(政治)

1) 韓国でG20大会がありましたが、全く進展がなかったようですね。チリはそれには参加していませんが、ピニェラは横浜に飛んでAPECに参加です。なにしろチリの貿易の60%はこの同盟国との間で行われていますから、チリにとってAPECは最重要アイテムとなっています。ちゃんとこの機会を利用してチリはマレーシアと自由貿易協定を締結しました。
さてピニェラは来週には中国入りです。チリにとっての最大の貿易国ですから、彼も張り切らざるをえません。仕事のほかに万里の長城を絶対歩くと言っているようです。でも12月のノーベル平和賞の授賞式に各国は政府代表を送らないように中国が要請しているので、チリ政府もその対応に苦しむでしょうね。政治とノ−ベル賞は違いますよと軽くあしらうほどの力はないし。
それからペルーから訴えられている領海問題が大詰めにきたようで、ピニェラはチリの勝利は疑えないが、ペルーとの関係が悪化しないよう考慮する必要があるとしています。負けたらどうするのかな?でも彼は近いうちにリマを訪問する由。

2) 国会で2011年度予算の件でもめています。大筋では合意したのですが、細かい点でもめています。
それから政府に噛み付くような問題点が見つからないので、野党はそれを探しまくっていますが、2月の大地震以来の緊急住宅建設について女性建設大臣が事情を良く把握していないように見えるので、彼女を攻めることに集中しています。で、政府のほうは彼女を援助するのと、野党に逆襲をかけるため次の作戦を取りました。バチェレット政権時、トコピーヤでかなり大きな地震があり、そこを訪問したバチェレット前大統領は政府のすべての力を皆さんの援助に当てますと公約。しかし3年以上たった現在、その公約は半分も実行されていません。そこでその町を政府首脳が(アジア遠征組以外の)訪問し被災者と会話を持ちました。その町の町長はDC(キリスト教民主党)ですが、「現政府は政治宣伝のためにここに来てショーをしている。彼らが政権をとった3月以降に、ちゃんと被災者救援の資金を私たちの区役所に渡しておれば、援助はもっとスムースにいったはず」しかし、おっちゃん、その前の3年間、バチェレットにクレームしないで、いまさらピニェラに文句を言うのもおかしいんと違う?
ところで2月の大地震で崩壊寸前になったサンティアゴのマイプ地区のマンションは年内に爆破することに決まりました。放置しても何の値打ちもありませんから、早くすっきりしてもらいたいです。もっともこの取り壊しに政府は約4億ペソを見込んでいます。

3) バチェレットはニューヨークの国連機関で働いていますが、野党側の顔は彼女以外には無いようで、政府と対面して、政府の方針を変えていくような求心力を持った人間は全くいないようです。
このため野党側の表立った動きは、先の大統領選挙で連合から離脱していったグループを再度、メンバーに加えることや共産党も加えた大連合で次の選挙を戦おうとしていますが、DCはそれに反対しているようです。