(政治)

1) 犯罪の増加
毎週、この話題が取り上げられるようになりました。メキシコ、ブラジル、ベネスエラなどに比べると「安全」ですが、麻薬関連の犯罪組織が勢力を伸ばしています。
今週はサンティアゴ南部のピンターナ地区で、麻薬組織の勢力争いが起こり、それを抑えようとした警察官が流れ弾に当たり死亡。彼らは警察を狙って撃ったのではなく、撃ち合いの弾丸が警官に当たったと言っていますが、警察側はそれは刑を軽くしてもらうためのコメントで、警察のユニフォームを着ている人間を相手側の人間と間違うことはないとしました。ピニェラも警官の遺体を故郷に運ぶお別れ会に参加し棺を運びました。
犯人は3名逮捕されましたが、2名が未成年でした。
その地区の住民グループのリーダーは「私たちは区・国家から見放されている、インフラ整備もほとんど進展なく悪い環境に置かれ、生活環境が悪いことから貧民街になり、犯罪組織がそれに目をつけ同地区を蹂躙している」とコメント。
先週、警察が逮捕した麻薬関係者を裁判所が即時解放しましたが、その時、釈放された男が数日後、別の案件で逮捕されました。もう裁判所の信用はゼロですね。
逮捕された未成年はほとんどが何回も逮捕されており、逮捕歴20回なんて言う犯人もいる由。それは未成年の場合、重犯罪がないため、初犯と同じ取り扱いになるとか。このため政府は来週、それを変える法案を国会に提出するとか。遅い。前回のピニェラ政権は犯罪抑制に大きな手を打てませんでしたが、もしかすると今回は前より進展するかもしれません。内務大臣はこの問題に本気を出すと発表しています。
2) 野党の動き
キリスト教民主党DCの議員ウエンチュミジャが「バチェレット政権は政治的には失敗だった。従い彼女が自分の大臣を招集して集会を持つのは人工的で無意味なこと。いま必要なのは将来の動きを考えること」としました。
もっとも社会党は党の総会にバチェレットを招待しました。しかし最も彼らにとって逆風になりそうなのは前大統領バチェレットと元フレイの選挙資金がブラジルの私企業OASから出ていたことを調べる委員会を国会に設置しようと与党側が発表したことです。いくら表向き拒んでも法律で禁じられている外国からの資金が使われたのは事実のようですから、大問題になりますね。