チリの風 その848  2019年8月12日―18日

今週はペルーに旅をした。厳しい日程だった。月曜日、サンティアゴからリマに飛び、接続便で北部のチクラヨに夕方到着。夜行のバスでチャチャポヤスに。10時間のバスの旅。火曜日の早朝について、すぐにゴクタの滝を見るツァ-に申し込み。天気予報では火・水・木と3日続けて雨の予想だったが、火曜日、曇っていたが雨ではなかったので、一日休養する予定を急遽変えたもの。ツァーと言っても滝の近くのコカチンバ村に行く小型バスに一緒に乗るだけで現地では自由行動。滝まで片道5キロ強のコースだった。                   その村から落差771メートルの滝を見たとき、昔、行ったエンジェル・フォールとそっくりだと感じた。滝つぼ近くまで行くと霧雨の中にいるみたいだった。
町に戻りホテルに入ると疲れてクタクタだったが、目標達成の喜びがあふれた。来週はクエラップ遺跡の話を書く。
日曜日のマラソン練習は3名で実施。昨夜チリに戻ってきたばかりの私は完走する力はなく走ったり歩いたり。

(政治)

1) ペルーで現地の新聞を読み、テレビのニュースを見たので同国の現状がよく分かった。政治的に混乱状況が継続しているのは確かだ。しかし同国の問題と並んでアルゼンチンの緊迫した環境が大きく報道されていた。
チリに戻ってきて、チリから見たアルゼンチン状況は単に隣国問題と言うより、もっと大きな影響を与えていた。 そこに投資をしているチリ企業のアルゼンチン株式市場株が暴落して大きな損失を出しているのが分かった。センコスッド(小売業)、ラタム(航空)、CCU(ビール)社などが合計して今週20億ドルの損失を出したとか。半端な金額ではない。
ほかにも問題は多く、例えば1年ほど前から同国とチリの間で天然ガスの輸入が始まっているが左翼新政権ができればそれが中止されるかもしれないし、チリに入国した観光客が今年の上半期は21%も減少しているが、それはアルゼンチン人が激減(46%減少)したからで、同国人を除けば3.4%のアップになるとか。全く逆だが、次の大統領選挙で現行大統領が負ければ、アルゼンチンからチリへの移民希望者が大幅に増加するだろうとみられる由。      
一番きついのはピニェラの経済政策がうまく機能しなければ、ピニェラもアルゼンチンのマクリ大統領のようになるだろうとのコメントだろう。マクリ政権の大蔵大臣が今週、交替しました。
しかしピニェラ政権がパッとしないと言ってもペルーやアルゼンチンに比較すると正常と言うのは間違いないと思われる。今週、彼は北部を訪問し、イキケで住宅や港湾工事の進捗を祝う行事に参加、政府は皆さんの生活が良くなるよう努力していますとコメント。その後カラマでチュキカマタ鉱山を訪問した。そこは露天掘りの世界トップクラスの大型銅鉱山だが、そのシステムが近々、終了して地下鉱山に変更されるらしい。私はその露天掘り鉱山に仕事で何十回も訪問しているから懐かしい・寂しいニュースだ。
しかし与党内から、経済成長が予想したほど上がらないことを懸念し、政府方針を変えるよう提案が出ている。経済の失敗は野党にとっては付け入るスキを与えるのは間違いない。
与党側のカストは「今のような政府では将来はない。世論調査に動かされるのは悲しい。労働時間の減少を共産党員から出されれば、本格的な検討もせずに似たような案をカウンターするなんてもってのほか、もっと真剣にやってほしい」

(経済)

1) 経済成長率の推定
大蔵大臣は、今年は3%の成長は堅いと繰り返していたが、今週、それを2.6%に訂正。もちろん、どこかから、それが2%にまでさらに訂正されるのではとコメントされている。こんな状態では与党内でももめますね。
銅価格と為替は最近ほとんど動きがなく、ポンド当たり2.6ドル、1ドル708ペソです。
2) 新車の販売
7月の新車の販売は前年対比0.6%のアップになったが、通年では6.4%の減少と苦しい状況。

(一般)

1) 大乾燥
この10年間、雨量が年々減少し乾燥化が進んでいるとか。サンティアゴの場合、1960年から2000年までの40年間の年間平均雨量は316ミリでした。それが2010年から2017年の平均で220ミリと30%減少。さらに2018年は119ミリ、今年は今まで67ミリと激減。雨量が5分の1になったら樹木・動植物など自然に影響するのは当然ですね。
2) 大気汚染
チリ私服警察はキンテロの汚染問題で国営石油会社エナップが汚染源と言う結論を固めたようです。同社の幹部がイランからの原油が問題を起こしているという情報を隠ぺいしたとみられています。
昨年8月、ちょうど1年前ですが、問題が拡大し、住民に大きな影響を与えましたが、それが継続している悲惨な状態です。住民が同地区から離れるのが増加しているとか。政府の無策がみじめですね。

(スポーツ)

1) サッカー
国内リーグ戦は首位のカトリカと2位のコロコロが勝ったため、勝ち点差は10と大差が変わらず。スリルのない大会が継続です。

以上