(政治)

1) ボリビア問題
今週の話題はこれですね。オランダのハーグ国際法廷でボリビアから訴えられている領土問題の最初の判決が出ました。ボリビアの訴えを却下するのではなく裁判にする値打ちがあると言うものでした。ボリビアは国中が大喜びでしたが、チリは渋い顔ですね。もちろんそれはチリの領土をボリビアに譲渡することにはなりません。チリ側は戦略を誤ったのではないか、ボリビアの作戦が人々の共感を得たのではと反省の声も出ています。
太平洋戦争といわれる戦いでチリがボリビアの領土を奪ったわけですが、戦争が終わって1904年に両国で新しい境界線について合意に達しており、100年以上たってからボリビアがそれを認めないで国際裁判にもちこんだわけです。 それでは日本が第2次世界大戦まで、日本領だった北海道の北の北方領土を返せとロシアを訴えれば、プーチンはどう反応するでしょう。8月15日の終戦の後に、ソ連が攻め込んできたのですが、それは不法行為ではないのかな?もちろん彼は一笑に付すでしょうね。
さぁチリとボリビア間はこれから本格的な裁判が始まります。この判決の後、国連総会に参加するためアメリカに渡ったバチェレットはそこでハーグ裁判のチリ側代表と面談し、その代表の人間を罷免しないことを明らかにしました。ボリビアの要求は根拠がないと言っていたチリの方が間違っていた(弱かった)わけですね。
チリが独立した時は現在の領土の3分の1しかありませんでした。それが後の戦争に勝って大きくなったわけです。
所が1990年以降の国際紛争で、アルゼンチン、ペルーと苦渋を飲まされ、もしかするとボリビアにもやられそう。何か戦略が間違っているのでしょうか。
ボリビア側は裁判所の裁定と並行して領土問題のネゴを開始しようと呼びかけてきましたが、チリ政府はそれを断固として拒否しました。結審を待つ模様ですが、大丈夫かな?
2) 政治家不信
先週、第4州で大規模地震がありました。キリスト教民主党の党首ピサロは、その第4州から議員になっていますが、その地震直後にイギリスにわたりラクビーの世界選手権を楽しみました。彼は昔、ラグビーのチリ代表になっていたとか。チリの大問題も政治家にとってはそれほど自分の身には感じられないのでしょうね。ちゃんと休みは1年前から要請していたと言っています。バケーションを承認されていたことと、大事件が起こった時、それを政府与党の党首として国民を保護すると言うことの大事さを比較できないわけですね。国民に信用されないと言うことを彼は理解できないのでしょう。同じようなことがほかの議員にも起きています。
新聞の投書欄に「世論調査で、警察や消防署が機関として国民の信頼を多く勝ち取っており、一番低いランクが国会議員になっている。私たちがすることはこんな議員を二度と国会に送らないことだ」これが認められる風潮になれば、議員の日常生活が変わるでしょうね。
バチェレットの息子が農地売買問題に関連して検事から第3回目の検問をされることになりました。与党の有力議員ジラルディがこの事件に関連していると言われ始め、どこまでこの事件が広がるか分かりません。つまり政治不信の拡大でしょうね。   
世論調査でバチェレットの政策を認めるは19%、誤っていると見る人は77%になりました。
バチェレットが体調を崩し大統領職を辞任すると言う噂が流れましたが、彼女は誰がそうした噂を流し、私と政府を傷つけようとしているのか分からないが、そうしたことは全くありませんときっぱり。勿論火のないところに煙は立たないと言うのも本当でしょうが。
3) 教育問題
来年から大学の無償化、義務教育も公立学校の無償化が言われましたが、その話が遅々として進みません。今週の大学協議会で、各学長は政府のアイデアが良くわからないが、政府は大学教育の無償化のコストを大学側と折半させるのかときついクレーム、不満を述べています。少し前に教育大臣が交代させられましたが、またそんな不都合も起こりうるかもしれないですね。