チリの風  その905  2020年9月14日―20日

18(ディエシオチョ)のお祭りのあるこの週はチリ中が大騒ぎをするのが普通です。焼き肉アサードを食べ、アルコールを飲んで、クエッカを踊り・・・・酔っ払い運転の事故も多かったですね。
ところが、今年はコロナ病気の問題で、屋台会場が禁止されていますから、こっそり楽しむという雰囲気です。午後に散歩をするとあちこちの家でアサードをしていました。外を歩いていても匂いですぐにわかります。私の所もベランダに調理プレートを置いてアサードを楽しみました。肉の焼けるのを1時間ほど辛抱して待ちましたが、肉・野菜の味を堪能しました。
そしてこの時期、首都から郊外に出ていくのは当たり前のようでしたが、今年は許可のない人は外には出られません。
今週の月曜日、最高気温が28度になりました。春とちゃうで、もう夏やで・・と言う感じのサンティアゴです。外に出るとき、日焼け止めのクリームを塗っています。
さて私はもちろんスポーツも楽しんでいます。遅いけど、走れるのは幸せです。

(政治)

1)ピニェラ動向
彼を支持するは22%、支持しないは69%とほとんど変わりませんね。全く人気のない大統領です。先週、彼はキリスト教の新教の総会に参加しましたが、今週は18に行われた旧教カトリックの総会に参加。いつもは街の中心地の大聖堂で行われますが、今年は教会の中には大勢の信者が入られないので、サン・クリストバルの丘の上で実施。しかし彼は信者でもないのに政治的付き合いから、新教・旧教の集まりに参加するなら、マプチェの宗教行事にも参加すればよいのではないでしょうか。それなら歴史始まって以来の先住民尊重の大統領になれます。するとマプチェの中にピニェラを支援しようとするグループが出てきて、毎週起こっている放火暴行グループの抑制力になるのでは。どうかな。いつものように今週も銃による襲撃事件がありました。19日は軍隊記念日。毎年、オヒギンス公園で軍隊パレードが大勢の観衆を前に行われますが、今年は陸軍学校内でひっそりとパレード。毎年なら観客数は数万人、今回は招待者50人とか、しかたないですね。ピニェラもパッとしませんが、新憲法の是非投票、次期大統領の候補者選びなど、いろいろ重要項目はあるのに誰も熱中して、議論をしているという雰囲気はありません。18を楽しんでいるからとも思えませんが・・・。新聞の特集では新憲法に賛成は年齢、性別、収入に関係なく80%ほどが賛成となっています。左翼では98%、右翼でも32%ですから、10月25日の投票で憲法改正の勝利は間違いないですね。大統領選挙の件は最右翼UDIはラビンとマテイの中で1次選挙をし、勝った候補者を右翼側の予備選挙に出したいとしています。

(経済)

1)銅価格と為替
1ポンド3.07ドルと高値が継続。為替は1ドル763ペソとペソ高です。素人の私には中国の経済がV字回復しているので、銅価格が好調と言われてもよくわかりませんが、このまま年末まで続けば、チリ経済もV字回復できるかも。甘いか。
2)パスクア・ラマ鉱山の閉鎖
  環境汚染の問題からチリ高裁は同鉱山の閉鎖を命じ、罰金70億ペソを徴収することにしました。同鉱山は10年近く金・銀・銅の採掘をしていました。
  国会議員のプロボステ(DC党)は下記のコメントをしました。
  同鉱山を開発するとき、カナダのバリッグ社から用意された計画を見て、地域の住民を雇い、環境破壊をせず新鉱山が開発されるなら地区にとって大きな喜びになると2004年に実現することになった同計画推進を手伝いました。しかし雇用したのは同地区の人間が中心ではなく、チリだけでなく外国も含めプロが多かった。環境汚染も、同地区の動植物を傷つけるとかの問題が起き、さらに水源を汚し、地区の住民が水不足になったので、私は同計画に反対に代わりました。
  プロボステ議員は以前の政権で大臣をしています。その鉱山はアタカマ州でチリとアルゼンチンの国境に位置しています。バリッグ社は裁判所の判決を受け入れ、最高裁に審議を持ち込むことはしない由。
  私はチリで長い間、鉱山関係の仕事をしましたが、このような閉山事件は初めてです。

(一般)

1)コロナ問題
  新規感染者数は落ち着いています。昨日は新規患者が1600名、死亡者は30名でした。PCRテスト者と陽性者数の割合は、毎週のように下がり、今週は5%ほど。ピーク時は20%ほどでした。ワクチンが出来ていないのにこうして病気の状況が良くなっているのは抗体が出来た、集団免疫が形成されてきたと考えられますね。ただ死亡者数は12254名ですが、確認患者のほかに可能性のある患者数を加えると16600名になります。これなら人口比のチリの死亡者数は世界のトップクラスになりますね。学校教育の件では、オンライン授業は別にして通常の学校制度は今年度は不可能と言う雰囲気です。前から言われていますが、学校や幼稚園が、正常の収入が無い状態で1年間、持ちこたえられるかどうか。倒産が相次ぐだろうと言う見解も多いです。
2)中高年援助活動
  チリでは毎年テレトンと言う障害児童の援助活動のための寄金集め番組がありますが、今回は対象を中高年に変えて行われました。全テレビ局が同じ場面を放映し、番組を見る人に、演奏などの合間に援助寄金を銀行口座に振り込むよう依頼しています。2日で160億ペソほど集まったとか。それをどう使用するのかはよくわかりません。
3)観光
  チリにとって観光産業は重要項目ですが、4月から観光はほとんど動きが止まってしまいました。日曜日の新聞の特集記事で、3つの観光地(サン・ペドロ・デ・アタカマ、プエルト・ナタレスイースター島)がどうやって観光客を呼び戻すかが紹介されていました。3つとも、ほとんどすべての観光客は外人で、70-90%、チリ人観光客を増やすのが急務とされています。今年、その内のアタカマに1月、ナタレスは3月に行きましたが、嫁さんとまた行って見たいねと話あっています。

(スポーツ)

1)サッカー
  国内リーグ戦は18のお祝いのため、11節で残っていた試合が実施されただけで、大勢には影響なし1位はカトリカ、2位はチリ大学です。
  ところでリベルタドール杯は意外な結果で、コロコロもカトリカも勝利をおさめました。懐かしい、チリのチームが国際戦に勝つなんて。そのまま1次リーグ戦を勝ち抜くかな?


以上