(政治)

1) ピニェラがペルー訪問しましたが、チリ大統領としては10年ぶりとか。
向こうのガルシア大統領とピスコサワーを飲みながら、ピスコはペルーの地名ですが、チリにもこの酒がたくさん作られていると自慢合戦をしていました。もちろん現在ハーグの国際法廷で審議中の領海問題にも触れ、「私はチリの主張が正しいと確信していますが、ペルー側はそうでは無いとおっしゃられています。」チリの野党からこの時期の訪問は適切ではないと批判が出ています。

2) アジェンデ時代の大臣トアの死について疑惑がもたれていましたが、政府はそれを認め正式に死因調査を再開させました。病死もしくは自殺とされていたのが殺人になる可能性があるわけですね。左翼の人間を軍事政権が死に追いやった可能性があるとするわけですが、バチェレットのときにしなかったことを右翼のピニェラがするなんてなんとも不思議な気がします。

3) その軍事政権時代、弾圧された側に立って、軍隊に対決した人はほとんどいませんが、その数少ない中にカトリックのグループがありました。その中心神父だったバレッチが83歳で死去。その葬式にはピニェラも参列。確かにもう左翼・右翼の差はチリにはないのでしょうか?
ところで、そのカトリックですが今週、チリの大司教が教会関係者の不祥事で皆さんにご迷惑かけているのをお詫びしますとコメント。これは神父などの年少児への性的暴行事件のことですが、彼がコメントするようにあちこちで問題が出ているのにそれを全部隠してきたわけです。カラヂマ神父問題が最近では一番話題になっていますが、裁判所は証拠不十分でそれを結審するようです。カトリック教会の強い要請が届いたからでしょうか?これがバチカンから有罪とでもなれば、チリの司法界も面目丸つぶれですが。

4) 野党に元気がない、人材がいないとしょっちゅう書いていますが、何と今週の朝刊の1面に出ましたが、元大統領のラゴスが国際機関での仕事を辞任し、帰国して野党間の調整の仕事に当たるらしい。そんなことを新聞のトップに持ってくる価値があるのか、それほど野党は惨めな状態なのか、やっぱり政治は人ですね。魅力のある人材がいないと選挙には勝てません。じゃラゴスの次はバチェレットにも帰国してもらいましょうか?もちろん野党の若手はこの動きに反発していますが。

5) 教育問題
前政権のときも教育問題は大問題で、学生・生徒の反乱はペンギン運動として連日メディアのトップを飾りました。さて今週のニュースでせっかく先生になっても給料が低いので(将来的にも良くなる可能性がないので)わずか5年で40%もやめてしまうらしい。極端ですね。                      今年の入学試験で(チリではPSUと言いますが) 600点以上の高得点を獲得した学生が先生になるためのコースを選べば、大学の費用をすべて政府が奨学金として出すことになっています。でも5年でやめてしまえば・・・。

6) 犯罪問題
犯罪が増加しているとチリでは長い間、政府の無策振りが批判されていましたが、今週副大統領のヒンスピーテルは自動車泥棒を除くすべての分野の犯罪は低下しており(もしくは検挙率が上昇しており)問題に取り組む政府の姿勢が反映されていると発表しました。ほんまかな?
今週パキスタンからの不法移民のニュースが出ましたが、一人1万ドル以上をとってパキスタンからアメリカ(もしくはカナダ)に入国させる仕事があるようで、その途中、チリに通過国として入国しているらしい。しかしチリで逮捕されてパキスタンに強制送還では、彼らの将来は最悪ですね。持ち金を全部はたいてアメリカにわたろうとして、到着する前に送還ですからね。