(政治)

1) APECがモスクワで開催されましたが、それに出席したピニェラ大統領は、香港との自由貿易協定にサインをしました。チリは本当に各国との連携を密にして活動していますね。ロシアのプーチンがチリを訪問したいと言っているようです。

2) 税制改定
もう最後の最後まで新しい法律はできないと思われていましたが、政府が粘って粘って、確か6回目の内容変更で野党側の一部を納得させ、国会で法案が成立しました。
これで政府に入る税金が増え、それを教育予算に宛てるわけですね。
これに反対する野党議員は同僚と激しくいがみ合い、同じ党に賛成した議員と反対した議員がいるわけですが、野党分裂の話も出ています。野党連合の一層の左翼化でしょうか。
この法案に反対していた学生連合が野党の事務所を占拠し、法案成立を彼らの裏切り行為と抗議しました。それらのグループは共産党の事務所にも押しかけ揉めましたが、それを共産党員で学生運動のリーダーたるカミラは何たる野蛮な行為かと強く批判しました。彼女はグループの一員として昨年右翼のUDI党の事務所を占拠した実績があるのですが??
彼らは「この法案では教育は救えない、ごまかしでいい加減な改正案だ」としています。それは理解できないことはないですが、それでもないよりましで、今の野党が政権をとれば、もっと本格的な増税をすれば好いのですよね。ホンマにやるんかな?
さてその教育関係ですが、スペイン紙にラテンアメリカ各国の教育事情と言う記事が載りました。その中でラテンアメリカ18カ国の公立学校のレベルに関する聞き込み調査ありました。最低1から最高10までのランキングですが、コスタリカが1位でした。わが国の公立学校は立派なものと7.0の評価をしています。最下位だったのがなんとチリで3.9.全然役に立ちませんねと考えているらしい。しかし18カ国の中でチリの公立学校の教育レベルが最下位とはとても考えられないから、逆にそれが意味するのは、チリ人が如何に教育熱心で、自分たちが払える経費の安い公立学校で最高の教育を受けたいと願っている証拠でしょう。さすがにこの数字はチリの新聞には掲載されませんでした。
昨年は高校などで学校占拠が続き、規定の時間数の勉強ができなかったとして落第した学生が問題になりましたが、今年も同じ問題が出てきそうです。教育大臣、各区長が占拠が長引けば、昨年と同じように留年・退学は避けられないとしています。どうなるかな?

3) 世論調査
今月の結果発表で特に注目されることはありませんが、野党連合を評価するは毎月のように下がり、評価しないは増加しています。つまりバチェレット人気は不動でもその彼女を支える母体となる野党連合は国民に飽きられているわけです。そんな馬鹿なといわれるかな。野党連合を否定する人は与党連合を嫌う人より多いのです???。
ピニェラの評価は前月と同じで良くはなっていません。