(経済)

1) ペソの為替
2012年に対ドルの為替が切りあがった国の中でチリは世界2位でした。コロンビアがトップで6.9%、チリが2位で6.84%。円は5%の切り下げ、アルゼンチンペソは12%、ブラジルのレアルは16%の切り下げでした。
チリはブラジルに従来多くの投資をしていましたが、ブラジルの時代は終わったとして投資先をコロンビア・ペルーに変えています。

2) 物価上昇率
11月の物価上昇率はマイナス0.5%でした。確かに食品が値下がりしています。ジャガイモなんか少し前の3分の1の値段。果物もドンドン下がっています。通年では2%アップが予想されています。チリにはインフレはないですね。
これでUF立ての借金の人は, 銀行からの借入金などですが、 来月の支払額が下がります。私の年金の支給額も下がりますけれど。

3) エネルギー問題
第3州で火力発電所の建設が認可されました。プンタ・アルカルデ発電所ですが、近くの町ワスコから15キロです。14億ドルの投資で二つの火力発電所の総合能力は370メガワット。町民は反対の声を上げています。
発電所がなければ電力不足で鉱業・工業、そして一般市民の生活に影響しますが、火力発電所の場合、汚染が出ると反対の声が高いのも事実。水力発電所の場合は反対理由は自然破壊でしょうか。日本も原発を無くすと電力不足になると脅す声は高いですね。
チリの生命線は鉱業、特に銅鉱山ですが、電力を多く使用します。したがって銅産業は発電問題から逃げられません。
ところで銅の埋蔵場所は毎年掘り難いところに変わるわけで、経費の増大は避けられず、おまけに一度掘るとそこからは二度と採掘できません。つまりチリの生命線も寿命があるわけですね。それまでにチリは生き延びる力を蓄えておかなければ・・・。

4) 建設業界
アメリカ、日本、スペインと、中国もその傾向ですが、世界各国で不動産によるバブル発生、そしてその破壊が問題になっています。しかしチリで現在建物の価格が急上昇しているのはバブル現象ではないと建設業者と銀行が発表しています。
つまり各人が必要な不動産を家族の収入の30%以内の返済額で購入すれば返済不能になる可能性は少ないと言うもの。金が余っているから不動産に投資すると言う方式がバブルとなり経済崩壊になるとチリでは考えられているわけですね。
もっともチリ人がそれほど堅実に生活を送っているとは思えませんが。
(多くのチリ人が借金をく背負って苦しんでいます)
2002年から2009年までにわずか実質1%の上昇だった首都圏不動産価格が2009年から2011年までに8%も上昇していますが。私の住んでいるラス・コンデス区は同期間で価格上昇が0.5%から8.5%になっています。

5) セルロース
チリのセルロース生産業者のCMPCはブラジルに21億ドルの大きな投資をし、合計生産額は世界2位になるらしい。チリの企業が銅の生産以外でも世界のトップレベルにいけるわけですね。