チリの風  その915  2020年11月23日―29日

サンティアゴは連日30度を超える暑さで木曜日は33度まで上がりました。この乾燥と高温が続くとまた山火事が問題になりそうです。
さて日本人の友人の話ですが、彼は何年か務めたチリの会社を退職し、年金をもらうことにしました。その手続きを彼に付き合ってあちこち訪問しました。結論ですが、来月から年金がもらえます。また一時金ですが、失業保険も出ます。さらに高齢年金生活者として国営健康保険(フォナサ)が無料になり、公営病院でサービスを受けられます。
彼は永住ビザを持っていますから、ほとんどチリ人と同じですが、いつも書いているようにチリの中高年援助システムはちゃんと機能していますね。それから私のマンションのリフォームが始まりました。6週間の予定ですが、それが終わると私の人生はどうかわるかな?もちろん、ちゃんとスポーツも楽しみました。

(政治)

1)ピニェラ動向
  警察長官の交替式があり、ピニェラは参加しました。長官の交替で組織は良くなるでしょうか?2年前に起きた警官によるマプチェ青年殺人事件で、元長官は元内務大臣とともに裁判所に呼び出され証言しました。元内務大臣は警察側からの報告が実際とは違っていたとコメント。警察側が、どうして虚偽の報告を政府に挙げたのか問題になります。警察側のトップも現場からのレポートが違っていた言うのでしょうか。
  世界女性デーの集会にピニェラは出席し女性の人権を守りたいとコメントしました。
2)国会
  2021年予算が上院で大きな混乱はなく可決されました。例の2回目の厚生年金の掛け金の払い戻しは進んでいるようですが、結論は出ていません。
3)国民投票
  今日の日曜日、投票がありました。来年4月の地方選挙の準備のためです。その選挙は各地の州知事・市長・区長を選出するのですが、今日は与野党グループの多くの立候補者からそれぞれが一人を選ぶ予備選挙です。私にすればそんなものは各グループがやるべきでどうして国が面倒を見るのかと思います。私は投票所に行きませんでしたが、昼のニュースでアントファガスタの投票所に投票者が今は誰もいないとか、首都圏の投票所で先月の憲法改正投票ではこの時間に8000人来たが、今日は200人とか言っていました。最終数字はまだわかりませんが、多分先月の10分の1くらいでしょう。

(経済)

1)失業率
  8-10月の失業率は11.6%と毎月下がっていきます。もっとも昨年の今頃は8%でしたから、まだ正常化していないというのは当たっていますが、良くなっているのも事実。
  ブラジルはこの時期に過去最悪の14%を記録していますから、各国の様子は距離は近くとも違うということが分かります。同じように企業の成績も第1、第2四半期は赤字が目立ちましたが、今期の第3四半期は多くの企業が上向きになりました。その中でまだ苦しんでいる業界として、交通(飛行機会社、地下鉄)サーモン関連、保険会社などがあるようです。
2)銅価格と為替
  銅の価格は今週は3.33ドルと2013年以来の高い数字になりました。中国ってそんなに調子が良いのかな?このため為替もチリペソが強く1ドル766ペソで終えました。
3)中国問題
  5号線のタルカとチジャン間の高速道路の建設・運営に中国企業が最も条件の良い8億ドルの投資を提案しました。その会社はチリで病院建設のネゴもしています。
  そこで下記の見解が新聞の社説に掲載されました。チリは外国からの投資を受け入れてきた。現在も将来もこの方針は変わらないだろう。しかし特定の分野を外国資本が支配するとか、ある国がチリに莫大な投資をするというのは通常ではなくそれを認める(見逃す?)のは正常とは思えないとしています。
  ピニェラは右翼ですから、チリの共産党も、べネスエラの共産党も嫌いですが、中国の共産党とは以前から友好な関係を維持しています。最大のお得意さんですからね。さて中国共産党がチリにどこまで侵入するのかな?今のところ中国関連の案件はエネルギー、鉱山、食品、金融など17項目が実施中もしくはネゴ中とか。

一般)

1)コロナ問題
  この金曜日、新規患者が1718人になりました。これは3か月ぶりの高い数字です。ふつうは1500人くらいです。このため厚生省は注意報を出しました。でもその日の陽性率は4.4%で、特に高い数字ではありません。つまり検査数が4万人と増えたのですね。欧州の様に第2、第3波がチリに来ないよう祈ります。
2)反政府暴動
  サンティアゴ区の区長はこの2週間で約1000軒の商店が襲われたと発表しました。恒例の金曜日のイタリア広場周辺のデモはいつもとは変わって、もう少し中央部のモネダ宮殿近くに移りました。
  そして警察と衝突。それで主要道路のアラメダ通りは大混乱。その日、全国で74名が逮捕されましたが、ほとんどは首都圏。しかしなんでもそのうちの一人は既に100回もの逮捕歴があるとか。捕まってもすぐに出てきて、また暴行事件を起こすわけですね。警察が、「こうした状況を抑えこもうとすると、人権委員会に批判される」と愚痴をこぼすのでしょうが、捕まえてもすぐに釈放されるのは裁判所の問題です。もちろん裁判官が勝手に判決を下すわけではなく、法律に則ってされるわけで法律を作る国会に責任があるのでしょうね。同じことを何度も書いています。テレビのニュースで何とかしなければいけないというコメントが出ています。

(スポーツ)

1)サッカー
 南米カップ
  ベスト16に入ったチリの3チームはベスト8を目指した戦いになっていますが、今週の1回目の戦いで勝ったのはカトリカだけ。来週の2回目はどうなるかな?
 国内リーグ戦
  今週の段階では首位はカトリカ、2位は勝ち点3点差でウニオン・ラ・カレラです。人気のチリ大学は6位、コロコロは最下位の18位。ファンが怒り狂っています。来シーズンは2部リーグで優勝かも?


以上