チリの風 その871  2020年1月20日―26日

今週は嫁さんと二人で北部のアタカマ砂漠にあるサン・ペドロと言う村に遊びに行きました。多分、チリの領土でそこほど外人が集中しているところはないと思います。さてそこは世界で最も乾燥したところと言われていますが、何と4日連続の雨でした。月の谷ツァーは行けましたが、一番の目標のエル・タチオ間歇泉は道路状況の問題から観光バスの通行許可が出ず中止、がっかり。それでも町の近くをあちこち歩いて楽しみました。そのうち旅行記を書いてブログに掲載します。
土曜日のサッカー教室は33度の暑い日、13名で実施。最近は人数が少ないけど楽しく練習しているのは変わりません。       
日曜日のマラソン練習もいつもと同じく楽しく走りました。幸せ。

(政治)

1) ピニェラ動向
大統領府の広報では、ピニェラは今週、月曜日と水曜日に仕事をしています。いやそのほかの日も仕事をしているのでしょうが、大統領府の考えでは市民に公表する値打ちはないと考えているのかな?
掲載されたのは経済拡大のため48億ドルを投入するということと、農業開発支援を続けるということでした。できればもう少し頑張ってほしいですね。
2) 国会
ピニェラの提案が通れば、議員数の削減、再選の制限が行われます。再選について上院は1期8年ですから2期まで(16年)、下院は任期3期まで(最高12年)この規則が通ると上院で6名、下院で37名の議員が次期の選挙に立候補できません。私は通常ピニェラ支援ではないですが、これに関しては彼の応援をします。その古い議員は政治には経験が必要なのだよとにっこり笑って反論していました。
とにかく議員に不快なのが多いですから。
今週、選挙投票の義務化が拒否されました。義務化は民主主義を否定していますからね。

(経済)

1) 失業率
前期の首都圏の失業率は8.8%で2015年以来最悪の数字でした。特に小売業と建設業界の失業率が10%を超え、苦しんでいるのが数字になっています。10月18日以降の問題継続と言うわけですね。
2) 航空業界
昨年の搭乗客は過去最高の2600万人を超える乗客でした。ただし前年対比の数字では昨年は6.3%アップにとどまり2015年以来一番低い上昇率でした。10月以降の社会不安からそうなったわけですね。特に国内線は前年よりわずか0.2%アップでした。
サンティアゴから利用客の多い区間は国内線ではカラマ、国際線ではリマでした。カラマ線は鉱山で働く人が多く利用しています。
3) 銅価格と為替
銅の価格は2018年以降で最悪の5日間で4%も落とし2.71ドルになりました。為替は1ドル777ペソとそこそこでした。中国の細菌問題がさらに影響すると言うコメントが出ています。どうなるかな?
4) チリへの外国投資
昨年の外国投資の結果ですが1位は中国で49億ドル、次いでアメリカ34億ドル、日本は5位で17億ドルでした。投資先はエネルギー関連、鉱山関連がほとんどです。
5) ワインの輸出
2019年(1月から11月まで)の数字で輸出先のトップは中国、2位はブラジル、日本は5位でした。日本の輸入量ではチリワインはこの4年間首位でしたね。
何だかいつも中国が1位、日本は5位ですね。

6)公共運送
  今週、10週連続でガソリン価格が上昇し過去5年 で最高になりました。このため今週サンティアゴの公共バスの価格が10ペソ上がることになりました。これは通常の規則ですが、政府は特例を出してその値上げを取り消し。政府の赤字が増えるわけですね。ピニェラはこれ以上問題を起こしたくないとしたわけです。日本円で言えば約1円ですが。

(一般)

1) 暴動騒ぎ
A)反政府運動として毎週、金曜日に首都のイタリア広場でデモ隊と警察軍が衝突しますが、今週も同じで火炎爆弾を持ったデモ隊が警察軍と戦いました。なぜ同じことの繰り返しで、犯人グループを拘留できないか不思議です。 デモ隊にチリ共産党の女性議員、スペインの元裁判官が参加していました。そのスペイン人はピノチェットを欧州で拘束するときに際立った動きを見せた人間で、最右翼UDI党の議員は「左翼を援護するためにチリに来たのか、こいつは」と怒り狂っています。サンティアゴだけでなく北部のアントファガスタでも暴動は続き、警察の車に火炎瓶が投げ込まれ車内が延焼。運転手は暴動グループのいないところまで必死で運転し車外に逃亡。いやはや。
B)マプチェの戦い
南部でマプチェ族が森林業者を襲うと言うのは以前から継続している問題ですが、襲撃事件で逮捕されたグループのメンバーが今月有罪判決を受けたことから、再度、大規模な襲撃が開始され、この3週間で24台の重機に放火されました。グループのリーダーが森林開発会社にマプチェの領域から出て行くよう警告しています。
2) 大学入試
先日の入試の混乱から第2回目の入試が来週の月曜日と火曜日にあります。入試会場が試験の前日(つまり今日)発表になると言う混乱で、受験生も落ち着いていれません。警察が今回は混乱を許さない、会場近くのデモは認めないと言っていますが、じゃ前回はなぜ規則を守れなかったのと言いたいですね。もちろんうまくいくことを祈ります。

(スポーツ)

1) サッカー
チリカップ戦の決勝はコロコロ対チリ大学でしたが、コロコロが勝って優勝しました。              
国内リーグ戦が始まりました。
順調に週末の試合が行われました。人気の3チームの結果ですが、カトリカは敵地でワンダラースに3対0の楽勝。ただワンダラースのファンがカトリカのファンに襲い掛かる不祥事がありました。チリ大学は敵地で敗戦。コロコロの1回戦は来週の火曜日です。
23歳以下の南米大会はチリはエクアドル、べネスエラに勝ちましたが、3戦目のアルゼンチンに負けました。次のコロンビア戦に勝てば予選通過になります。どうかな?


以上