(一般)

1) 昨年の地震の後の救援物資の受領について
監査局の発表では政府内での連絡が十分でなかったため、世界各国・チリ各地から寄付された物品の取り扱いに不備が見つかったとしています。世界各地から船で送られた633個の貨物は、どこから何が送られたかはっきりしません。つまりチリ政府は寄贈されたものについて基本的なデータを持っていません。しかもひどいのは送られてきたジュースの期限が切れていたので廃棄したものとか、お菓子が腐っていて中に虫が入っていたとかの悲しいケースが散発している由。大手のデパートが被災者に寄付したとなっているものが実は政府機関の緊急局が購入したものと同じものと分かり、税務署はそれを販売したセンコスッドに5億6千万ペソの税金を支払わせたらしい。どさくさに紛れてせこいことをするやつもいるわけですね。日本はこんなことないのかな?
さて震災復興に何兆円が必要と言われますが、増税をせず、新規の国債も発行せず、復興費用を賄う方法があります。80兆円と言われるアメリカ国債を売却すればよいわけです。しかしネットで調べても日本でアメリカ国債の売却を検討しているとする話は見つかりません。何でかな?

2) 学力テスト
昨年まで、チリで実施された学力テストの結果は、数学・国語とも伸び悩みでした。ところが今週発表された結果は、(日本式で言うと小4と高2の)両学年で数学・国語とも点数を伸ばしました。どうした風の吹きまわしかな。
この順風の原因は貧しいクラスの生徒の成績が上がったからと言われています。それで私立の学校と公立の学校の差が縮まりました。この調子で毎年成績を上げていけばチリの生徒・学生の知的レベルが世界レベルになるのですが。何でもシンガポール計画と言われる数学の成績を上げるプランがスタートするとか。
そういう記事のとき、日本の場合、大学入試とかで高校の名前が発表されますが、チリでもちゃんと全国トップ10の学校の名前が発表されます。そのリストに載った学校の鼻の高いこと。

3) 犯罪の減少
家族の中で犯罪に会ったことがあるかとの質問の回答で、今回発表になった28%は過去8年で一番低い数字でした。政府は自分たちの犯罪に対する姿勢が反映されたものと喜んでいます。
もっとも新聞の投書にはわけのわからないアンケートで一喜一憂するより実際の犯罪数が増えているか減っているかを調べてほしいとコメントがありました。

4) 水不足
ラ・ニーニャ現象のため雨が降りません。雨の量は通年の44%減でダムの水量も減る一方。雨が降らないことには・・・・ダムに水は溜まりません。気象庁の話では5月から雨が増え、通常レベルに戻るらしい。

5) OECDの加盟国の中でどの国の両親が子どもと過ごす時間が多いかの調査があったそうです。父親の場合、1位はオーストリアで1日5.9時間、ついでデンマーク、米国、カナダ。なんと5位にチリが入って3.4時間。チリ人の父親が子どもと過ごす時間が世界のトップクラスとは思いませんでした。日本は下のほうでしょうね。

6) 自動車事故
最近、学童を運ぶ通学バスの事故があり、死傷者がでました。それ以降、最前席だけでなく、どの席に座っても安全ベルトを着用するよう指示が出ていますが、まだすべての通学バスにその安全ベルトは装着されていません。ベルトをつけるだけで事故のときの安全性が大きく変わってくるのは間違いのない事実ですから、政府と国会はバスの全座席に安全ベルトを着けるよう法律で定めるべきですね。

7) カトリックの神父の性犯罪にうんざりしますが、カラディマ神父の件は、風向きが変わり、神父グループの中で以前彼を庇っていたグループが逆に自己批判をしました。もう隠し切れないと判断したのでしょうね。皆が謝るときに謝れば罪は軽くてすむと計算しているのでしょうか。市民の意見調査では88%の人がカトリック教会は真実を語っていないと考えています。
カラディマに続いてあるドイツ人のシスターが同じような性犯罪を犯していたと訴えられていますが、彼女は少し前にチリを出て、欧州に渡っています。逃げたのでしょうね。カトリックの落日ですが、これは別に最近出てきた新しい問題ではなく、以前はくさいものに蓋が行われていただけでしょう。カトリックだけでなくキリスト教のほかのグループ(新教)でも同じような問題が出ています。