(一般)

1) 幼児の葬式
今週のトップニュースですね。アムバルちゃん2歳が殺された事件です。第5州のロス・アンデス市で起きた事件ですが、母親が麻薬かアルコールに溺れ、子供の世話ができないと子供管理局が、あかちゃんの世話を母親でなく叔母に任せました。その叔母の同棲者が2歳の幼児を性的暴行し殺しました。
木曜日の葬式には何千人と言う人が参加しました。その後、墓地まで同行し、埋葬を見守りました。市民が街路に出て犯人を死刑または終身刑にするよう要求しました。2歳の女児に性的暴行を加えると言うのは全く理解できない事件ですが、その容疑者の男は先の選挙で同市の市会議員に立候補したとか。信じられませんね。
この事件は政府も動かしました。年少児の性的問題には時効をなくし、永遠に犯罪者を訴えられるように法律を改正するらしい。
同じような問題がテレビ局、チリ大学で騒がれています。セクハラ関連の事件で、今まで黙っていた女性が声を上げたわけですね。チリ大学の場合、法学部の校舎が学生に占拠されていますが、学校長は問題をなくすと言う点では異見はないが、校舎の選挙は困るとしています。それを最初としてチリ各地で女子大学生が大学占拠を始めた模様。
ノーベル文学賞問題も、日本の役人のそれもありますが、世界中で同じようなことが起こっているわけです。

2) 国勢調査
昨年の調査の最終発表ですが、人口は1757万人、先住民系の人は12.4%。その中ではマプチェが圧倒的に多く80%でした。
外国人の移民は過去の例で1992年には11万人、2002年には20万人、それが昨年は78万人。今年は100万人を超えたと言われますが、如何にこの2.3年で急激に移民が増えたか分かります。
しかしこの1月、66000人が入国したのに、移民法案を改正したところ、4月はその半分の33000人になりました。つまり旅行者で隠れて入るのは認められないとハイチ人、ベネスエラ人に通告したらこの数字になった訳です。
新法案で移民申請したのは今週まで77000人で、ハイチ人、ベネスエラ人だけでその約60%になります。
3) チリ人青年がマレーシアで死刑?
その二人は世界を旅してマレーシアに入りました。ある日、ホテルに戻るとその後をつけてきた男が、ホテルの中で強盗に変わり金品を奪おうとしたので二人は自衛の為、強盗を捕まえましたが、警察がすぐに来ず、20分あとに警官が来たときその犯人は死亡していました。このため二人が犯人として逮捕されたらしい。しかしホテルの人間が見ていたなら、どうして犯人になるのか分かりませんが、 裁判に掛かり外国人犯罪者として首つり死刑になる可能性があるとか。二人の親はピニェラに助けてほしいと頼んでいます。
4) メ―デイ
5月1日はメイデ―として世界中で労働者の祭典としてデモが行われますが、チリの場合、今年のデモは例年の半分ほどの参加者で奮いませんでした。毎年、労働者のデモ隊が道路を埋めるのに、今年は寂しいもの。右翼政権になったので労働者は怒りの声を上げると言う雰囲気はゼロでした。共産党員の労働組合トップの女性が今の政府を動かして労働者の権利を守らせると約束していました。
チリ共産党のトップはキューバに渡り新旧大統領と面談。キューバがすごいと今でも言っているわけです。
5) カトリック問題
毎週、同じ話題ですが、ローマ法王と面談してチリに戻ってきた3人の被害者は今回は法王と真摯な会話ができた。彼がカトリックの立て直しに思い切った手を打ってもらいたいと記者会見で発表。
先週、バチカンの識者がチリのケースが世界の注目を集めているとコメントしましたが、今週はバチカンのトップの一人(会計責任者)が同じ性的疑惑で訴えられ、もう世界中のカトリックば信用できない組織と言うことになっています。
ローマ法王がチリの司教を一人二人外しても腐った組織には大きな影響は出ないでしょう。
6) 包装法案
チリは法律で必要以上の砂糖・塩・カロリーなどを含んだ商品は包装紙にそれを明記するよう指導しています。ネッスレの幹部はそれに関し、「ラテンアメリカでチリはブラジル・メキシコに次ぐ3番目の売り上げを占めている。人口の大きいアルゼンチンやコロンビアより上に位置する」としながら、包装紙法案では消費者に製品の値打ちが適格に伝わっていないとクレーム。
私は包装紙法案が出来て、彼らの製品には不要に多い砂糖が使われているとされるので、彼らの製品を買うのを止めていますが、私と同じように考える人が増えて、売り上げが減少したのでしょうね。
7) 通行規制
今週からサンティアゴでは交通規制が始まりました。週日は中心部にはナンバープレートの末尾の数字で規制され入れません。その数字は毎日変わります。つまり2週間に1回規制に掛かるわけです。それを無視して入ると警察がチェックしていて罰金です。今週はそれまでより車の動きが11%減少したとか。
2011年以降に生産された車はこの規制に引っかかりませんが、その新しいと言われる車の方がそれ以前の車よりブランドやモデルによっては排気ガスがひどいと言うこともあるそうで、科学的にはこの規制方式は正しいとは言えないとか。
8) マプチェ問題
数年前に南部で家屋に火がつけられ、オーナーの老夫婦が焼き殺された事件で、テムコ地方裁判所は拘留されていた11名のうち3名をテロリストとして有罪とし他の8名を釈放しました。政府は「家を襲ったのは10名以上の人間で3名ではない。従って警察・検察の協力を得て、犯人を全部逮捕したい」とコメント。
逆に国際人権組織がチリでは先住民(マプチェ)を虐める動きが頻繁にあるとクレームしました。