(政治)

1) 大統領交替式
とうとう4代続いたチリ中道左派の連合政権に幕が下りました。
式の前日、バチェレットは全テレビで最後の大統領としての演説を中継させましたが、その中で、民政移管してからの大統領の名前(エイルウィン, フレイ、ラゴス)を挙げ与党連合の成果として、チリが政治的、経済的に安定し、国際社会に認めてもらえることになったは私の誇りですと締めくくった。式の前にも、大観衆がモネダ宮殿に押しかけ、最後の職場に入ろうとするバチェレットに彼女の名前を叫び、2014年にモネダに戻ってくるよう要請した。
確かに最後の週の人気調査で、バチェレットはなんと84%の支持を受け、かってない人気で大統領職を終えることになっています。地震の前と後でも、その84%と言う支持率は変わりませんでした。被災者のところに言って、涙を見せると彼女に文句を言う人がいなくなるのが不思議です。一時トランサンティアゴ計画の失敗で不支持が支持を上回るところにまで落ちましたが、その後人気を回復し、史上最高の人気で大統領職を辞することになったわけです。そうそうバチェレットだけではありません、一時国民から嫌われていた軍隊が、現在では国民の高い信頼を受けるようになりました。時代は変わるですね。
彼女の政権の最後の次期の大臣連中はこれからも彼女を補佐、保護していくことを誓っているようです。これは元大統領のリカルド・ラゴスが辞める寸前まで高い支持率を誇っていたのに、辞めてから急に彼の時代の不始末が表に出て、例えばトランサンチャゴの失敗、国鉄の失敗、チロエ島への架橋の失敗などの続出で急激に人気を失いましたが、その失敗を繰り返さないための作戦です。

2) さて式の当日、式はバルパライソの国会議事堂で行われましたが、その祭典中に大きな余震が襲い、各国首脳は驚きの色、式が終わると他の行事をキャンセルしてすぐに帰国の途についた大統領もいるとか。地震になれていないと怖いのでしょうね。その日の余震はM7ほどですからね、余震と言うより地震の感じですね。

3) ピニェラの式典での演説は、「今年は建国200周年と地震後の国の再建と言う二つの重要な課題を持っている」とし、全力で再建計画を立案・実施するとしました。各大臣に当面の課題を持たせ、それを短期間に実現するよう指示しています。また世界銀行はチリの要請に応じて金を貸し出す準備があると発表しており300億ドルと見られる再建資金はあちこちから借り入れできそうです。

4) お祝い一色の中で、大統領候補だったマルコ・エンリケは式典の後で、ピニェラは公約を守らなかったと彼がランチレ航空の全保有株の売却をしなかったことを批判しました。ピニェラはいろんなことが重なってと弁明していますが、約束を守らなかったことははっきりしています。

5) 新大統領になったピニェラは極端に労働超過症候群を見せています。就任式の日、なんと夜3時まで幹部連中と会談を続けたらしい。ほとんど寝ずに翌日、地震の被災地を回るとか、極端な長時間労働を続けています。