(政治)

警察軍長官の更迭
例のマプチェ問題が一層深刻化しました。マプチェの青年は警察官の銃で死亡しましたが、その前後がすべてビデオにとられていました。傷ついた彼の救急手当てをするところもありました。警察官による殺人事件となったわけです。
こうして政府もどうしようもなくなって虚偽の報告を出していた長官に辞任要請をしたところ、彼はそれを拒否。ピニェラはしかたなく監査局と国会に更迭を承認するよう手続きをしました。すると驚異の速さで1日後に手続きは成立。ピニェラは新警察軍長官を任命しました。この1年間で3人目。ピニェラ政権の最初の任命者です。彼は今までで最年少とか。
おまけに、組織のトップクラスの将校10名を更迭します。警察軍の組織の入れかえを実施するとしています。しかし、今年に入り、これで合計47名の将校が更迭されており、今までの組織はいったい何だったのか、疑いは増幅するばかりです。
陸・海・空・警察の4軍で不正給与・年金が問題になり、人権問題で前警察軍長官が逮捕されるなど、多くの問題が見つかっていますが、前の政権はコントロールをしていなかったのですね。その意味では今回の総入れかえは正しいやりかたかもしれませんね。
人権委員会が警察官の異常な・過激な行動(暴力)のレポートを出しています。警察官がそれを日常に行なっていたとすると・・・今日、日曜日のニュースに警察官の暴力行為がビデオになり報道されました。それらの警察官は即時、職を解かれ法廷に出ることになります。いやはや。
この事件の原因になった殺人事件に抗議して、マプチェのデモがテムコで実施されました。ほんの数十人でしたが、空港への道2車線を使ったので車が通れず、「2時の便に間に会わない」と奥さんが憤りを見せていました。来週、マプチェの大規模デモが予定されています。 
前大統領候補だったの最右翼のカストはピニェラ政権は右翼と言うより中道左翼に思えるとコメント。野党が分裂して反政府の力は少さいですが、その中のDC党が現政府と接近している様子はありますね。
ピニェラは極右のUDI党にすり寄る様子を見せませんが、それは右対左の対立構造にすると、国民の間で右対左の対立が厳しいものになります。歴史的にチリでは左が右寄りより数が多いと言うことを彼は良く分かっているのです。
国会議員数の縮小案
複数の政党の議員がその案を提出しました。これはバチェレット政権の最後の頃、選挙システムを変更しましたが、その時、議員数を増やしました。それを元に戻そうと言うわけです。勇気のいる提案ですね。多くの議員は反対するでしょう。
似ていますが、与党RNの議員が大統領選挙制度を変更し2回連続で候補になれるように提案。これは与党内でピニェラ以外に次の候補者がいないからでしょうね。
国連移民法問題はもちろん継続ですが、ピニェラは大きな課題とはしていません。今週、ニュースになったのは、移民希望者にエイズのチェックを提出させることを検討したところ、人権問題だとクレームがでたので取り消しました。
ハイチ人を乗せた空軍機が3度目の飛行。戻りにベネスエラに降りてチリ人とアルゼンチン人を乗せて戻って来ました。チリとアルゼンチンの関係は随分良くなっていますね。
所で今日はビーグル海境戦争が起こりそうになった40年目の記念日でした。チリとアルゼンチンはフエゴ島近くの小島の要所に陸軍兵を置き一触即発だったのですが、遇発の銃撃も起きず、沈静、実に危なかったです。
先日アルゼンチンでG20会議が実施されましたが、チリは特別ゲストとして参加。同じように来年、日本で行なわれる会議にもゲストとして列席することが決定。チリはそのレベルに入っていると思われます。
さて、 サンティアゴ空港は施設を大きくする工事が行なわれていますが、その一部の搭乗橋が完成し、ピニェラはオープンする儀式に出席。それを1日13000人が利用する由。