(政治)

1) 学生運動
昨年と同じで学生運動は政治の中心です。と言うものの政治家はやや眼を背けている気配があります。昨年の学生運動で一躍、注目を浴びたカミラ(共産党員)は野党の議員を激しく批判。右翼政府と戦うのは左翼(野党)の当然の義務だのにそれを実行していないと。これに面とむかって反論できないのか、何と共産党にクレームを入れたらしい。お手柔らかにと頼んだのかな?
しかし昨年のデモのときは家族や一般の人も参加し一時10万人もの人が集まりました。私も一度、雨の日でしたが、見学に行きました。確かに人数が集まると迫力ありますね。
しかし今年はそれが全くありません。それはデモの度に起こる商店襲撃やバスへの放火のためですが、その行動は家族参加には全くふさわしくないですね。
つまりこのままではデモの先鋭化が進み、学校封鎖から警察との対決になるはずです。つまり学生運動の自爆につながるでしょう。右翼政権ではどうしようもないと学生運動家がコメントしても過去20年左翼が政権をとっていたときのほうが、奨学金の例をとっても、今よりひどかったというのは事実と思います。もちろん、それは現政権が教育問題に理解があると言うのではなく、銅産業の好景気から予算が潤沢で教育に回す資金が以前よりあるからでしょう。また税制改正ができればさらに教育予算が増加します。
つまり共産党系の右翼攻勢は、思想的には理解できるが、実質には意味はありません。

2) 厚生省のピンチ
厚生大臣のマニャリッチはピニェラ政権になってから、今までのように国営健康保険(フォナサ)の患者が長い列を作って待たされて、いつまでたっても医師の手当てを受けられない最悪の状態は終焉を迎えたと発表しました。ところが監査局の調べでその中で44%のケースは医師の手当てを受けていなかったとなり、野党側は虚偽の発表をした同大臣の罷免(辞任)を要求しています。詳しい発表では、手術が必要で順番待ちリストに載った患者のうち、手術の必要がなくなったとか手続きの更新に来なかった(待ち時間が長すぎて?)患者をリストから外し、いかにも政府の働きが上手く行っているように見せかけたのだと見られています。
同じような出来事がバチェレット政権のときにもありましたがが、病気の患者を安く・適切に扱うのは容易ではありませんね。この先、どうなるのかな、厚生省?

3) 欧州危機の中、サッカーの予算が各国で大きく削減されているのは当然でしょうが、スペインの場合、選手獲得にも使われるチームの予算は全体で昨年対比なんと超驚きの80%ダウンとか。もちろんサッカーはその一部で、予算がないからと経費を落としたら火事が続出しても消火できないとか、銀行の借金が払えない人が山済みで銀行がつぶれそうとか。  昔は南米からスペインにカッパライなどの出稼ぎに行きましたが、現在はスペイン人が外国に出向いて犯罪者として逮捕されています。なんとこの4年間で麻薬関係で外国で逮捕されたのは83%アップの2426人。チリで19人、日本でも13人ほど逮捕された由。
しかしスペインやアルゼンチンを馬鹿にしてはいけません。いつかチリや日本にも同じような問題がこないとも限りませんから。