チリの風  その851  2019年9月2日―8日

先週、暖かくなりましたと書きましたが、今週は少し冬に逆戻りしました。金曜日、山歩きをしていたら、山の上の方でポツポツ雨が降り始め、それが地面に落ちると白い粒に。霰でした。まだそういうこともあるわけですね。雨に弱い私は目的地でゆっくり休むのをやめ直ぐに下山しました。               
土曜日のサッカー教室は10数名でいつもより少ない参加者でしたが、最後の練習試合は盛り上がりました。大人に混じって子供にもチャンスが来るのがうれしいです。子供は全員、どの分野でも能力を持っています。それを引き出すのが大人の責任です。
登山、マラソン、サッカーと4日間スポーツを楽しみました。幸せです。
チャチャポヤス旅日記のその2も完成しました。チャチャポヤスは町も人も自然も素晴らしいところでした。それを読まれた皆さんもそう感じるのでは。

(政治)

1) ピニェラ動向
ブラジル問題が継続です。ブラジル大統領はアマゾンの山火事問題からフランス大統領ともめましたが、今週はバチェレットを批判しました。その理由は国連人権員会がブラジルに人権問題があるとコメントしたためで、それに反応して「チリにひどい人権問題があったのを忘れたのか、自分の父親がピノチェットに殺されているわけで、他国の問題に口をはさむよりチリの問題を先にしろ」としたわけです。バチェレットは国連人権部門の責任者です。ベネスエラ問題でもめ、今回はブラジル問題でもめていますが、確かに難しい職務ですね。                     ピニェラはバチェレットの側に立ってボルソナロにクレームを出しました。そのコメントはお門違いではないかと言うわけです。チリの野党側はもっと公式に国からクレームを出すよう要求しています。ボルソナロってかなりひどい大統領ですね。他国の問題に口を出すなと言われるかな?
さて国内問題では、ピニェラはこの先50億ドルを投資して鉄道線路の拡充を図り、チリ全土で国の発展を目指すことを確認しました。
2) 労働時間
議会で40時間法案が委員会で認められ一歩前進しました。
これに関し経済大臣は労働時間を短縮すれば自由な時間が増える代わりに給料が減ると言うことになると警告。また
ピニェラはこの法案に反対し憲法議会に持ち込み阻止するとするらしい。会社側は3週間以内に公式見解をまとめ、労働者側と話し合いを進めたいとしています。これを提案した共産党議員は政府の対応を批判し、チリの社会を発展させるためこれに関しもっと前進するべしとコメントしています。
3) 教育大臣の罷免要求
こうした動きは前バチェレット政権の時にもあり、その時の教育大臣は職を解かれました。クビジョ大臣は法律にのっとり私の行為がどのように不法なのか証明してほしいと落ち着いています。
しかしこの件に関し、新聞に議員はもっと他にすることがあるのではと言う論文が出ましたが、確かにレベルの低い争いと言う感じです。
4) 最右翼UDI党議員と中国政府
チリ駐在の中国大使がベジョリオ議員の香港に関する言動が中国の実態とかけ離れているとして抗議の見解を表明。
新聞の特集記事に「虎の反撃」と言う記事が出ました。同議員は香港の反中国運動に協調しているのですね。

(経済)

1) 経済見通し
7月の数字が3.2%と今年で最も高い数字になり予想より上。これで政府が繰り返してきた今年の後半は前半の低調を覆し、上昇すると言うストーリーになるかな?しかし、中銀発表では今年の経済成長率は2.25%から2.75%と抑えた数字。これは政府予想の数字より低いもの。中銀予想では来年もパッとしない数字なので、ピニェラがバチェレット政権の時は経済発展がなかったが私たちは違うとしたコメントが外れ自分たちも同じになりそうです。政府はこれに対し、悲観的な数字を公表するのはいかがなものかと渋い顔。
2) 銅価格と為替
銅の価格はポンド当たり2.62ドル、為替は1ドル711ペソと低め安定が続いています。金の価格は上昇ですが、銅はうまくいきません。年末にかけてどうなるかな。

(一般)

1)18のお祝い
   チリの20%の会社は16,17日を臨時休日にしてその週1週間全部休みにするとか。この期間に400万人が旅に出るとか。
高速 道路が渋滞で動けなくなるでしょうね。いつものことですが。私たちも南部に旅したいですが、この期間が終わって
からにします。
2)9月11日
  9月は18日の建国記念日だけでなく11日の軍事革命の記念日もあります。その記念の為のデモが今日ありました。
セントロ(中央部)から共同墓地に向けデモ隊が行進、政府に軍隊に拉致されまだ行方不明になっている1000人以上の
 行方者 を調べるよう要求、デモ隊は最後は警察とぶつかりました。来週はもっと大きい衝突があるでしょうね。
3)夏時間
この土曜日の夜、時間を1時間進めることになりました。深夜の12時が日曜日の朝1時になったわけです。
朝は日が昇るのが遅くなる変わり、夜に日が沈むのが遅くなるわけですね。昨日まで7時に暗くなったのに今日からそれが8時にずれるわけです。来年の4月の初めまでこの制度は継続です。
4)大気汚染
毎年、汚染は酷くなると思っていましたが、この冬の汚染は前年と大して変わらず非常警報は減少しています。サンティアゴは警戒警報が25回、準非常事態が9回でした。何や3日に1回は警報が出ていますね???
3) キリスト教の不祥事
カトリックの性的問題は毎週ですが、新教福音派の前大司教ドゥランの資金引き抜きの悪事がまた記事になりました。なんでも2014年から2018年の間に教会の金22億ペソを自分の懐に入れたとか。もちろんそれ以前も同じことをしていたのでしょうね。そんな教会に信者がまだ通うのが不思議です。

(スポーツ)

1) サッカー
アメリカでチリ対アルゼンチンの親善試合が行われ0対0の引き分け。チリにはアメリカ杯で2連勝したころのパワーはなくなりましたが、選手が毎年年を取りますから、今回は若手を多く起用してちゃんと引き分けは立派なもの。
来週、ホンヂュラスで同国ともう1試合対戦します。
このため国内リーグ戦は一時中止。ただそれよりレベルが低いチリカップ戦の準々決勝が実施され、人気のチリ大学がまさかの敗戦。今年は同チームの下位低迷が確定ですね。カトリカも負け、コロコロは勝ちました。もちろんこれは1回目でもう一度。対戦して準決勝進出チームが決まります。

以上