(政治)

1) バチェレット
彼女はバケーションに入り、マスコミから姿を消しています。
さて先週の日曜日、彼女はアルゼンチンのマクリ大統領と面談しましたが、チリのマスコミにはそのニュースはほとんど出ませんでした。ところがそのニュースがスペインの新聞エル・パイスには大きく報道されました。何でかな?
トランプは世界の首脳に電話攻勢をかけています。南米ではそのマクリ、さらにペルーとコロンビアの大統領と話し合っています。しかしチリが出てきません。
噂では、先の選挙でバチェレットは大っぴらにヒラリーを応援したので、しばらくの間、トランプは彼女にお灸をすえようとしているようです。ホンマかな?
しかしバチェレットの心配は、トランプではなくブラジルからの問題です。そこの企業が賄賂として金をばら撒き、つまり自分の事業が有利になるよう各国政府に働きかけたわけですが、今週、15か国の検察がブラジリアに集まり、その不正な金の動きを調べることになりました。チリからもアボット検察総長、チョング検察官がそれに出席しました。
チリ政府の内閣府は検察のブラジル訪問はバチェレットの選挙資金の問題ではないとコメントしましたが、ヒメナ・チョング検事は私は誰が対象などと言った特定の調査をしているのではなく問題があれば誰れでも取り調べると発表。
彼女はそのブラジル問題の他に、消火に当たった欧州の航空機会社の不正問題、フランスで行方不明になっている黒崎さん問題も受け持っています。忙しいけど頑張ってねと言うところです。 
与党系の元大臣が検事総長のブラジル訪問を政治的行動とし、反政府運動になるようなことは慎むよう要請しています。
山火事の復旧費用として中国政府はチリに百万ドルを寄付しましたが、バチェレットは近々、同国を表敬訪問するらしい。中国は他国に寄付する余裕がまだあるのですね。
2) 評論家の意見ですが、トランプのアメリカ第1主義はラテンアメリカでは良くあるケースで、大衆迎合主義ですが、アルゼンチンのキヒネル、ベネスエラのチャベスなど、そしてそれらの後継者が当たるとか。バチェレットの後継を狙う与党側のギジェルはその傾向とぴったり一致していると考えられています。
民衆を持ち上げて、彼らの喜ぶような政策をするのですが、最後は国が破たんしていくことになるとか。えっ、アメリカもそうなるの? 
チリ大統領選挙の話は盛り上がっていませんが、キリスト教民主党DCの女性党首ゴイッチが候補者宣言をしました。民主化してから初代と2代目大統領を出したDCですが、最近は目立った候補者がいないので他党の後塵を拝していました。彼女は力がありそうなので与党内の選挙争いが楽しみです。
選挙予想の市民調査では野党候補のピニェラが1位、与党側のギジェルが2位となっています。
3) 今週、一番話題になった人間はガライです。私に金を預ければどこよりも高い金利を得られると宣伝し、信者のような客を集め、そこから集めた金をすべて自分のポケットに入れていた男です。彼は昨年9月に欧州に渡り、現在はルーマニアで拘留されていますが、チリ警察の請求で、チリに犯人を引き渡すことにした様子。戻ってきてどんな裁判になるのかな?5年とか10年の刑があると言われます。
それと同じことが今週、最高裁判所に出頭した黒崎さん行方不明事件のニコラス・セペダに当てはまるかもしれませんね。
4) 昨年の経済成長を各州別にみると、最も成長したのが一番南の第12州でした。昨年3度訪問しましたが、州都プンタ・アレナスは街中を歩いていても確かに活気があるのを感じさせられます。落ち着いた雰囲気の旧市街だけでなく、新市街にも高層マンションが建っており、所得格差が他の州より少ないことが感じられます。観光・鉱業・漁業が大事な産業のようですが、さらに発展してほしいもの。DCの大統領候補のゴイッチはこの第12州選出の上院議員です。