1次選挙で、そのまま続けてサンチェスに入れていたら、彼女は与党統一候補のギジェルに勝っていたかもしれません。そうだったら今頃、国中が選挙で湧き上がっていたでしょう。
彼らの運動のベースは数年前のペンギン運動と呼ばれた学生運動から来ています。その時のリーダーが国会議員になりました。新左翼系と共産党系の議員です。
所で国会議員の選挙ですが、私は新左翼の候補に投票しました。その候補者は当選しました。ラス・コンデスにも新左翼を応援する人が結構いるわけですね。
先の1次選挙の前は5社もある市民調査の結果が新聞に連日発表されていましたが、今回は1社だけ。あまり当たらないので新聞社が掲載を抑えたのでしょうね。ピニェラが圧勝と言うのが共通の認識だったのに、与党側の候補の獲得した票がピニェラらの野党側候補の得票数より多かったと言うのも問題ですね。さて来週の大統領選挙、どんな結果になるでしょう。