チリの風  その830  2019年4月8日―14日

今村さんを訪ねて南部のロス・アンヘレスへ。そこで彼の知人の農 場に行き、菊芋収穫のお手伝い。そのあと、彼の友人シルビアさんが夕食に招待してくれましたが、その菊芋を使った料理は今まで食べた菊芋の最高の味でした。ありがとう。翌日、ラハの滝周辺を散策。2泊3日の旅でしたが、いろんな人と話ができて幸せでした。
金曜日、イースターが近いので企画されたモ-ツァルトのレクイエムを娘と聞きに行きました。バックの80名のコーラスが迫力ありました。規模の大きいチリ大学劇場がほとんど満席でした。
土曜日は今年度第1回のサッカー教室。涼しいというより寒いほどの日で、なんと参加者はたった11名。冬時間なので開始が3時に繰り上がりましたが、夏時間の4時と間違えて来た親子もいました。それでも楽しく練習しました。
日曜日のマラソン練習はサンティアゴラソンに参加した仲間が戻って5名で走りました。フル・ハーフのレースを走った仲間は全員、完走した由。すばらしい。今日は太陽が出てくると走っていてそれほど寒くはなかったです。

(政治)

1)ピニェラ動向
アメリカのポンぺオ国務長官がチリを訪問、モネダ宮殿でピニェラと面談。チリとアメリカの友好を確認し、べネスセラ問題などを話し合った由。ポンぺオはこの月末に中国に行くピニェラに中国やロシアとの交渉では騙されないよう、また知的財産権を盗まれないよう気をつけなさいとコメントしたとか。チリ駐在の中国大使がすぐに反応して、よくそんなアホなことを言う人間がアメリカ政府の高官をしているものだと馬鹿にしました。
ピニェラは高官に忠告ありがとうと言ったのか、そんなこと十分知っていますよといったのか知りませんが、内務大臣は、「長官の発言はともかく、チリは自分たちの考えを持っている。アメリカが重要な友好国というのは間違いないが、中国もチリにとって最重要貿易国というのもはっきりした事実。それをベースにして行動をとっていく」と正常なコメントをしました。
中国の携帯生産会社ファーウェイが最近アメリカと問題を起こしていますが、ピニェラはその工場見学を中止すると決めたらしい。アメリカの圧力かな?
その国務長官とCNNチリとの面談で、最も話題になったのはべネスエラ問題でした。彼が世界の50数か国がガイドウを大統領として認めているとコメントするとCNNは世界には200か国あるから、残りの150か国、つまり世界の大半はマドゥロを大統領と認識していることですねと逆襲。数字の上ではその通りでしょう。         彼は軍事攻勢の可能性も認めました。いつもと同じアメリカの好き放題作戦ですね。
それから彼がチリとアメリカの友好度を強調するのでCNNは、それは先日の、ブラジル大統領がトランプを訪問した時と同じ雰囲気ですねとちょっかいを入れると、彼はチリとブラジルが南米で重要な国だといつものようなコメント。確かにピニェラもびったりアメリカよりですね。 しかし長官のチリ訪問の真意は何だったのかな?
明日からサンティアゴでリマ・グループの会議があります。チリ共産党はそのリマ・グループ会議でチリは議長国としてグループをどのように扱うかを指導に来たのだろうと推定しています。
2)新税制法案
国会の経済委員会で政府案が承認されました。これで法案が正式に成立する可能性が出ました。当初は反対が多かったのですが、DC党員が一部、政府案に賛成したからです。
野党内ではそれを裏切り行為として大騒ぎ。大資本を優遇する新法案を認めるわけにはいかないとするからです。最も税制法案に問題があるのは以前から言われ、それをバチェレットは一時手を付けながら最後は放棄しましたから、いつものように与党も野党も同じようなものというわけです。  
これを機会にDCが野党グループから離脱するのか、同党が分裂して一部は野党、一部は与党になるのか、それとも単にこの問題だけで、将来は今までどおりの野党グループに戻るのか議論されています。
3)裁判所問題
先週はくすんでいたけど、今週はマスコミにバッチリ報道されました。怪しい3名の裁判官と、関係のある容疑者が図になって表示されました。裁判官は無罪を主張していますが、調査が始まり、彼らが結審した裁判を外から見れば、どうしてこれが無罪になったのかという例が出てくるでしょう。麻薬組織も絡んでいるようです。 その中に社会党を代表するようなレテリエル議員も顔を出しましたが、社会党は彼の党籍を当分の間、凍結するようです。
これから毎週、情報が深く・詳細になっていくでしょうね。楽しみです。

(経済)

経済見通し
IMFは今年の世界各国の経済成長を低めに訂正し、景気停滞が確実になってきているようです。アメリカは2.5%から2.3%、EUは1.9から1.5、カナダは2から1.5とか。 チリも3.4%の成長率が予想されています。まだ下がるかな?
新車の販売が昨年はほとんど毎月、前年の数字を上回りましたが、今年は逆に下向いています。
銅価格と為替
今週は1ポンド2.94ドルと先週より少し上がり、このため為替も1ドル661ペソと先週より少しペソが強くなりました。理論の通りです。

(一般)

カトリック問題
エサッチ大司教の代理のアオスはバチカンローマ法王と面談し、チリに帰国しましたが、会談の結論は何だったのかよくわかりません。それでも帰国後、彼はカラディマ元神父に性的暴行を受けた被害者と面接しました。
首都圏のキンタ・ノルマル地区にあるレナト・ポブレテ公園は神父の名をとったものですが、既に死亡した彼が性的暴行罪で訴えられているので、公園にあった彼の銅像を廃棄して、公園の名前も変更しました。いやはや。
大気汚染
冬になると首都圏だけでなく、チリ中で大気汚染問題が出ますが、サンティアゴは5月1日から8月31日まで交通規制が実施されます。通常、廃棄汚染対策をしていない車は全車、対策車でも2011年以前に作られた車は20%が規制の対象になります。
一般に首都圏には2百万台の車があり、規制対象は通常20万台になります。
昨年の数字では汚染警告が出たのは33回、準非常事態宣言は7日でした。

(スポーツ)

サッカー
国内リーグ戦はクラシックと呼ばれるチリ大学とカトリカ大学が衝突。なんと4対0でカトリカが圧勝。また首位のウニオン・エスパニョールが負けたため、順位が入れ替わり、カトリカがトップ、2位がウニオンになりました。 
リベルタドール杯に参加の3チームは、先週は好調でしたが、今週は3チームとも敗戦。1次リーグ戦突破は厳しい状況です。
17歳以下の南米大会でチリはウルグアイに逆転勝ち、世界大会出場権を入手しました。
2)テニス
アメリカのヒューストンでATP500ツァーに参加しているガリンは順調に勝ちぬき決勝進出、そして初優勝。ランクは世界のトップ50の中に入りそうです。
チリ人のATP優勝は2009年以来です。


以上