(政治)

1) 大統領選挙
もちろん、今週はこの話題以上に重要なことはありませんね。もう同じことを繰り返していますが、今回の選挙は最後まで盛り上がりませんでした。軍事革命が1988年に終結して以来、つまり民主化してからは常に中道・左翼系が選挙に勝ちましたが、2代前に与党のフレイと野党のピニェラがぶつかり僅差でピニェラが勝ちました。左翼の私が生まれて初めて右翼のピニェラにに投票したのでよく覚えています。今回はその繰り返し? 
投票日の直前にギジェルの応援に元ウルグアイ大統領ムヒカがチリ訪問しました。彼は表立ってベネスエラのマドゥロを応援するとか、ボリビアの海訴訟でボリビア全面支持とかかなりおかしい面もありますが、ギジェル側は大喜び。
一方ピニェラ側の応援をアルゼンチン大統領のマクリがしました。チリの外相は現職大統領が野党側候補の応援を公式にするのはいかがなものかとクレームしていました。
それから1次選挙の前は毎週のように世論調査の結果が新聞に掲載されましたが、今回は1度だけでピタッと止まってしまいました。あまりに予想と実際の結果が違ったことから市民の信用を失ったわけですね。
さて結果ですが・・・
夕方6時から開票が始まり最初からピニェラがリード。勿論、首都圏で左翼傾向の強いマイプ区とか、プエンテ・アルト区などではギジェルが勝ちましたが、ロ・バルネチェアなどはピニェラが80%を獲得。最南部の第11,12州はギジェルが勝ちましたが、総合では55対45と10%の差をつけました。 
1次選挙の時、野党側の候補者が獲得した票より、与党側の方が多かったのですが、それが一部、若しくは多数、ピニェラに流れたわけです。その辺の分析が面白いですね。
本当は1次選挙の前はピニェラが楽勝と言われたので、ピニェラ側の人間が投票に行かなかったが、今回はもしかすると負けるかもとなったので投票所に出向いたのではないかな?確かに今までは2次選挙は1次の投票数より少なかったのですが、今回に限り逆で、今日は700万人以上が投票しました。
負けた方に入りますが、新左翼はにっこりではないでしょうか。その理由は旧左翼、例えば社会党などは、力を失っていくので、次回の選挙は自分たちが先頭で戦うと考えるから。

ピニェラが勝ちそうだと発表されると車が道路に出てブーブーとクラクションを鳴らしながら走り始めました。彼の応援団です。一台や数台ではありません、列を作って走っていました。夜の11時近くになっても、まだそんな車が通ります。