(政治)

1) バチェレットの終焉
何それ?と言われそうですが、大蔵・経済大臣と大蔵省高官が、3名ですが、辞任しました。先週、ドミンガ鉱山の開発申請拒否を決定した時、それに反対した彼らは閣内の混乱を避けるため身を引いたと言われます。経済の開発と自然破壊の抑制のバランスがうまく取れなかったわけです。
バチェレットは経済成長を図るのは当然だが、自然破壊を伴う事業を無制限に認めることは出来ないと環境省の見解を支持しました。
この辞任の後、現行閣内から以前に大蔵大臣をやったことのあるエイサギレをその職に任命し、経済大臣も昔の経験者グロッシをすえました。退任したバルデスは、最低賃金問題、年金問題、そしてこの新鉱山問題と立て続けに他の閣僚と衝突していますから、もうそろそろ辞め時と見たのでしょうね。新大蔵大臣のエイサギレは経済成長が最大の課題だと、首になったバルデスと同じことを言っています。そんなんで良いのかな?
バチェレット政権の人気のなさは深刻ですが、それは基本的に経済の低迷から来ており、それを回復するには新企画が必要です。その一つの新鉱山を拒否したのはバチェレットの大きなエラーとする見解が多くの経済関係者からでています。しかし経済関係の2省の大臣をそろって辞めさせるバチェレットの心境が私には理解できません。この先、どうなっても良いと言うのかな?
政権最後に混乱を招いたとして11月の選挙に悪影響を与えるとする意見が与党の中には多いようです。
悲観的なコメントが多い中でニューヨークタイムスの論評で、一時的にはマイナスになるかも知れないが、バチェレットが筋を通したことは意味があるとし、少なくともそれを評価する記事が出ました。そしてブラジル、アルゼンチンに次いでチリも女性大統領が消えるが、この先ラテンアメリカではしばらくは男性がトップに付くだろうと結んでいます。
それからチリでも同性間の結婚を認める法律が準備中ですが、テレビの番組で、バチェレットに「あなたは以前、そんな法律はチリでは全く必要がない」と言われていますがと問いかけると彼女は「チリの社会は変わりました。私も変化するわけです」と涼しい顔で答えていました。
2) 大統領候補者人気調査
今週の発表ではピニェラ40%、ギジェル20%、サンチェス18%とほとんど動かず。DCのゴイッチ全く伸びません。 ただ1次選挙でピニェラが過半数を占める可能性は少なく、上位2人による決選投票になると言われます。
選挙資金の話ですが、与党候補のギジェルが国立銀行から借り入れが出来なかったのにピニェラは11億ペソ、サンチェスは2.5億ペソの借り入れができたらしい。