(経済)

1) 政治の項目か経済、一般のどこに分類するのが適当か迷いますが、昨年のチリの大きな社会問題となったコデルコの下受け従業員がまたエル・テニエンテ鉱山に通じる道路を封鎖し警察と対決しました。昨年の政治問題の再燃です。彼らはコデルコ側が約束を守らなかったとし、コデルコ側は労働者が決められた事項を実施していないとお互いに批判しあっています。
昨年のコデルコは大きく生産トン数を落としましたが、その原因とされる労働争議を再び年初から抱えたことになります。
コデルコ首脳部としてさらに頭の痛いのは同社の課長、係長クラスから首脳部のエラーで増産計画が実施されていないと内部告発を受けました。厳しいですね。
おまけにコデルコのエースに当たるチュキカマタ銅山はオープンピット方式ですが、もう穴が深くなりすぎて、いつがけ崩れが起きるか分からないと言われています。それを避けるためには地下鉱山にして鉱脈に穴を掘っていく方式に変化する必要がありますが、数年前から言われても未だに変換がされていません。
しかし銅価格はジリジリ上がって1ポンド3.5ドル。利益はしっかり確保されているのだから、コデルコしっかりせよと言いたいです。

2) それより厳しいのがサーモン業界で、チリ1位の生産を誇るアグアス・クララ社の工場が従業員により封鎖され、それを解除しようとした警察と衝突し多数逮捕されました。新聞に「こんな安い給料では生活できない」と従業員がわめきちらすと報道されると、社長が「新聞に掲載された弊社の社員の給料15万ペソは全くの誤りで、平均で40万ペソと単純働者としてはチリ全国でもトップクラスの給料」と反論しています。
そんなの新聞記者が同社の給料の明細書を見せてもらえばすぐに分かるはずですが、何してるんかナ。会社側はこの乗っ取りに対抗して工場閉鎖を実施。さて来週はどう進展するかな?
しかし頭の痛いのはそれだけでなく、チリのサーモンには従来でていなかった病気が発生し多大の損失が見込まれています

3) エネルギー問題は今年の継続した話題になりますが、今週のそれはアルゼンチンからの天然ガスが値上がりしたことから、それが一般市民の懐に影響することと、天然ガスの備蓄を増やすためガス会社が計画している備蓄基地の建設が政府が許可したにもかかわらず、一般住民の反対が強く計画が実行されるかどうか危ぶまれています。その場合は3月危機だけでなく一年中エネルギー危機が継続される可能性が出てきます。
それに第11州の水力発電ダムの建設も環境汚染・自然破壊から問題されており、政府がそれをどう乗り越えてダム建設にこぎつけるか注目されます。もっともダムの建設が今年中にはじまったとしても発電が開始されるのは数年先のことですが。

4) ドルの低落
1ドル498ペソで出発した08年ですが、今週464ペソまで落ちました。
もうドルなんかほしくないと言うことでしょうか?サーモン屋さんやワイン、果物などの輸出業者が泣いている様子が目に見えるようです

5) 新しいテレビの方式(デジタル方式)をチリ政府は決めかねていますが、日本がフレイ元大統領などの国会議員を招日して宣伝に努めていると報道されました。
ブラジルが日本方式を採用していることも報道されています。日本が欧米の2方式に勝てる可能性はあるのか?
捕鯨をしているのでテレビの日本方式は採用しないなんて言い出さないでしょうね。