1) 大統領選挙
9名の候補者から上位2名が12月の決選投票に挑みます。左翼中道のバチェレットと右翼のマテイです。まだ正式な選挙活動は始まっていないのにマテイ側は自爆寸前。
まず今まで選挙参謀のトップだったラビンを変えました、更迭かな。さらに今回の議員選挙で首都圏で当選したRN党のオサンドンとアラマンはマテイ陣営に入る前にバケーションと称して国外に。「長い選挙運動で疲れました」って。気持ちはマテイにないわけですね。
またRN党のホルバックはなんとバチェレットと面談し、彼女の公約のほうが私の信条に近いとコメント。RN党から除名処分は受けていません。
まだあります。9名の内で政策が一番近いパリシの票がほしいのですが、先の選挙で彼の人気上昇を恐れ、経済醜聞を暴露しましたね。このためパリシはマテイとの関係を聞かれると、「あんないやな女のことは話したくもない」何でもパリシ陣営の人間がバチェレットと接触しているらしい。
マテイ側にこれらの劣勢な状況を覆すような明るい光は見えません。
つまり12月の選挙はバチェレットの圧勝に終わりそうですが、インターネットに「バチェレットに投票すべきではない理由」が掲載されています。彼女の息子がわずか34歳で高級乗用車を3台も持っているそうですが、母親の助けで外務省の機関に入り、チリとアジアの経済協定に関与し、それを利用して会社を設立、コンサルタントとして巨額の利益を上げたらしい。政府関係の仕事を利用して私益を肥やすのはどう見てもまずいですね。まだ他にもありますが・・・バチェレットだけでなく他の大統領も同じような事を繰り返していたのかな。
2) 国会議員選挙
選挙から1週間過ぎて落ち着てきましたが、今回の国政選挙で一人負けしたのが最右翼のUDI党です。下院議員で38名が29名に減少。(RN党は逆に17から19に増加しています) 但し上院の議員数は変わらず。サンティアゴでは東部地区であのゴルボルン、彼は大統領候補になっていた元鉱山大臣です、そして西部地区で元サンティアゴ区長のサラゲットが両方とも落選、二人はUDI将来を支える星と見られていたのに。
それから例の怪しげな選挙システムに賛成していた彼らは同方法で落選者を出しています。つまり通常システムの場合、2人区なら2位に入れば当選なのに、この方式では1位と3位に同陣営から入り、その票の合計が相手陣営の2倍以上あれば、その二人が当選。つまり2位の候補は涙をのむという仕組み。党内でもめ事が始まりそうです。
3) 国勢調査
チリの風その521に出てきますが、昨年実施された国勢調査に不行き届きな点があったとして、該当局長が解雇され、ピニェラ大統領が国民の皆様にお詫びしますとコメント。 で、再度の調査を実施をするのが良いのか専門の国際機関に意見を求めることになりました。今週その結果が出たのですが、なんとその結果は、チリの調査は確かに完璧でなかったが、諸外国の例でも多々あるわけで、特にチリの今回の調査が悪かったわけではないとし、少しの補正をすることで調査結果を使用できるとしました。
これを聞いて、馘首された前局長は私の主張が外国機関で認められた。政府のお詫びを聞きたいものだとコメント。
一方、バチェレットは私がモネダ宮殿に戻れば、この国勢調査をもう一度実施すると全くクールな反応。