チリの風  その906  2020年9月21日―27日

嵐のような18の週が過ぎました。嘘や、今年は全然盛り上がりませんでした。
さて暦の上で立春になりましたね。プロビデンシア区を歩いていて、桜公園を通りました。花は満開でした。もうだいぶ前のことですが、日本人グループがカンパをしてその桜の木を公園に植えました。懐かしい思い出です。サンティアゴは毎日。晴れの日が続きましたが、一日だけ金曜日、それが崩れ、小雨が降りました。と言っても雨量は1ミリでした。気温は最高が12度、最低が8度となりました。たまには涼しい日も良いですね。
丘のぼり散歩とかマラソン練習も仲間と実施しました。そして半年ぶりに翻訳の仕事が来ました。いつも同じことを言うように正常化が進んでいます。

(政治)

1)ピニェラ動向
   一番の話題は国連での演説でしょうね。最も通常ならその75周年記念の式典に参加するためニューヨークに行きますが、今回はオンラインでモネダ宮殿からの放送でした。
  Escazuエスカス問題
   これは自然保護国際条約の問題です。その名前は中米コスタリカにある小さな町の名前から来ています。この条約では自然保護の問題点を公明正大にして、政府のとる政策の基礎になることを公開し一般市民と共有することになっています。当初、チリ政府は同条約に調印するとしていましたが、ここに来て方向を変え、チリの現状とは即さないとしています。欧州から、チリは自然保護で世界のリーダーになると言っていたのに今は違う方向を向いているとコメントされています。昨年末の暴行騒ぎが起こる前はチリは環境破壊を許さないと訴えていたのですが・・・いろんなことがありますね。ところでコスタリカがそういう動きの中心にいるのは素晴らしいです。中米で唯一正常な国と言う気がします。コスタリカの美術館にはゴッホの絵がかけられていました。中南米ゴッホがあるのはそことブラジル(サンパウロ)だけです。チリやアルゼンチンにはありません。

   ピニェラはメトロ(地下鉄)本社を訪問し幹部と面談しました。昨年の10月18日以来、11か月たって、今週から100%操業再開です。それにかかった経費は2.5億ドルとか、無駄なお金を使ってしまいました。私は時々、メトロを利用していますが、乗客は今のところ昨年の半分ほどしか行かないみたい。(明日から乗客はかなり増えそうとか。)仕方なく従業員を解雇したら、本社ビルの前に解雇された労働者が集まりクレームのデモ。他の分野でもまだ続きますね、そんな問題は。
   
 2)大統領候補
   3名が同点首位です。先週書いた最右翼UDⅠ党と最左翼共産党の3名ですが、なんと3名が同じ人気を占めました。両極端が候補者だなんてチリも極端な国ですね。さてチリ共産党にとってベネズエラは大事な友国ですが国連の人権委員会の発表では今年に入って二千人もの市民が殺害されたとか。チリの軍事政権の時に左翼活動家が殺されたと共産党は文句を言っていますが同じことがベネズエラで起きているのですね。その論文を作ったのはチリ共産党の盟友バチェレットです。
  4)新憲法投票のテレビ宣伝
    金曜日から番組が始まりましたが、見ていて全く面白くなく、無駄ですね。反対派と賛成派が半分ずつ時間を取っていますが、いろんな組織・個人が突然出てくるわけで、意味が良くわからないのが多数。話題になったのは軍隊が現法賛成の宣伝をしたことで、軍隊は政府と同じだから意見を述べるのはどうかと言う批判のコメントと軍隊の中で陸海空はその通りだが、警察軍は賛成でも反対でもないのに勝手に名前を利用されたとしています。いやはや。

(経済)

1)厚生年金2回目の引き出し
  もういい加減にしてほしいところですが、前回と同じく、もう一度引き出しさせようという声が出ています。その時、引き出す人に、将来私はもらう年金が少ないとクレームしませんと書かせるのが良いのでは。
 2)銅価格と為替
   1ポンド当たり2.96ドルと3ドルを切って下がったので、為替は1ドル783ペソとペソが弱くなっています。
 3)失業
  コロナ問題で企業が従業員を停職にするのが日常化した時期がありますが、それが元に戻り始め、停職になっていた従業員の52%が、今週までに40万人と言われる人が復職しました。その数字はこれからも上がっていきそうとか。
  ピニェラは今日の日曜日、全テレビ局で、失業者を減らすため、企業が新規に雇用する場合、その賃金の一部を政府が払うとしました。いろんな条件があるでしょうが、もちろん雇う側には大きな助けですね、政府はこれで新規に100万人が就業できると見ています。

(一般)

1)コロナ問題
  サンティアゴの各区で自主待機処分が緩み、来週から人口の97%は完全待機から外れることになりました。一つだけレンカ区は外には出られません。それで明日から市内交通(バス・地下鉄)が混雑しそうとか。コロナのワクチンはチリに来年1月に到着することになっています。ちゃんと結果が出るかな?  18のお祭りの後、新規患者の数が増えました。欧州のように第2次の波が来たのかと言われましたが、検査をした人の数が増えたから、新規患者の数が増えたので、患者発生数は検査の6%以下と正常を維持しています。そして明日から他州に出かけることができます。もちろん条件はありますが、今までできなかったことができるようになるわけで、一般市民、観光業者にとって素晴らしいニュースです、先月8月の数字ではチリ国内線の乗客は前年対比86%マイナス、国際線は98%マイナスと惨憺たる数字でしたが、10月から大きく変わっていくでしょう。
3)マプチェ問題
  今週も2台のトラックに放火事件が起きました。警察も陸軍もどういう対応をしているのでしょう。そんな放火事件を起こせるのはそこらの窃盗犯でないのは明白。調べれば犯人グループに行きつくと思いますが、どうでしょう。そのカニェテの放火犯人が釈放されました。政府は裁判所の裁定に不満の意を表明しました。
4)若い女性の殺人事件
  少し前のことですが、20代の若い女性が殺されました。その犯人として母親の連れ合い(義理の父親)が逮捕され裁判中です。今週、母親が共犯の疑いで逮捕されました。そしてなんとその犯人の男を仮釈放した裁判官が国会で質問を受けました。その仮釈放がなければ若い女性は命を失うことはなかったから、その裁判官の判断が誤っていたということになります。まさか、その裁判官が裁判所で裁かれるとか、罷免されるとかになれば大事件だったでしょうが、その一歩前の段階で審議は終わりました。しかし他の裁判官にもこれは大きな教訓になったでしょうね。

(スポーツ)

1)サッカー
  今週の試合が終わって1部リーグ戦は首位のカトリカと2位のウニオン・カレラの差は勝ち点で5もありますから、今シーズンの優勝はカトリカでしょうね。国際大会のリベルタドール杯はコロコロはブラジル、カトリカはコロンビアに飛んで敵地で対戦、コロコロは敗戦、カトリカは引き分けでした。
2)テニス
  ハンブルグ オープンに出場したガリンは1回戦、日本の錦織と対戦。それに勝って2回戦も勝って、準決勝まで行きました。


以上