チリの風 その955 2021年8月30日ー9月5日

いよいよ9月です。建国記念の18のお祭りがチリ人の心を動かします。街に国旗を飾った車を見るようになりました。私の住む建物にも国旗が掲揚されています。もっとも今年はコロナで政府はバカ騒ぎを抑えるでしょうが。
金曜日は曇り空で最高気温が12度と肌寒かったサンティアゴですが、週末は太陽が出ました。
南の旅から戻ってきて通常の生活をしていますが、木曜日の仲間との山歩きは前夜の雨の影響で中止になりました。しかたないから一人で丘登りをしました。                                    土曜日は日本人学校のサッカー教室。大人子供合わせて10数人参加で楽しくプレーをしました。子供のゴールが決まった時、私は大声でその喜びを叫びます。日曜日のマラソン練習も仲間と実施しました。                                       いつも同じことを書きますが、こうして身体を楽しく動かせることが出来るのは幸せです。
それから税務署に行って家屋税の手続き。年に4回それを払う必要があります。今月分の用紙をもらって銀行で支払いましたが、家に戻ってくると税務署からメールがありました。それによると私は中高年なので税金も老人割引になるとか。それなら何故、事務所でそれを連絡してくれないの?チリの税務署の内部連絡は最低ですね。またクレームに行かなければなりません。

(政治)

1)ピニェラ動向
金曜日、欧州4か国に向けて10日間の外遊。先ずスペインで政府関係者と面談です。
さて新しく安全省を作ることにしました。内務大臣がやっていた仕事を独立させるわけで、市民の安全を維持する・高めるのが目標です。                                                   それから夏に向かって心配される山火事防止・予防のための作戦をどうするか対策案を練り準備をさせています。アメリカ西海岸の山火事はひどいですね。大型小型の飛行機が空から消火に当たる作業がちゃんとできないようですね。チリはどうかな?
2)大統領選挙
11月の選挙が近づいています。世論調査で人気のトップは新左翼のボリッチ(25%)。ついで与党系のシーシェル(19%)、3位はDCのプロボステ(12%)でした。上位の二人は政府の予備選挙で勝ちぬいた人です。
今までならこの人に勝ってほしいとか、この人に投票しようと考えましたが、今回はピンとくる候補者がいません。候補者のレベルが低いか、私の思考能力が落ちてきたかのどちらかでしょう。余談ですが、前大統領バチェレットの影響力が消えてしまったと言う記事が出ました。
憲法委員会の民衆リストグループはまた会員が脱退して分裂寸前です。他のグループと合併するかもしれないとか。新憲法委員会の副会長の一人でそのグループのロハスは癌の患者です。イタリア広場のデモに積極的に参加し、その時、上半身裸でパンフレットをもって抗議しました。それには癌には治療が必要。そのため患者への援助が大事と書かれていました。この作戦を使って今年の委員会の選挙で勝ちました。ところがそれが嘘だと言うことがバレました、今日の新聞の特集で人生最悪のウソだったとコメントしています。委員会副会長を辞任しました。それより委員としての資格をはく奪する必要がありますね。
憲法委員会が発足して3か月になりますが、当初、委員会を支持するとする人が41%でしたが、最近はそれが29%に落ちました。何しているの?と思われ始めたのですね。
さて今週の一番の話題は、次の国会議員選挙に立候補した人が大量に選挙委員会で拒否されたことです。
その多くは民衆リストグループなどですが、既存の政党からもでています。
既存政党は選挙管理委員会を批判する動きを見せていますが、決まったルールを守らないなら、例えば必要な書類が足りないとか、立候補を拒否されるのは当然でしょうね、
一部の候補者は何とか乗り越えるでしょうが、多くの候補者が選挙に出られないことになりそうです。その数は100名を越えそうです???
所でチリの新左翼アメリカのCIAがコンタクトしていると言う噂があります。彼らに情報を渡し、これをどのように利用するかはあなたの自由ですとします。さらに航空券を渡します。これはアメリカ行きの券ですが、もちろん目的地はあなたの自由に変更できます。
これで新左翼は彼らの支配下(監督下)になるのでしょう。ホンマかな?
3)厚生年金4回目引き出し
上院の委員会で引き出しが可決しました.これで正式に上下院での議決が待たれることになりました。引き出した人の将来の年金が減少すると言う基本的な問題だけでなく、年金引き出しで物価上昇利率も上昇すると大蔵省は反対しています。
それに対して共産党議員が「第1回目の引き出しの時も同じクレームがあったが、その引き出した金で消費が上がり、チリ経済回復に大きな影響を与えたことは明白。大蔵省は自己批判すべきだ」としています。
8月の過去12か月のチリの物価上昇率は4.5%です。ラテンアメリカでは最も落ち着いた国になっています。べネスエラの数字は何が真実かわかりませんが、そのほかの国ではアルゼンチンが46%、ブラジルが9%、ウルグアイが7%、メキシコが6%と続いています。
物価が上がれば、最低賃金を受領しているクラスの人には大きな影響を与えますね。
私の年金は物価が10%上がれば年金も10%上がる仕組みなので、死ぬまで今の生活レベルを維持できます。運があります。
4)前区長の疑惑
ビタクラ区の新区長は前区長トレアブラの仕事を汚職などの疑惑視しています。同じように隣のラス・コンデス区やロ・バルネチェア区でも区会議員が前区長の怪しい行動を調べるよう検察に依頼しました。トレアブラは所属する国民改革党RNを辞任しました。ラス・コンデスの場合、区長だったラビンは先の大統領予備選挙に出ましたね。そこは過去30年にわたって最右翼UDI党員が区長をしていました。私はそこに30数年住んでいます。
昔はサンティアゴ東部はラス・コンデス区だけだったのですが、そこからビタクラやロ・バルネチェアが分離しています。
右も左も権力を握るとおかしいことをするのですね。悲しい実態。

(経済)

1)経済成長率
ラ米経済委員会セパルの予想ではチリの今年度は9.2%、来年は3.2%の上昇です。どこの予想もほとんど同じですね。今年は10%近くまで上がるのはもう確定のようですね。良かった。                    さてチリ中銀の発表で公定金利が大幅アップしました。あまり派手に消費を煽らないようにするためでしょうか。
2)銅価格と為替
1ポンド当たり4.25ドルと高値安定。4ドルを割った時、中国経済が不安定なので銅の価格は下がると言われましたが、すぐにまた4ドルを超えると中国は安定しているとコメントされました。たった1週間で中国経済が不安定になったり安定したりするのですね。
その後、銅価格は高値安定です。このため為替は1ドル768ペソとペソが強くなっています。
3)失業率
5ー7月の失業率は8.9%とかなり前回より下がりました。パン製造連合が従業員をもっと必要とします、どうぞ応募してくださいと市民に呼び掛けました。ビルの建設現場もそうですね。こうしてチリ経済が回復していることは毎週確かめられています。
しかしそれを狙ってまた不法移民が増えています。しばらく移民の数が減ったと言われていましたが。
最近、ペルー・ボリビアからイミグレーションを通らず徒歩でチリ領土に入ってくる不法移民が長い列を作っています。ニュースに出る人はカメラの前で「もう自分の国には希望も夢もない、だからチリに来たのだ」と言っています。

(一般)

1)コロナ問題
今の所チリ政府の取る作戦がばっちり決まっています。
新規感染者数は月曜日315人でこれは昨年4月からの505日ぶりの低い数字。昨年3月にコロナ患者が出始め、100人突破とか300人になったとか騒ぎましたが、それが9000人まで上がった後、毎週その数字が下がっているわけです。
陽性率も土曜日0.81%と過去最低を記録しました。そして日曜日はさらに下がって0.76%。PCR数が下がったので感染者数が下がったと言うわけではないです。そして病院に入院する患者数も大きく減少しています。
世界でワクチン接種が進んだ国としてイスラエルが紹介されていましたが、最近、今までの記録を破る悪い状況のようです。厚生省のコロナ感染者数発表番組でチリはイスラエルと連絡を持っているとコメントされますが、良い意味で競っていたわけですね。そのイスラエルが最近、調子悪くなったのに、チリは毎週毎週、数字が良くなり、都市封鎖を止めてもそれを維持しています。今週からサンティアゴの外出禁止令が午後10時から12時にまで遅くなったのでレストランやバーに客がゆっくりできるようになりました。それでも感染は増えていません。良かった。
つまりチリの現状は世界のトップクラスと思います。チリが世界のトップなんて夢みたい。
だから、18の悪い夢を見たくないですね。過去の様に18のお祭りで群衆が飲み食い踊りまくり、その1週間後に、また新規患者の増加するなんて・・・想像したくもないです。
 2)マプチェ問題
政府の土地貸与の数字が出ましたが、それによると30年前に民政化してからチリ政府はマプチェの507の団体に21万ヘクタールの土地を寄付したとなっています。その運営がどうなっているか、ちゃんとフォローしているのかな。
いつものように今週も重機やトラックに火がつけられました。週の初めに4台が放火されましたが、木曜日に12台もやられました。そこは州都テムコの近くのヌエバ・インぺリアルと言う町ですが、私には思い出の町です。チリに住み始めて初めて行ったのがそこでした。チリに来る前ペルーで2年住んでケチュアの人々の生活ぶりを見てきた私はチリで先住民の人の暮らしを見られるのはどこですかと聞いて教えてもらったのがその街でした、40年以上前のことですが。
それからピストルではなく大きな銃を持った6人組が家に入り、そこに置かれていたトラクターを盗みました。トラクターなんかすぐに見つかるのと違いますか???
同じことが続くのはマプチェだけではありません。サンティアゴのイタリア広場で今週も金曜日の夕方から恒例の反政府デモ。10数人が逮捕され、警察も3人負傷しました。毎週同じですね。
3)夏時間
この日曜日から夏時間になりました。今までの12時が1時になります。この日は1時間寝る時間が減ったわけです。
4)自動車販売
昨年の2倍のスピードで新車が販売されているようですがSUVと呼ばれるタイプの車の販売が大きく伸びています。新車販売の上位1,2位は中国製。3位はGMですが、中国製、4位も中国と、中国製の車がチリを抑えています。


(スポーツ)
1)サッカー
今週はワールドカップ南米予選があったので国内リーグ戦はお休み。ただその大会よりレベルの低いチリカップ戦の決勝があり、コロコロが優勝しました。もしかすると国内リーグ戦にも勝って2連勝になるかもしれません。昨年は2部リーグに落ちるかもしれないと言われたほど不調だったのですが。
さてその国際試合は2試合ありました。先ず木曜日にチリ対ブラジル。先週、欧州のリーグでプレーする選手は参加できないとされましたが、多分FIFAの説得が効いて、通常の通り、すべての選手がプレーできました。
試合はコロコロのホームグラウンドで行われました。4万人ほどの規模の競技場ですが、その日は入場者は規制があって1万人ほどとか。じゃガラガラだと思われるでしょうが、その1万人はかたまって座っていました。 それならコロナ問題で観客数を少なくする意味がないですね。厚生省からクレームはなかったのかな?
試合は0対1で負け。格が違う?第2戦は日曜日の対エクアドル。敵地での試合でした。見ていてもがっかりする内容で0対0の引き分け。
これではチリは来年のワールドカップに参加できませんね。
2)パラリンピック
オリンピックはパッとしなかったチリですが、パラリンピックはメダルをいくつも取って派手に頑張りました。 選手がチリに帰ってきたら歓迎式ですね。


以上