チリの風   その958   2021年9月20日―26日

夜ベッドに入ると、今日も有意義な一日を過ごせたと幸せな気持ちになります。毎日、幸せなのは素晴らしいです。大袈裟ですねと言われるかな。
今週は病気に関し二つの項目があります。いつもの静脈血栓症の薬の効能を調べる血液検査と、もう一方は1年ぶりの眼科病院です。そこで白内障手術と、そのほかの症状の治療をしてもらいます。9件の検査が指示され、それを4カ所でチェックします。白内障の手術は患者が混んでいるとかで2か月ほど後になりました。このため毎日のように病院・診療所・ラボラトリーに行きました。時間と金がかかっても、私は後、数年は生きるでしょうから、ちゃんと目が見える方が良いですからね。
スポーツはいつもの通りです。仲間と第1展望台への山歩き、土曜日のサッカー教室(約20名の参加者で楽しくプレー)そしてマラソン練習。週日は一人で週末は仲間と走ります。今週の日曜日は4名で走り、その後全員でコーヒー・ケーキを楽しみました。こうして毎日幸せを感じるわけです。
春分になったばかりですが、金曜日は32.8度になりサンティアゴの9月の気温としては過去で2番目に高い温度でした。

(政治)

1)ピニェラ動向

  • 国家予算

2022年の国家予算について全テレビ局を通じて方針を説明しました。今年度 は国家赤字を増やしてでも国民援助・経済再開発をすると言う方針でしたが、来年度はそれを改め、国家赤字を今年より大幅に削減するらしい。ただ犯罪を抑える点では現行の問題点の確認がなされず、口先だけで来年は犯罪組織を許さないと言っても迫力はないです。

  • 国民文化賞の発表

毎年のように文化・教育などいろんな分野で活躍した人を選び、国のメダルを授与しました。

  • 外遊

ニューヨークに飛んで国連総会に参加するとされていましたが、それはテレビ画面の演説にして、実際には南米外遊でした。金曜日、奥さんや厚生大臣と一緒にコロンビアへ。その後パラグアイウルグアイを訪問します。

彼らをモネダ宮殿に招待して、皆さんはチリの名誉のために頑張ってくださいましたとお礼の言葉。
2)大統領選挙
5人の候補者が参加してテレビ討論会がありましたが、ほとんど盛り上がりませんでした。参加しなかった内の一人はアメリカに在住していますが、彼はチリで子供への養育費の未払いから裁判になっていて自由に出入国出来ないとか。それでよく立候補したものですね。
厚生年金の4回目の引き出しも討論の議題になっていますが、国会ではまだ最終結論は出ていません。
3)新憲法委員会
義務教育とか4軍の編成とか、チリの将来を支えるような事項の討議なら興味を持って見ますが、今は彼らは何をしているのかなと言う感じです、
先週、辞任すると宣言した嘘つき委員をどのように正式に組織から外すか、またその替わりをどうやって選ぶかなど本末転倒の気もする事項が話題になっています。
関係者にコロナ陽性が出たので、来週月曜日まで一時委員会を閉鎖しました。

(経済)

1)経済成長
OECDの発表で今年はほとんどすべての国で昨年より経済成長率が上がるだろうとか。しかしその上がり方は各国により大きく異なるらしい。当然でしょうね。
チリの成長率は今年は2桁、来年は一けたの前半とよく言われています。
2)銅価格と為替
1ポンド当たり4.24ドル、為替は1ドル787ペソと大きな動きはありません。
3)中国のチリ進出
頻繁に中国のことが書かれますが、中国は2018年に初めて参加して以来、チリで行われるテンダーに積極的に参加しています。10月6日に次の公文書作成を請け負う会社が決まりますが、中国が有望と言われています。それはパスポートや身分証明書(カルネ)の生産です。そのほかに鉄道(地下鉄7号線)高速道路、そのほか病院などの建築など多方面に参加しようとしています。もちろん既にオーダーを入手したものもあります。

(一般)

1)コロナ問題
ディエシオチョのお祭りが感染にどう影響するか心配されていましたが、毎日の数字を見ると確かに感染は増加しているが、心配されたほどの急上昇でもないと言う感じです。東京オリンピックの前後と似ているかもしれませんね。
1%以下だった一日の感染者指数は1.2%,1.3%と緩やかに上昇。7日間連続で1%以上でした。新規患者数も886人まで上がりました。1週間の合計では今週は先週より20%上がっています。もっとも緊急病棟に入院している患者数は17か月目に初めて100人を割りました。重病者が減っているわけです。
ワクチンの接種は今週は6歳から11歳が対象になっています。親の許可を得て多くの子供が学校で接種するようです。全般ではすでに88%の対象者がワクチンの接種を終えていますが、接種を拒否する人をどう扱うかが問題になっています。
コロナの脅威は減少したとして今までの各種の制限をどのように・いつ削除するかが議論されています。
例えば夜間外出規制や入国出国の手続き関連です。
さて余分なことですが、先週の18に関し、二つの話題です。先ず、交通事故は719件起き死者は24人でした。それから今週、肉の小売り値段が10-20%も下がったとか。つまりお祭りの時はどこの家庭も肉を買うので値段は急騰。その後は買う人が減るので余ったストックを安くするとか。

航空便の乗客数は今年8月は前年対比5倍となっていますが、まだ2019年よりは低い数字。つまり少しずつ元に戻りつつあると言う感じですね。
2)地震
南部で連日地震が起きています。2010年の大地震の余震と言われることもありますが、現地の人はかなり緊張しているとか。その2月27日の大地震の後、3月に私はコンセプシオン市に出張で行き、崩壊したビルを目にしました。あの大混乱はまだ記憶に残っています。
3)移民問題
不法移民の本国送還に航空機を使って実施するのは以前から行われていますが、それをまたこれからも実施するとか。
毎日、何十人、何百人も入ってくれば北部の町・村にはその人たちがあふれますね、現地の人が彼らが家に入ってきて、略奪されたこともあると泣いています。
飛行機で運ばなくても、国境付近で違法移民を見つければ、車で国境線まで連れて行き隣国に戻っていくのを見届けるのが一番簡単で費用もかからないと思いますがどうでしょう。
この週末、北部の重要な都市イキケの中心広場でテントを張って生活している不法移民に対し撤去命令が出ました。テントをたたまなかった人に警察が実力行使をし、一部逮捕者もでました。テントの数は立ち並ぶと言う感じでしたが、何カ所かの合計で200テントでした。多分、数百人もが行くところがなくなったでしょう。最近、その種の移民が多くなったので安アパートの賃貸し料が急騰し、移民家族には支払い不能になりテント生活が始まったとか。
その事件の後、市民の移民反対デモが起きました。政府は不法移民に対し全く手を打たないとしています。その5000人のデモ隊は残っていたテントに火をつけ燃やしました。

この年末年初に、私は自分の住居の改修工事をしました。約3か月かかったその工事にかかわった職人さんは9名で、そのうちチリ人は3名でしたから、大半は移民でした。つまり移民がいなければそういう工事はできません。それがチリの実情です。
ところで移民反対とチリ人が言うのはおかしいですね。チリは移民の国で国民のほとんどは移民ですから。私の嫁さんは3世で祖父母が欧州から来ています。移民反対と言えるのは先住民の子孫でしょうね。
先日逮捕されたボリビア人兵士3名は裁判が始まるまで刑務所に仮入所していますが、ボリビア政府からそれに関しコンタクトはないようです。
ところで南部の地区の先住民マプチェ問題ですが、今週、木材の不法伐採でもめた地区で管理人の家に火がつけられ、夫婦二人が大やけど。病院に運び込まれました。少し遅れれば焼死だったのですね。警察は何と事故の後5時間してから現場に着いたと家族は言っています。
この問題に関し、大統領選挙の候補者は、状況を抑えるために軍隊を使用するのは良いか悪いかに分かれています。私の考えではマプチェ問題はマプチェ族の反抗ではなく、それを利用した麻薬組織の騒動と思います。ペルーやコロンビアで左翼ゲリラがかなりの勢力を持った時期がありますが、そこを抑える麻薬組織が先住民の名前を利用していたのでしょう。
犯罪の例ですが、1991年にUDI党の創始者グスマンを殺した左翼ゲリラのエミリオ総督と呼ばれる男がメキシコからチリに送られ、チリの刑務所に入りました。彼は殺人事件の後、チリを脱出しましたが、メキシコで他の事件で逮捕され留置されていました。

(スポーツ)

1)サッカー
 コロコロ対チリ大学の試合があり、いつもにようにコロコロが勝利を収めました。
 この結果、今週の順位は1位からコロコロ(勝ち点43)そしてラ・カレラ(38)3位はカトリカそしてアウダックス。
 チリ大学は5位です。
  

以上