(政治)

1) 与党連合「新多数」の自爆行為
大変なことが起こっています。
と、私が緊張して書き始めても読者の方にはピンとこない、もしくは 全く興味が無いと感じられるでしょうね。それは理解できます。チリの政治に興味のない方はこの項をスキップしてください。
キューバは今週、マリアナ・エルウィンの入国を拒否しました。チリの民主化後の初代大統領エイルウィンの追悼式に、彼の娘が参加するはずでしたが、入国拒否にあったわけです。キューバ側は彼女は反政府運動に加担するとしたわけです。 彼女はキリスト教民主党DCの党員で国会議員、教育大臣を経験しています。
今まで民主化されてから中道左派の政権に加担して来たものの与党にはなれなかったチリ共産党は今回の第2次バチェレット政権で初めて与党になり、大臣も出しています。
さて与党連合「新多数」の中でその新加入の共産党と昔からのメンバーのDCが何度も衝突しています。考え方がかなり違いますから。そのたびに大同小異で逃げ切ってきました。
今回チリ共産党キューバを動かし、DCに宣戦布告したように見えます。
新聞ラ・テルセラの社説にキューバのとった入国拒否は恥ずべき行為と書かれました。ほんまやな。
アジェンデ政権誕生の時は、右翼側の政党と中道のDCと左翼の社会党共産党が三つどもえで戦いました。一次選挙では3勢力はほぼ同等の票を獲得しましたが、僅差で左翼が勝ったわけです。普通、過半数の票を得なければ第2次選挙がありますが、その時のチリはその制度が無かったのでアジェンデが大統領になりました。若し2次選挙があれば右翼と組んだDCが勝っていたと言われます。
今回のチリ共産党は「新多数」からDCを除き、左翼だけで次期の国会議員・大統領選挙を戦うつもりなのでしょうか。 マスコミから質問を受けた共産党党首はいまだにすべての情報が集まっていないので最終確認はできないと逃げています。
新聞に共産党の首脳陣は旅行にはビジネスクラスかファーストクラスを使い、一等地の豪華な家に住んでおり、下級労働者を助けると言うイメージは全くないと書かれていました。
現在の共産党議員が次回の選挙で大半落選すれば、一気に党の雰囲気が変わると思います。
さて逆にDCは新多数から共産党を排除する動きに出るでしょう。そうでなければ次の選挙には新多数と協議するのではなく独自候補を立てるとするでしょうね。右側の国民改革党RNから仲間にならないかとお誘いがあるかな? 
ピニェラは当初からマリアナを援助するコメントを繰り返しています。
そのピニェラは森林火災で被害を受けた地区を訪問し、政府の対応の遅さ・拙さを批判しました。もっとも彼は弱点を持っています。ペルーの漁業会社への投資が疑問視され、検察に出頭することになりそうです。
バチェレットは休暇を終え、明日から仕事に戻りますが、彼女がいてもいなくても同じような雰囲気で、あと1年の任期をのんべんだらりと、のらくらと、時間稼ぎをしながら過ごすのでしょう。
2) ラテンアメリカの左翼主義の衰退
その例としてエクアドルのコレア、ボリビアのモラレス、ベネスエラのマヅロ、ニカラグアオルテガの名が挙がっています。アルゼンチンもそうですね。えっ、チリもそうかな?
アルゼンチンのマクリ大統領は、大衆迎合主義を一気に消し去ることはできないが、正しい道を一歩ずつ歩いて行きたいとコメントしました。この夏休み、アルゼンチン人が大挙してチリに入り、テレビやパソコンを買いあさりましたが、マクリ政府は来月からパソコンに掛かっている税金35%をゼロにするとか。つまり小売価格は大幅に下がりますね。
3) 移民問題
アメリカのトランプが不法移民排斥に取り掛かっていますが、チリでは移民が急増しています。昨年、20万人と言われる移民がチリに入りましたが、数の多い順でペルー(5万人)コロンビ(4.5万人)ハイチ(2.5万人)でした。中国は4千人、韓国は700人、日本もなんと360人でした。日本人もかなり増えましたね。その360人の内訳は会社員が30%、学生16%、主婦12%、その他とか。
トランプはラテンアメリカの大統領との面談を先ずペルーのクチンスキから開始しました。アメリカの憂慮としてメキシコ、ベネスエラに関して話し合われたとか。ペルーのことはどうなったの。
ペルーは歴代の大統領が不正に関連して裁判沙汰になっています。そのうちの一人トレドはアメリカに留まっているので、彼を国外追放にすることを要請したのでしょうね。大統領候補者だったケイコ・フジモリも選挙資金の不正が問題になっていますが、同じことがバチェレットにも有るわけですね。