チリの風  その903  2020年8月31日―9月6日

天気予報は当たらず、今週のサンティアゴに雨は降りませんでした。
少し前のように朝晩は寒いけど午後は太陽が出て暖かいという雰囲気です。
この日曜日から1時間時計を進めて夏時間になりました。
私の住むラス・コンデス区は自宅待機令が解除されたので、いつでも自由に外に出ることができます。そんな当たり前のことが、今まで家の中で閉じこもっていたので、素晴らしい感激です。
ちゃんと一人でマラソン練習、丘のぼり散歩を続けています。山岳公園はまだ閉まっているので登山はできませんが。
前の公園で凧揚げをするのが目立ちます。9月は風が強いのですね。
野鳥の声が以前よりずっと多くなった気がします。

(政治)

1)ピニェラ動向
  マプチェとの面談
  ピニェラはモネダ大統領宮殿にマプチェの代表を招待し面談をしました。何か同意に達したのか、詳しいことはわかりませんが、先住民が大統領と対等に話し合うというのは素晴らしいですね。チリ人権委員会の会長が、その面談の後、私たちにできることがあれば何でも協力するとコメントしています。
2)大統領候補
  アジェンデが選挙で大統領にえらばれて今年で50年目。マスコミにいろんな特集が組まれました。その1970年9月の選挙で投票率では1位は36%、2位は35%、3位は28%だったのですが、通常なら実施されるの決選投票がなく1位のアジェンデが大統領になりました。彼が国民に選ばれたというのは事実ですが、国民のわずか3分の1が彼を支持したというのも事実です。従ってその後、彼の政策・方針が国民に上手く通らなかった、受け入れられなかったということになりそうです。
  さて来年の大統領選挙の候補者は右翼が二人、左翼が一人でしたが、右翼に3人目の候補者、ロンゲイラが名乗りをあげました。彼も最右翼UDI側で、以前SQM社の汚職問題で裁判になっている怪しい人物。どうして与党の3大政党でUDI党以外は手をあげないのかな?
  ところで、今週の世論調査の結果ですが、今のところ一番人気が高いのが、何と共産党のハドウェ、そしてUDIのラビン、マテイでした。社会党の党首が共産党新左翼でない政党の中で左翼の候補者を送り出す準備中とコメント。誰もいないのですね。
  さてアジェンデ50年記念で共産党はやる気十分です。候補者ハドウェはボリビアの海問題も、領土交換で彼らの夢は実施できるはずとしています。ボリビアが海までの通路を得て、チリはボリビアの鉱山地区を見返りに入手すると言うわけですね。彼は市民の年金基金を国有化すればよいのではと極端な意見も出しています。彼(彼ら)が政権を握れば50年前にまた戻るのかな?
3)憲法改正投票
  かなり近づいて来ましたが、今週の話題では、投票日の昼頃に、老人専用時間を設けると言うのがあります。その時間の間は中高年だけが投票所に入れるわけですね。私も早めに昼食をとって、その時間に行けば投票待ちの長い列がないわけです。それからボールペンを各自が持っていくことになりました。今までのように投票所に置いておくとみんなが使うので病原菌がそれに付着する可能性があると言うわけです。それでは自宅から鉛筆をもっていかなかった人は投票できません。じゃ、投票所の前に、ボールペン売りますとおばちゃんが商売するのでしょうか。
  基本的にピノチェット軍事政権が作った憲法ですから、今の右翼は現行を支持、左翼は改正と投票するでしょうが、右翼の中からも改正して、今よりもっと素晴らしいものを作ろうという意見もあります。なんと新聞の論調に、その通り、今回は憲法改正にイエスと投票し、その後、どんな憲法にするか討論するのが良いのではと書かれました。投票日まで、右と左の争い、暴力デモが続くのは避けたいですね。

(経済)

1)経済成長
  7月の産業指数はマイナス11.2%でしたが、その中で鉱業だけがプラスでまだ元気があります。チリは鉱業中心からいまだに抜けられませんね。歴代内閣はその1極性を変更しようとしましたが、誰も成功しません。
  それでも今年の成長率はマイナス7.5%になるだろうと今までの予想より、上向いたものになっています。素人の私が見ていても、暗い・黒い雰囲気が薄れているように感じます。
  中銀総裁が2021年の経済回復を進めるためには、いつ・どれだけ自宅待機令が解除もしくは縮小するかがキーポイントだとしています。当然でしょうね。
2)銅価格と為替
  1ポンド当たり3.03ドル。週の初め3.1ドルに近づきましたが、最後は3.03.立派なものです。それで為替はチリペソが強くなり1ドル772ペソでした。中国経済が立ち直ってきたので銅価格も堅調とされています。
3)最低賃金
  32万ペソと40万ペソ
  今週、政府と労働組合連合の面談があり、現行の32万ペソを40万ペソにするよう組合から依頼が出ましたが政府は、今の段階でそれを受けることはできないと物別れになりました。
4)サイバーディ
  今週そのサイバーディがありましたが、400万件の成約があり。売上合計は3億6千8百万ドルとか。新記録。これは先日の厚生年金10%引き出したお金が使用されたと言われています。しかしその逆ですが、なんでも今年になってチリの60%の家庭の収入が減少しているとか。

(一般)

 1)コロナ問題
   明らかにピークは過ぎたという感じで、第12州(マゼラン州)以外は患者数の増加は治まってきています。
   第3段階になった地区では喫茶店・レストランが店の外での営業が認められますが、私の家の近くのアポキンド通りではテーブルが外に並んで多くの人が食事を楽しんでいます。それ以外の今まで閉まっていた店もほとんど開いて、正常化です。そこで働く人にとって数か月ぶりの明るい話題ですね。明日の月曜日から首都圏で新たに6区で自宅待機令が緩和されます。週末以外は自由に外に出られます。つまり仕事をするのに何の許可も申請もいらなくなります。

 2)トラックのスト
   1週間ほど続いたので、各地で品物不足が言われるようになりましたが。何とか政府と業者の間で合意ができたようでデモは終了。これは単なる、一時中止と言う声もありますが??トラック業界の3大グループの内、一つだけがこのストに入ったのですが、これが全部ストとなれば、チリの生活が止まりますね。アジェンデ政権の最後に起きた大問題がそのトラックの運行停止でした。
   反政府運動
   今週もイタリア広場で3週連続でデモ隊と警察が衝突。もう半年前に戻ったみたい。デモ隊の旗にアジェンデは生きていると書かれてあるのを見ました。

   ところで航空機を利用する乗客が毎月増えています。5月から6,7,8月と毎月、国内国際線とも乗客数が増加です。このままずっと続くかな?10月から観光旅行が認められると私は予想しているのですが・・・

(スポーツ)

 1)サッカー
  チリでクラッシク戦と呼ばれる人気2大チームコロコロとチリ大学が対戦、国立競技場で。通常なら数万の観衆で埋まりますが、今日は観客ゼロ。結果は引き分けで誰も喜んでいません。
  リーグ戦は首位のカトリカが勝って単独首位に戻りました。 


以上