(政治)

1) バチェレットの復帰
長い夏休みを終えサンティアゴに戻ってきたバチェレットはまず疑問視されていた各省の高官を入れ替えました。それが大ニュースにならなかったのはマスコミが彼女に遠慮したのとビーニャの音楽祭ばかりが報道されるからです。日本と同じくチリも報道の自由はないし、スポンサーが喜ぶものを優先する姿勢がはっきりしています。
チリで27Fと言うと4年前の2月27日のことを意味します。あの大地震の時にツナミなどで多数の死傷者を出しました。あれから4年、今年も慰霊祭があちこちで実施されました。
バチェレットは「いい加減にしてほしい、死者を痛む気持ちは当然だが、現在はそれはただ政治的に使用されている」とクレームしています。彼女が大統領で、部下に能力ある人間がおらず、集めたデータがいい加減で、それを使用してツナミはないと確認したのは彼女。それを率直に言われると政治的な動きとごまかすのは恥知らずじゃないかな。
もう一度同じような天災が起これば彼女は同じようなエラーをするでしょう。しかし、ここが不思議なのですが、チリ国民は彼女を責めず、大統領の職に再度つけましたからね。
先週、バチェレット政権とピニェラ政権の比較としてすべての部門でピニェラが上と発表されましたが、新政権側のコメントとして、政権が終わる時、バチェレットを支持するとしたのは70%、ピニェラのそれは50%に届かないと冷たいコメント。これは事実でしょう。つまりおばちゃんはドジを踏んでも国民に好かれるし、おっさんは頑張っても嫌われる。
共産党はアジェンデ時代以来始めて今回、政権につきましたが、前のバチェレット政権の中枢だったキリスト教民衆党DCを抑えるほどの影響力を見せています。特に教育関係でそれが目立ちDCは教育省関係の要職にもっとDC関係者を起用するようバチェレットとネゴ中らしい。
2) アメリカ入国ヴィザ
ラテンアメリカの国で初めてチリは観光ヴィザを必要としないでアメリカ入国が可能になりました。現在、チリからアメリカを訪問する場合、ヴィザの取得が必要ですが、チリの場合、拒否される割合が非常に低いため、これを全般に拡大しチリ人にはヴィザが不要となった由。
この5月1日から新システムが有効になるらしい。