1) マプチェ問題
それほど大問題にはならなかったと先週書きましたが、実はそうではなかったようです。
内務次官のアレウイは職場を離れました。マプチェ問題で政府内で孤立しバチェレットに辞任することを告げたようですが、政府はそれを否定し、辞任申請はなかったが、彼は休暇を取ることになったので職場から離れたと理由を説明。
マスコミが彼は夏に休みを取ったはずだがと問い合わせると休暇の理由は一つではないと訳の分からない説明。
スペインの新聞には辞任とすっきり書かれています。1,2週間で戻ってくるのかバチェレットが任期を終える来年3月まで休暇を取るのか分かりませんね。政府内の分裂は明らか。
教会に放火したとして政府からテロ法案を使って起訴されていた4人のマプチェがハンガーストライキに入っていたが、そのうち3人はストを撤回しました。その理由は政府がテロ犯人ではなく一般犯として裁判を要請すると変更したからでした。若し有罪になってもその方が刑罰は軽くなります。
国連の人権委員会はチリ政府にマプチェ関連の事件でテロ法案を適応しないよう提案しています。
検察総長はこの種の犯罪にテロリスト法案を適応させるのは理にかなっているとコメントしています。
ただテロ法案で法廷に入った事件で有罪になったのはたったの5%。検察が調べきれないからと言われています。
もちろん政府のマプチェ問題に対する姿勢の変更、弱腰がこれから問題になっていくでしょう。
内務次官は政府内でただ一人正義を貫こうとしたのかな?マプチェの資金問題・武器の入手方法などを調べにアレウイ次官はアルゼンチンに行きましたが、その調査結果は発表されていません。
政府高官がハンガーストをしているマプチェの家族と面会した時、彼はアルゼンチンにいましたが、その面会のことを事前に知らされていませんでした。
現バチェレット政権で内務大臣は3人目ですが、その下の次官の彼は大統領の信任が厚く内務省を陰で支える役目を負っていたのですが、その彼も最後はバチェレットの変身についていけなくなったのでしょうね。
別にマプチェ差別を進めるのではなく、マプチェに彼らの戦いに放火・殺人などの手段を使うなと言うことなのですが。
2) 2018年予算
来年の経済成長は3%が見込まれるとしながら、政府予算案では3.9%の支出増を掲げています。ばらまき予算、基礎が足りない予算と言う論調が出ています。
最も予算が増えたのは教育関連で バチェレット政権の4年間で32%アップになっています。その次は厚生関連案件でした。これから国会で議論されます。
3) 大統領選挙
全く盛り上がりませんが、話題としてはチリ証券取引所のトップがもしピニェラが選挙で負けるようなことが起きれば、株は暴落するだろうとコメントしたことです。
もちろん与党側はこれに反対し、社会党員の議員が彼を国家安全法違反として裁判所に訴えることを考えているとか。
候補者の討論会も実施されていますが、各候補が相手を批判するばかりで、盛り上がりを感じさせません。
与党側からギジェルとゴイッチが出ていますが、キリスト教民主党DCは与党に共産党が入ったことを批判しています。このため1次選挙を野党のピニェラと与党のギジェルが通過した場合、DCはどっちを応援するのか疑惑です。
勝つ可能性は少ないですが、もしギジェルが選挙に勝ち、現与党側の政権が継続したら、DCと共産党は同じ船には乗らないでしょうから、大きな騒ぎになりますね。
バチェレットは新聞記者との面談で私の政府は前のピニェラ政権よりすべての分野で高い実績を上げているとコメント。ホンマかな。