(政治)

1) 9月11日
最右翼のUDI党のラライン議員が軍事革命について国民に謝ることがあると発言。彼は昔、党首も務めたことがある人物。もちろん党としてのコメントではなく個人的な見解です。 これを聞かれたマテイ候補は「その時、私は20歳。何を謝れというのか」と聞く耳持たず。
軍事革命が起こって40周年。政府は記念式典を行ないます。
大統領経験者と今回の候補者も全員招待されるとか。最もバチェレットは出席しません。左翼連合の同じ催し物に出るからです。
ピニェラははっきりと「その頃、政府、裁判所、マスコミは人権問題に関しエラーをしている。従って多かれ少なかれ、責任があることは免れないだろう(共犯と言う言い方)」とコメントしました。これがまた問題になっています。彼は1988年の軍事政権継続可否の投票でNOに投票したことを明らかにしています。
仕方なくマテイも私は人権を踏みにじるような政策は一切行なわないと発言しました。
UDIの現在の党首は左翼側の傲慢な態度が左右の和解を妨げているのは誰でも分かっていると発言。これは謝っているのか戦っているのか分かりにくいですが。         このように40年たっても左右の対決は未だに収まりませんね。

2) 大統領選挙
チリは市民の声を聞く世論調査が盛んですが、大統領選に関する調査結果が今週発表されました。
次の大統領に誰になってもらいたいですかとの質問にバチェレット44%、マテイ12%、3位は同点でマルコ・エンリケ・オミナミとパリシが4%。全く話にならないほどの差ですね。このままだと1次選挙でバチェレットが過半数を占めて2次選挙はないかもしれません。
政府側はこの調査が行われたとき、候補者はゴルボルン、ロンゲイラそしてマテイと変わっており、調査が現状を表しているとはとても思えないとしています。この12%は与党の、つまり右翼のファンの数で、彼らは候補者が誰でも自陣の候補に投票するのでしょう。バチェレットの勝利は選挙前からほとんど確定ですね。
3) 大統領の信任度
ピニェラ大統領の不信任が44%、信任が31%。人気のないのは一目瞭然。それでも政府は前回の調査より、不信任は減少し、信任は上昇している。つまり政府の仕事を認める層が増加していると喜んでいるらしい。
最も人気絶頂に見えるバチェレット候補も前回彼女が大統領をしている時、サンティアゴの公共運送システムのトランサンティアゴが開始したときの大混乱から信任10%、不信任80%と言う極端な悪い数字になったこともあります。          
(経済)
1) 失業率
チリの失業率が5.7%に低下。普通、チリの失業率は夏に下がって冬に上がりますが、(これは夏は果物など農業関係の仕事が増加するため)今年は冬期にもかかわらず大きく失業率が下がりました。チリは他国の経済問題に影響される小国ながら、欧州などの失業率が高止まりの諸国と違い、何とか好調を維持しています。
もちろん識者の意見として、この数字にはトリックがあり、今までの失業者が就職活動をやめれば、失業のままでも失業者のリストから消える由。つまり就職希望者の数が減少しているわけ。このトリックはアメリカ政府も使っていると言われますが。
2) コデルコ銅公社の国庫への納入額が前年対比かなり下がっています。これはコデルコ首脳陣のエラーと言うより銅の国際価格の低下が直接の原因でしょうから、どうしようもないですね。
そこで私は、次の大統領選挙にバチェレットが勝つが、銅価格の一層の低下で国庫収入がさらに貧しくなり公約を果たせなくなると見ます。つまり反政府デモが町に溢れ、バチェレットの人気が地に落ちる。違うかな?私の予想ではチリの風その590くらいかな?
3) ランチリ問題
アルゼンチンでランが営業継続できるか、撤退を余儀なくさせられるかが今週決定するはずでした。さて・・・ 
最終決定の前にニュースで与党側のリーダーが演説しているところが出ました。それによると「アルゼンチンにはアルゼンチン航空がある。何故、それを保護・援助して外国の航空会社ランを抑えないのか」つまり今回の争議はアルゼンチン国内のわがまま問題と言うことが暴露されてしまった次第。アルゼンチン政府としては、最終結論を早急に出すのはまずいと考えたのか、先送りにしたようです。今週起こるはずの大騒動はひとまず延期。
しかしクリスチーナ大統領はランについて「あの大統領の会社を儲けさせる事はないだろう」とコメントしています。 ピニェラはチリ大統領職に着く前にランチリの経営権を売却していますから、ひどいコメント。隣国の政府はチリよりやっぱりレベルが低いですね。