(政治)

1) 国会での騒ぎ
下院の議会で最右翼UDI党議員が人権問題を取り上げ、軍事政権時に拷問された人間について「テロリストが自分は弾圧されたと言っている。前の政権が彼らに年末ボーナスみたいに金を渡そうとしたのを現政権が拒否するのは当然だ」とコメント。新左翼の女性議員が彼に駆けより肩を突いて何を言うんだこの男はと噛みつきました。
政府はそれは不適切な発言だった、私たちはそれを認めないと拒否のコメントを正式に出しました。これからもこうした左右の対決議論は継続でしょうね。
2) アルゼンチン大使
チリの駐アルゼンチン大使にピニェラの兄弟が任命され野党から批判の声が出ています。
政府の中枢モネダ宮殿の2階部隊にUDI議員の家族が入ります。家族を優遇するのは辞めてほしいけどバチェレットも息子を同じく政府の仕事をさせていましたね。
3) マプチェ問題
火曜日の夜、第9州のビルクンで16台のトラック・重機に火がつけられました。これまでも頻繁に起こっている犯罪ですが、ピニェラ政権になって初めて。現場に「拘留されているマプチェを釈放するよう要求する」と言うパンフレトが見つかりました。もっともこれは彼らが置いたのか、警察が置いたのか分かりませんが。少し前にマプチェグループの電話を盗聴したと警察官が逮捕されていますからね。シリアの化学兵器アメリカの自作自演と言う話と似ています。
4) 移民問題
政府は思い切った手を打ちました。一つは30万人と言われる不法移民に正規移民への変更を手伝うと言うことで、彼らへの優遇策です。明日から正規の書類を持っている移民者(旅行者で来てそのまま住み着いている)に1年間の滞在許可を与える手続きが可能になりました。その事務所の前には今夜から長い列が続いています。徹夜で待つわけですね。
私の場合は、もう40年ほど前のことですが、観光者として3か月の滞在許可をもらい入国。その期間が過ぎたとき、延長申請を出しもう3か月。そして6か月が経過した時、一旦、出国しチリに再入国。これで合法的に合計1年間滞在。その間に仕事が見つかりその会社がビザの申請をして1年間の許可がでました。その後永住ビザの申請となりました。
違法移民がこの1年間ビザを手に出来れば永住ビザまでもう一歩。今夜は眠れませんね。
もう一つは逆に空港のイミグレで入国拒否の旅行者があふれるので、同じ手続きを各国のチリ大使館で行いビザを取ってから入国するようにし、ビザの無い旅行者は今週から飛行機に乗れなくなりました。
このため、たとえばハイチからの旅行者は10分の1に激減。現地のチリ大使館の前に長蛇の列ができています。
テレビの特派員がハイチ人に移民先のことを聞くと、仲間からの情報でチリとブラジルが一番人気が高いとか。
5) コロンビア問題の仲介
政府とゲリラ組織ファルクのネゴをエクアドルが仲介役をしていましたが、ゲリラが国境付近で報道関係者を誘拐殺害した問題から、エクアドル政府がその仕事を辞めることにしました。このため、それがチリ政府に任されるとか。
チリが善意の仕事をするのはうれしいが、チリ国内でそうした犯罪が起こらないよう願いたいもの。