(政治)

1) サン・ホセ鉱山の生き埋め事故は全世界的なニュースになりましたね。何でもマイケル・ジャクソンの死亡したときに続く世界的な大ニュースだったらしい。
これに「勝利」したピニェラ大統領は今週、欧州訪問、また11月はアジア訪問と外遊が続きますが、どこに行っても英雄扱いでしょうね。それだけの価値はあると思います。
作業員の生存が危ぶまれていたときに、それにどこに穴を掘ればよいのか良く分からない時期にも政府は全力で救出すると宣言し、それを実行していたように思います。一時は政府内でも自らの行動に不安感があったかもしれませんが、最後まで投げださずに粘ったものです。世界最新技術の導入と、それを実施できる技術陣がチリにはあったわけです。もちろん、幸運に恵まれたこともあるでしょうが。
私はこの種の事故がアメリカ・日本・中国・ロシアで起こったら、多分半分見殺しになったと思います。欧州の数カ国はチリのような政策を取るでしょうが。 それだけに小国チリが世界の大国と肩を並べ、もしくはそれを超したレベルで救出作業を実行したことに喜びを感じます。

2) 世論調査では政府の支持率は就任直後の52% から始まり、トランサンティアゴのバス代値上げをした時点で46%に下落、今回、労働者が全員生存しているのが確認された段階で10%のアップ。最後には62%まで支持する層は増えています。確かに世論は政府(大統領)の仕事を良く見ています。今回の事故始末について大統領は良くやったとする見方は84%にも達し、野党側議員がコメントしたような、大統領は目立ち過ぎるとする批判は14%に留まっています。
今回の救出作業の最も目立ったのはゴルボルン鉱山大臣で、国民の英雄となっています。最もこれが逆の結果(大半の労働者が事故死)なら彼は被告席に座ったのでしょうが。
3) ボリビアのモラレス大統領はコピアポ訪問し、救出された33名中、唯一の外人(ボリビア人)を励ましました。大統領は彼に私と一緒にラ・パスに戻ろうと誘いましたが、彼はそれを断って病院に入りました。彼もボリビアに帰国するかチリの残って他の仕事を探すか迷うところですね。