(経済)

1) 私はブッシュがアメリカを上手く運営していると考えていませんが,マンションなどの建設が大幅に落ち込んでいる状況はチリに影響しています。今週のニュースではチリ南部の木材業者がアメリカ向け木材の輸出が20%以上落ち込んでいることから従業員の大量解雇を発表。私はこの会社に25年も働いてきたのにと頭を抱える労働者がニュースにでました。小さな町で大半が森林伐採,製材に関連しているところではこの解雇は町中の問題です。アメリカがくしゃみをすればチリが風邪を引く図式ですね。それからこれは経済でなく社会問題ですがマプチェの森林業者への攻撃が継続しています。今週も9州で顔を頭巾で隠したグループが森林会社の事務所を焼き討ちしました。彼らはラウタロ・グループと見られていますが、グループ設立25年記念の行動とか。ラウタロと言うのはマプチェで,スペイン人がチリの侵入したときそれに対抗して戦った英雄です。(スペインに勝てなかったけど)

2) 最近チリの物価上昇率が異常に上がっています。11月の物価上昇は0.8%で1995年以来の高い数字。しかし、それはチリだけの問題ではなく、世界各国で問題になっているようです。
チリは今年の年間予定上昇は4%だったのですが、それが7.4%になりそうで、つまり3.4%のエラーと言えます。同じような例としてトルコが4.4%のエラー、ハンガリーも3.7%アップとか報道されています。最もこれらは国政の失敗だけでなく,ドル安によるガソリン価格上昇などが関連しています。
逆にインフレを抑えた国の中のトップはタイとブラジルで予想より2.4%少なかったらしい。インフレ退治に成功した国の見本ですね。
今週,チリ中央銀行の総裁が後退しました。退任したコルボはこんな高い物価上昇率を残して去っていくのは心残りとコメントしました。新総裁のグレゴリオはどんな手腕を見せるか。ところでその35歳の新総裁は昨年のニューヨークマラソンを3時間半で走っています。週に5日の練習だそうです。中銀総裁になっても走る時間があるかな?

3) 下請け労働者雇用条件をめぐって労働省とコデルコ(国営銅公社)が争っています。新法律を適応すると5000名の労働者が対応になり(下請けから本社採用に変更),コストが1億ドルも上がってしまうというもの。労働者を大事にすれば会社の競争力が落ちるというのは当然で,どこが落としどころか探さなければなりません。

4) チリの新テレビ方式は今月中にも決定しそうですが,ブラジルのルラ大統領のグループがチリに日本方式を採用するようロビー活動を行っているらしい。ブラジルは現在、南米で唯一の日本方式採用国です。欧米に押されている日本をブラジルが援助するなんて、日本とブラジル間にどんな約束があるのかな?