(政治)

1) バチェレット
やっぱりチリと言えばバチェレットですね。私が彼女のことを嫌っても嫌わなくても、彼女がチリを代表します。
世論調査で彼女を支持するは21%まで落ち、不支持は70%に上昇。歴史的な最悪の数字になりました。もっとひどいですが、内閣の場合は支持15%拒否が78%。もう全部大臣を入れ替える必要がありますね。ついでに彼女も替わってほしい。つまり来週に、大統領選挙があれば野党側のピニェラが勝つのは間違いないと与野党ともに考えているみたい。つまりバチェレットの周りも失政・敗戦を認めてきているわけですね。
先週に書いた通り、彼女はパリに飛びましたが、記者団の前で、出張の話をせずに彼女が裁判所に訴えたことばかり話題になりました。
パリ訪問の目的はフランスの企業家にチリへの投資を呼び掛けることでした。
何、その裁判所云々とは。説明します。
彼女は先週、雑誌ケ・パサに息子夫婦の問題関連で自分の名前が出たことを遺憾として裁判所に名誉棄損で訴えました。雑誌記者などに対し、罰金と3年間の刑務所入りを要求しました。
彼女はこれはチリ大統領としてクレームするのではなく、ミッシエル・バチェレット個人として訴えるとしました。ところで本人の住所はモネダ宮殿、証人として大統領府の長官、2階の大統領支援組織の女性部長(その人は最近何度も問題視されています)が書かれています。なんだか言っていることとやってることに大きな差がありますね。
しかしその雑誌社は警察が盗聴した電話の内容を書いたわけで、バチェレットが訴えるとすればその贈収賄罪で裁判にかかっている人間を提訴するべきですね。「お前は嘘つきだ」と言って。
しかし事実を書いて訴えられるなんて、チリの報道の自由はどこに行ったの?
訴えられた雑誌社は、「誠に悲しく事態を受止めています。チリも南米の他国、エクアドルボリビアそしてアルゼンチンと同じ事態になるのでしょうか?」
その盗聴された電話の男は最右翼のUDI党の党員ですが、息子夫婦にとって役に立つなら右翼でも左翼でも利用するわけですね。当然かな。
関係ないけど、この1年間に裁判所が盗聴を許可したのはチリ全国で約6千件あるとか。    
与党の中にも彼女の訴えを疑問視する動きがありますが、野党側はカンカンです。大統領として最大のエラーとまで言っています。
もっとも共産党は彼女を支持するとしています。
与党の一つの共産党は面白い。教育問題や労働問題でデモ隊が街に出るとその先頭に共産党の議員がいます。自分たちで法案を作りながらそれに反対するわけですね。政府のやり方が生ぬるいとするわけですが、実に不可解です。
さて新しく女性省が新設されました。バチェレットは従来の女性局を格上げし省にしました。女性の地位を確立し、男性との格差を是正し平等の社会を作るとした公約を果たしたとコメントしています。初代大臣は共産党のパスクワルです。
昨年バチェレットが発表した21の計画のうち、9が国会で承認されましたが、残りの12は準備中のものと未だに国会に提出されていないものがあります。気合が入っていませんね。
2) 離党相次ぐ                         
先日、与党のPPDの元党首が離党しましたが、野党側からも離党が続いています。その一人UDI党のカストは「まるで次期の野党側大統領選挙候補はピニェラに決まったようだが、自分は予備選挙に出て堂々と戦いたい。それが認められないなら離党する」同じことをRN党のサンドバルもコメント。与野党ともに選挙民の目が自分たちに冷ややかなのは認識しているし、以前と同じ政策を訴えては勝ち目がない。従って自信のある議員は党の規則を無視し離党してでも新しい独自の道を歩くことを選ぶわけですね。
野党側はピニェラ、与党側はラゴスと二人とも元大統領が目立った候補者ですが、新味はありません。