(政治)

1) ボリビアの訴訟問題
かねてから問題になっていたボリビアの海問題が正式にオランダのハーグ国際法廷に持ち出されました。ボリビア側は、百年以上前に両国間で締結した領土合意をチリとボリビア間で争われた太平洋戦争の結果と認めず、チリの一方的な侵略によるものとしました。そしてその侵略された領土を従来の正当な持ち主ボリビアに戻すよう要求しています。チリはその領土返還要求をあまり気にしている様子はなく裁判で勝つのは間違いないと大統領も外務大臣もコメントしています。

2) 政府にとってそれより大問題になったのはセンコスル社のクレヂットカード問題です。
何それ?と思われそうですが、同社はファラベラ社と並んでチリの小売業を抑える大手業者。
彼らは自社の百貨店やスーパーマーケットで通用するクレヂットカードを発行していますが、そのカードの内容を今から数年前、バチェレット政権時代に、一方的に改変し月に約1千ペソのコストを徴収するようにしました。消費者はよく分からないので毎月、自動的に払っていましたが、それを消費者連盟が咎め、裁判に。今回、その判決が違法と出ました。結論はセンコスール社にそれを消費者へ払い戻し指示です。
問題は、消費者が喜んだということだけに止らず、大きな政治問題になりました。それはセンコスール社がその怪しい動きをしたときの会社のトップが、今回の大統領選挙で最右翼党のUDIからでているゴルボルン候補だったのです。
しかもそれをUDIと共に現政権を担当するRN党の候補者アラマンが発表しました。UDIは身内の候補者がゴルボルンを引き摺り下ろそうとする行為をするのは言語道断、許せることではないと戦争状態。与党側の予備選挙に参加しない可能性まで示唆。確かにこれは後々まで糸を引きますね。
この大打撃はさらに発展しました。当初、その不正徴収をゴルボルンは私個人の判断ではなく上層部のダイレクターの指示を受けたためとしましたが、その会社の現在のジェネラル・マネジャーが企業の最高責任者はすべての責任を負うものとコメント。彼も仕方なく、当時の風に乗って実行してしまったと軽く反省。
次期大統領候補者が消費者を騙して私企業の利益を膨らませたのは到底一般市民に受け入れられないだろうと言うコメントがUDI党内から出ています。おまけに日曜日、彼がカリブの税金の生じない島に多額の預金をしていることが明らかになりました。これらを総合して、彼を外して他の候補者ぬする入れ替えも噂されています。もう残された時間はほとんどありませんが。
問題のセンコスル社はすぐに作戦を立てて、新聞に大広告。それは弊社のカードを使ってxx商品を購入いただければ3個の代金で4個お持ち帰れます。自社の悪行をビクともしていないみたいですね。同社の総合社長は法の裁きは潔く受け入れますというだけで、これが同社のイメージを傷つけると考えもしない様子。毎日のように彼らの経営するスーパーマーケットで私も買い物していますが・・・。
3) 教育大臣の更迭
国会で更迭された前教育大臣の後任が決まりました。シュミッツ前女性省大臣です。昨年、菊芋関連で今村さんのお供をしてモネダ宮殿を訪問したとき、偶然彼女に出会い、話を始めましたが、初対面の私たちに親切な応対をしてくれました。もちろん、教育大臣になったばかりで、彼女になにが出来るか分かりませんが、教育の無償化など誰がやってもできるわけがありませんから大変ですね。
4) 調査局局長の辞任
昨年、国勢調査が行われ、政府発表ではかってないほどの高い成果があったとされました。ところが、その調査はいい加減で数字が後からいじられていたと内部告発があり、白を切り続けていたトップのラベ局長が辞任しました。なんやそれは。最終的には彼個人の問題としても、政府の責任は避けられませんね。チリってそんな国なのと言われそう。もう一度国勢調査をやり直すのはありえないといわれています。