チリの風  その843 2019年6月8日―14日

金曜日、大使館に行って参院選挙の投票をしました。投票用紙を小さな封筒に入れて、それを郵送用の大きな封筒に入れます。インターネットで投票すれば、そういう細かい作業はなくなりますね。次回の選挙はどうなるかな?       
土曜日はサッカー教室。冬休み中なので7名の参加者でした。それでもちゃんと最後の練習試合まで実施して楽しみました。

日曜日は仲間とマラソン練習。走った後、太陽がポカポカするベランダの椅子に座り嫁さんが作ったケーキを食べながらコーヒーを飲む。これが最高です。
火曜日が祝日なので、月曜日を休むと4連休。何でもサンティアゴから40万台の車が郊外に出て行ったとか。事故なしに帰ってくるかな?       
今日の昼頃、少し揺れました。リヒター4.1の地震でした。久しぶりでした。
先週の皆既日食の話の中で地上波を見たと書きました。それに関して、日本の読者から連絡あり、それはシャドーバンドと呼ばれるもので、毎回見られるものではないとか。いろんなことがあるわけですね。

(政治)

1)ピニェラの動向
隣国との国境線に軍隊を派遣すると発表。野党側から反対の声が上がっていますが、彼は他国に侵入する目的ではない、他国から侵入してくる麻薬組織を抑えるための布陣だと一蹴。来週にでもドンパチが起こる可能性がありますね。その際は大問題発生になるでしょう。
国連機関がフィリッピン大統領に対し警官が麻薬業者を射殺するシステムをやめるよう警告しました。バチェレット部隊ですね。チリ外務省は国連でこの課題について討議された時、賛成票を投じませんでした。自分たちも国境を不法に入ってくる麻薬関係者に同じことをやろうという意気込みでしょうか。ところで11月にチリで開催されるAPEC会議にそのフィリッピンのヅテルテ大統領が参加しますが、彼のチリ訪問は話題を呼ぶでしょうね。
バチェレットの批判報告書にべネスエラのマドゥロ大統領は反論していますが、世界の目はほとんど彼の言うことは信用できないとなっています。マドゥロが大統領職を辞任して後継者に席を譲るという噂も出ています。反バチェレットのデモがカラカスで実施されました。                             
いずれにしても問題があるから同国から逃げ出して移民しようとする国民が増加するわけですね。最も同国から逃げ出せばどこの国でも受け入れてくれるというわけにはいきません。毎日のようにチリ・ペルーの国境でビザの発給を待つ同国人家族の苦しい毎日が報道されます。
ところで日本を出て外国に移住しようとする人が増えているそうです。2017年の海外移住者は48万人で前年より3.4%アップとか。

2)厚生次官の辞任
厚生次官カスティジョが辞任しました。彼は元大統領のフレイの死に関連したとしてDCからクレームが出ていましたが、ピニェラ政権はそれを無視して次官として採用・雇用していました。ところが今週ラヂオの番組で彼は「診療所(政府の健康保険フォナサの患者を扱うところ)が常に患者であふれ適宜な対応ができていない。それを改善すると言うが一向によくならない」とクレームされると、なんと「地方では診療所は住民が集まる場所で、地域の人の憩いの場所」と回答し、あぜんとさせました。もちろん、何を言っているのかと言う声が大きくなるのは当然で、政府も見過ごすわけにはいかず、辞任させた模様。それに関連して次官が辞任して新次官が任命されるとき、与党の中心のUDI党に事前に連絡がなかったとかで,同党首はそれでは自分たちはどのように政府と協調していくのか分からないと不快感を表明。与党内で同じことが続いています。
さて野党の動きがチグハグ・めちゃくちゃと言うのは毎週書かれていますが、社会党は主流派と反主流派がかみ合わず、現党首は競争相手のリーダーを副党首にしたいと乙波しましたが、拒否されました。 べネスエラの件でも共産党は他の野党とは全く異なった見解を持っています。バチェレット報告書にはべネスエラの経済混乱の原因にアメリカの嫌がらせがあることが明記されていないとしています。    
それなら初期のころのように野党連合から共産党を外そうかと言う声も出ています。                        
前回の大統領選挙でピニェラと争ったギジェルは、もう一度モネダ宮殿を狙うつもりはないが、今の野党グループを見ていると人気のある、カリスマ政治家はいない。つまりもう一度、また、バチェレットに立ち上がってもらうしかないのではないかとコメント。私がだいぶ前から言っていることですね。素人の私にもそれしかないと見えますから。
3)教員スト
ストを続けるか中止するかの投票が行われ、50.5対49.5でスト継続派が勝ちました。このままストをどう継続させるのかまた組合内でもめそうです。しかし1月以上もストをして、よく飽きないで続けるものですね。

(経済)

1)経済成長率
大蔵省は今年の予想成長率を3.5%から3.2%に下げ、赤字を1.8%と見込んでいたのを2.1%に上昇させました。期待の銅の平均価格をポンド3ドルから2.85ドルに下げたのが痛いです。
S&Pの評価でチリはA+安定と評価されました。また経済成長率予想が少し下がり3%だったのが、2.6-2.9%の範囲とされました。国際機関の目にはチリは安定はしているが成長は少ないということですね
  2)貿易の縮小
輸出・輸入の両方の数字が小さくなっています。経済の伸びが落ちている証拠ですね。ただ輸出減少は命綱の銅が問題で、銅価格が上がればすぐに問題解消です。
  3)物価上昇率IPC
先月はゼロ。1-6月で1.6%。過去12か月で2.3%。完全に落ち着いていますね。これで中銀の公定歩合がまた下がりそうという声も出ています。
  4)消費者の動き
全く違う動きがあります。新車の販売は今年度の上半期過去4年で最低の下落。また2月から7月まで5か月間連続で前年比がマイナス。一番大きな下落を記録した地区は鉱山の多い北部のタラパカ州とアタカマ州でした。
逆に良いニュースは家屋の販売でこの上半期は好調で5%も上昇。予想では年内に前年対比10%アップになりそうとか。
そして1-5月で国内線の乗客が100万人を超え前年対比12%上昇とか。
4)銅価格と為替
1ポンド2.70ドル、1ドル681ペソとほとんど先週と変わらず。低め定着ですね。

(一般)


1)文化勲章者モンテの犯罪
1995年に教育部門で勲章を受けたモンテはカトリック系の学校の校長をしていましたが、1995年から2001年の間、子供に性的悪戯を繰り返していたことが明らかになりました。もう珍しいことではない話ですが、有名になった人間でも、裏では恥知らずなことを繰り返すのですね。毎月給付している政府特別年金をストップせよとの声も上がっています。
2)サイバーアタック
なんでも6月だけで500件の被害・問題が記録されているとかで、そういう組織が日に日に力をつけているのが分かります。目標にされているのは銀行などの民間組織だけでなく政府関連の公的組織も狙われているとか。しかし犯人は捕まりません。日本でも同じ犯罪が頻繁のようですね。
もっと直接的な犯罪では指名手配されているのに逮捕されていないのが13076人。もっと驚きは刑務所から脱獄したのが84名もいるとか。刑務所は何をしているのかな?

3)大気汚染
昨年大問題になったキンテロでSO2汚染が5月以来で規制限界を20回超え、そのうち5回は警戒警報が出されています。地域住民連合は環境保全局も政府も全く住民保護の行動をとっていないとクレーム。確かに5月以来それほど問題が深刻化してもマスコミには報道されませんでした。バチェレットも役に立たなかったけどピニェラもダメということがこの問題ではっきりしますね。

(スポーツ)

1) サッカー
国内リーグ戦はまだ始まりませんが、1部・2部を加えた全チームが争うチリカップ戦が再開し、ベスト16チームが競う試合がありました。
さて今年の10月に始まる17歳以下の世界選手権でチリの一次リーグ戦のライバルが決まりましたが、韓国、ハイチ、それにフランスです。勝ち抜けるかな?

以上