(政治)

1) バチェレット
彼女は本当に、キューバに飛んでカストロの葬儀に出席したかったようです。ボリビア、ベネスエラ、ギリシアなどのトップが参列しましたが、チリからは上・下院議長、大臣が1名、それに共産党党首が参加。彼女は社会党より共産党に近いのかな? 
工業・商業社連合の年次総会にバチェレットは、チリ訪問中のペルー大統領クチンスキとともに出席。チリの置かれた状況は厳しいが、前進しているとスピーチしました。するとなんと連合側の代表はチリ政府の無策・もしくは失策で前進がストップしていると彼女の目の前できびしい批判。彼が勇気があると言うか、任期が終わるのが近いバチェレットの実力と言うべきでしょうか。
この日曜日、彼女は第12州に飛び、プンタ・アレナスで、「皆さんのご要望に応え、この州だけの特別時間を設定することにしました」と発表。同じ国の中でもチリ時間と第12州の時間は変わってくるわけです。冬でも夏時間を使うわけです。
それから近くのプエルト・ナタレスに赴き、そこの飛行場の拡張・整備をすることを発表。ラタム社は今月からサンティアゴからの直行便を夏の間(2月まで)飛ばすことを決めました。
パタゴニア観光客がますます増えますね。
2) 大統領選挙
来年に選挙があるわけですが、先日、内務大臣が「真の候補者は与党側はラゴス、野党側はピニェラ、それ以外は価値が無い」とコメントし物議をかましましたが、今週の世論調査ではそのラゴスは低い数字にとどまり、候補者はピニェラとギジェルになってきました。元テレビキャスターだったギジェルは所属するグループ・党もなく独立ですから、自由に振る舞いそれが市民には新鮮に映っているようです。
大統領選挙が今あれば、誰に投票しますかと言う質問でピニェラが24%、ギジェルが21%、ラゴスが7%でした。
3) 移民問題
ピニェラは移民が、犯罪組織を形成しているとコメントし問題になっています。新移民法の検討を急いでいると政府は発表しましたが、バチェレットは「移民排斥をするつもりはない。移民はチリにとって大きな意味を持つ」としています。老齢化が進む中、移民はほとんどが若い層ですからね。労働力として期待できると言うわけです。
2015年の数字ですが、約50万人の移民が登録されています。この10年間でチリに入ってきた移民の増加はラテンアメリカのトップとか。チリがどこより安定していることを示していますね。さて昨年、その中の2283名が何らかの理由で国外追放になりました。
市民調査ではチリ人の85%は犯罪を犯した移民は国外追放にすべきと考えているようです。
ペルーとの国境をガイド料を取って外国人労働者を不法にチリに入国させるグループがあるとかで警察がその後を追っています。
何年か前に、家屋の建設現場で現場主任が同じ給料を払うなら自分はペルー人を雇うと言ったのを思い出します。外から来ている労働者は必死で働くが、チリ人は、ここがだめなら他を探すと言う風にズボラだと言うわけです。