(経済)

1) もう毎週同じことの繰り返しで、書いている私もウンザリですが、今週もチリの株式市場で株が下がり、対ドルの為替の変動が大きくなり、銅の価格が落ち込んで、チリ経済は青息吐息です。
今年になってからの平均株価の低下は日本とブラジルは50%、アメリカは37%、チリは23%です。他より数字が低いのはチリ経済の安定性を示しているのでしょう。
それと1ドル400ペソの近いほどのペソ高だったのが今週は1ドル700ペソが近いといわれるほどの落ち込み。米ドルは将来紙切れになると思いますが、まだこれに替わるものがないのでしょうね。日本円が切り上がっているのが目を引きますが、輸出業者には泣きの涙ですね。
チリとしては頼みの綱にあたる銅価格の落ち込みはあまりにも急激で、この1週間で20%も下がりましたが、これは歴史上最悪の数字。誰も想像できなかった1ポンド1.69ドルで今週を終えました。なにしろ4ドルだったのですからね、少し前。
原油価格の急激な減少を緩和するため原油生産国はその生産を縮小することを決定したようですが、銅の場合も生産国で同じような合意に達するのでしょうか?個別の例ですが、世界最大の銅鉱山、チリのエスコンディーダは7−9月の生産が15万トンでした。昨年の同期間は20万トンですから、かなり生産を抑えていますね。話し合いなんかせずに、自分の意志で生産削減ですか?同鉱山は来年度の投資は計画通り実施すると発表しています。世界中で減産が進んだとき、増産するのは賭けですよね。
銅価格は03年まで1ドルくらいの低い水準でしたが、04年から急上昇を始め2ドル、3ドルそして今年の4ドルまで暴騰したもの。1ドル台が長く続いていたのなら2ドルになっても経営に心配ないと思われそうですが、従業員の給料を始めコストも急激に増大しており、それを昔のレベルに圧縮するのは至難の業。
今年の中ごろ、銅価格の急騰から大幅黒字が継続し、大盤振る舞いの余裕を見せていたチリ政府ですが、昨今はコデルコを始め、全ての銅鉱山で急激に黒字幅が縮小しています。これはとりもなおさず税の徴収も縮小となり、09年の国家予算は最悪でしょうね。
大きな自然災害(地震とか)が来れば対応できるのかな?
09年の経済成長見込みですが、ラテンアメリカ14か国中、チリは第12位が予想されています。チリより低い見込みはエクアドルとメキシコだけ。