チリの風  その844 2019年6月15日-21日


冬至から一月経過したので、太陽が出る時間が早まり、日没もかなり遅くなりました。もちろん、まだ最低気温は零度の日もあり、冬の気配が続いています。                   
土曜日に登山教室がありました。大人子供17名で山歩き。第1展望台まで3時間コースでしたが全員、怪我もなく楽しく完歩。独りで山に入るのも好きですが、グループで歩くのもうれしいです。      
さて木・金・土曜日と3日続けてサンティアゴは大気汚染警戒警報が出ました。丘の上から街を見るとスモッグで覆われひどい有様。悲しいです。                         
日曜日はいつものマラソン練習。8時半にウォーミングアップのため外に出ると霧雨。雨に弱い私は今日は止めようと家に戻りました。9時に仲間が来て「走りましょう」で、外に出てスタート。気合が入っていないのがよくわかりますね。
練習が終わって仲間と部屋で話し合い。彼ら二人は10月のビーニャでフルマラソンを走ろうと盛り上がりましたが、私は沈黙。彼らの元気が羨ましい。よし一緒に挑戦しようと言いたかったですが。

(政治)

1) ピニェラ動向
今週の話題は何といってもオソルノ市の水道問題です。先週始まった問題ですが貯水所にエラーで石油が入ったことから断水が始まりました。エッサル水道会社は今週の火曜日に解決としましたが、一日延びて水曜日は間違いなしと発表されました。ピニェラは問題の原因、その対策は慎重に調査する必要があるが、こうして問題が解決に向かっていることは喜ばしいと現地を訪問してコメント。
彼はその後、すぐにアルゼンチンに飛びメルコスール会議に出席。しかし、その水問題は継続し、火曜日も水曜日も過ぎても一部で断水は続き、同市民はデモをして抗議。その水道会社から水道運営の権利を取り上げるという話も出ています。商店主などがこの断水で受けた被害を水道会社に支払わせるように裁判所に訴えるとか。
今日の日曜日、10日間の断水の後、全家庭に水が届けられるようになったと言われていますが、まだ水質はチェックが必要とか。
こうした中、ピニェラは2日間バケーションを取って、アメリカで行われるセミナーに参加する予定でしたが、野党側の批判を受け、それをキャンセルしました。
2)外交関連ではフィリピン政策に関し問題継続です。正規の裁判を経ず麻薬関係者は銃殺するとする同国大統領を批判する国連決議にどうしてチリは賛成しなかったのかと野党だけでなく与党内からも批判の声が上がっています。            
それからベネスエラ移民問題です。移民と言えば隣国のペルー、ボリビアが主流だったのですが、昨今はベネスエラ移民が首位を占めています。そしてその数が日に日に増えています。ペルーとの国境であふれていた移民希望者の中で幼児を持つ家族に優先ビザを発行し、サンティアゴに待つ家族のところに送りました。ご主人がチリで働いていて、同国に残った残りの家族を呼んでいるわけですね。もちろんそれは入国希望者のほんの一部で大多数は街路で苦しい毎日を送っています。
3)国内問題では教職員ストはどうなるかわかりません。合同会議が開かれてもストの終了・継続がはっきりしません。ほとんど5分5分ですから、どちらかが押し切ることができないのでしょうね。つまりストはいつまで続くのかわかりません。冬休み中に結論出してほしいですが。
さて最高裁判所の新裁判官に女性のレペットが任命されました。野党側から推薦されていた彼女を政府が受けたわけですね。地方出身の女性の私が最高裁判所のメンバーになれるなんてなんと素敵な夢がかなったのでしょうとコメントしています。
最も地方裁判所の裁判官・検察官の犯罪問題は継続し、権利を持っている人間がそれを悪用するというのが隠せない事実のようです。来年、民政化して初めて地方選挙(州知事)が実施されます。今までは政府がそれを任命していました。チリの法律では選挙に出る人間はその1年以上前に公職を辞任する必要があります。今回9名の現職知事が辞職するらしい。来年またその席に戻れるかな?
それから政府が運営する健康保険フォナサが病気・ケガなどで就労できず給料が受け取れない場合、それを政府が立て替える仕組みがありますが、その支払いを怠っていたのが問題になっていました。新厚生大臣は直ちに解決すると確認しましたが、確かに今週、その支払いは99%まで達したとか。ピニェラが指示を出したのでしょうね。

(経済)

1) 銅価格と為替
銅価格は1ポンド2・75㌦、1ドルは686ペソとパッとしない数字が続いています。
2) 中銀総裁
今年の12月に新チリ中央銀行総裁が任命されます。現在最もその可能性が高いと言われるのはロサナ・コスタでピニェラが彼女を任命するとチリで初めての女性総裁になります、世界では世銀で女性総裁がいますし、他にもロシア、セルビアそしてチプレ国の中銀総裁が女性とか。チリでも女性が進出してきたわけですね。

(一般)

1) VIHエイズが急増
   なんでも過去数年の比較数字ですがラテンアメリカでチリの
   増加率がトップ(最悪と言う意味です)。チリは34%、次い
   でボリビア22%、ブラジル21%と増加。
   コロンビア、ペルー、パラグアイなどは逆に減少していま
   す。チリの2018年の患者数は71000人。前年より4千人の
   増加。
   これに関し前政権が適切な処置を怠ったとバチェレットを批
   判する声もありますが、ピニェラもそれをやってこなかった
   わけで、他人を批判する前に自己批判し、適切な処置を今か
   らすぐに手を付けるべきでしょう。
3) アポロ11
今週のチリのテレビはこの話題が中心でした。なんでもアポロ11が月に到着し人類が初めて月面に立ってから50年が経過とのこと。しかし1年や3年ならともかく、50年前にできたことが、なぜ現在にできないのかな?最近、人類は一度も月に行っていませんね。不思議です。
  4)キンテロの大気汚染
なんでも今週、同地区で大気汚染に関し警戒警報が出されたとか。じゃどうして今まで出なかったのかとか、汚染をしている可能性のある工場に操業中止・軽減などの指示がなぜでないのかと言われています。ピニェラも方針がはっきりせず、一度決まったことを必ず実施するという基礎が欠けていますね。

(スポーツ)

1) サッカー
チリカップ戦はベスト8が決まりました。人気のコロコロ、チリ大学は勝ち上がりましたが、カトリカは日曜日のホームの試合が雪で中止になりました。土曜日の登山教室の時、そのサッカー場の横を通って山岳公園に行きます。
 2) テニス
チリのナンバー2になるジャリ―はスウェーデンのAtp大会で優勝し来週世界ランキングの50位以内に入ります。明日の発表ですが、多分、ガリンは37位、ジャリー48位とか。50位以内に二人のプレーヤーが入るのは2007年以来久しぶりです。


以上