(政治)

1) バチェレット
もうチリの風と言うと最初にバチェレットが出るのが普通になりました。それくらい私が彼女に入れ込んでいるわけではありません。
サッカーのアメリカップに熱中して、ファンの代表を自認していた彼女はチリがそれに優勝したので、人気が急上昇と思われましたが、今週発表の数字は全く逆で支持するは27%、不支持は68%と最悪です。
逆風はまだあります。先に内務大臣を更迭しましたが、彼が税務局の長官に圧力をかけ与党側が関連していたソキミチ社の政治献金問題にあまりタッチしないように指示をしたとその前長官が裁判所で告白。その資金はバチェレットの選挙費用に回ったわけですからね。これからますます彼女の近くに問題が迫ってきます。前長官は前大蔵大臣も前内務大臣と組んで資金集め人間マルテルに絡んでいたと報告しています。
最右翼のUDI党の元党首は同じ嫌疑で裁判にかかっていますが、自宅謹慎処分となり、裁判が終わるまで家の外に出られません。体調を崩したので入院するため外出禁止処分を一時解除することを申請し、それは受理されました。
さて人気が落ちる一方のバチェレットは、人気回復のために、今回は経済成長回復のために何が必要かと言う委員会を設定しました。先日の政治の透明化委員会は時間と金の割にはあまり有意義ではなかったですが、今度はどうかな?
しかしそれだけでは国民は納得しないと考えた彼女は金曜日に全閣僚会議を行い、一日いっぱいかけて、選挙の公約実施で何が足りないか、何を優先すべきかを話し合いました。 彼女はすべてが約束通り進んでいるわけではないと先ず自己批判をし、それをどう公約実現に結びつけるか閣僚の力を借りたいとしたわけです。やり方は正しいですね。
教育問題はますます先鋭化してきました。教員組合が全然態度を和らげないで政府と対決しており、もう40日もストに入っているのに、一向に前進が見られません。
そして経済の停滞からバチェレットが選挙の時の公約した教育の無償化が危うくなってきました。与党内でも実施は不可能とする声が大きくなっています。新大蔵大臣は可能な限り約束は守るが、税収入が延びなければそれ以上のことはできないとコメント。
土曜日、雨の中で労働組合や学生連合がデモ。公約の労働法改正を最後までやり遂げるよう政府に圧力をかけています。与党側の中から公約を全部実行するなんて最初から可能性は無かったという発言も出ています。選挙の公約って嘘ばかりですか?資金がないから実行できないと言う大蔵大臣は正直なのか嘘つきなのか?

ボリビアの海問題ですが、ハーグの国際法廷はまだ審査中で動きはありません。しかし今週南米を訪問したローマ法王がラ・パスでモラレス大統領と話したあと、「チリとボリビアの間で真摯な会話が発展するのを願う」とコメント。
ボリビア側はローマ法王もチリの暴力的な領土略奪を認めていないと発言。チリは直ちに「真摯な会話を拒否し裁判に持ち込んだのはどちらか忘れたのか」と反撃。いつもの通りですね。