(政治)

1)9月11日軍事革命
  ピニェラが40年前の軍事革命記念行事をモネダ宮殿で開催すると決めました。先週、彼は政府・司法・マスコミにそれぞれ自己批判する余地があると考えると発表しましたが、早速反応がありました。 社会党の元党首カミロ・エスカロナがアジェンデの人民戦線の時代に社会党は一線を越えた時期があったと発表。しかし元大統領のラゴスは誤った軍事政権の政策に対抗したチリの左翼に自己批判する必要は全くないと厳しい発言。
社会党などの左翼と組んで20年間チリ政権を担ってきたキリスト教民主党DCですが、共産党と組んだアジェンデ政権時に、このままでは民主主義が消えると軍部に政治介入要請をしたとされています。それを党として認めるか否定するかで議論中のようです。
司法界にも動きがあり。裁判官の一部から軍事政権時、人権問題で裁判所は適切な結論を出さなかった可能性があるとコメント。もちろん裁判官は法に乗っ取って判決を出すわけで法律が間違っていれば判決も間違うといった趣旨のコメントもあります。ただ軍事政権に敵対するような判決を出すと裁判所内での処遇に傷が着いた事実はあるらしい。軍事政権に擦り寄らないと出世は出来ないよと言うわけでしょう。
政治では左右共に、一部ですが、自己批判、司法も一部の自己批判がでました。後はマスコミですね。どこかの新聞が「ピノチェットが怖くて左翼陣営の殺害事件は報道しなかった」なんとか言うかな?
これはアジアの日本と中韓の歴史的争いみたいかな。
しかし平和になった今では軽い自己批判が出来ますが、軍事政権時にピノチェットを批判するのは命がけですよ。
私は大学時代、全国学園闘争と呼ばれた反政府運動に参加していました。道警のその種の名簿の中に私の名前がのっていると聞きましたが、殺されるという怖さは感じませんでした。チリで同じことをやっていれば・・・行方不明者の中に入ったでしょうね。
私見です。先日のチリの風に書いたように、労働組合が会社を力で乗っ取るというのは認められることでしょうか。政府が右翼・軍隊に対抗して左翼グループに兵器を持たせると言う動きはどうでしょう。これは力で人民を守ると言う筋書きですが、民主主義と言うより全体主義、もしくは誤った共産主義と言う雰囲気がします。
つまりアジェンデ政権の方針が軍の介入を招いたと言う点は理解できます。しかしその後の軍による市民の拷問・殺害は認められるのでしょうか?この2点が私の軍事革命40年に関する基本認識です。