チリの風  その824  2019年2月25日―3月3日



今週も暑い日が続き、水曜日は都内で34度を記録。厳しいですね。でも予報では来週は少し涼しい日が来そうです。
さて水曜日は27Fでした。それは2月27日と言うことで2010年に歴史に残る大地震がチリを襲った日です。朝4時頃、私の住む建物が大きく揺れはじめました。嫁さんは外に出ましょうと言ったけど、私はベッドから出ませんでした。壁に幾つも亀裂が入りました。翌週、仕事でコンセプシオンに行きましたが、崩壊したマンションで死者を捜す作業が続いていました。
土曜日のサッカー教室は26 名で実施。いつもより数が多かったのはPTAの催し物の後に実施したからで多くの父母が参加しました。 日曜日のマラソンは仲間としっかり走りました。
今週も仕事と趣味を楽しみました。

(政治)

 1)ピニェラ動向
彼は外国から戻り、今週はチリ南部への旅。先づビオビオ州のコンセプシオンで大地震追悼の式典に参加。そこで「この州はチリの重要な州だ。私はここに大きな投資をして一層の発展を呼び寄せる」とコメント。そして川州のバルディビアへ飛び、地元の美術展に出席。最後にアイセン州で山火事の被災地を訪問。燃え落ちた原生林の森に新らしい植林を進めるとしました。

ベネスエラの話題は継続です。ボゴタで実施されたリマ・グループの会議にアメリカのペンス副大統領が出席。彼はグアイドにアメリカは君の横にいると応援。彼はその後、ブラジル、パラグアイ、アルゼンチン,エクアドルを訪問し帰国の予定。彼は不法に出国したとしてマドゥロ大統領は彼が帰国すれば裁判所に行くことになるとしています。このため彼はもう一度、出国するのは困なんとしてピニェラが彼を 今月チリで実施される南米大統領会議に招聘したのを遠慮しました。
チリの野党は正規の大統領で無いグアイドを招聘することは認められないと批判のコメント。
彼が帰国前に数か国を訪問したのはもちろんシンパを増やすためで、帰国すればマドゥロに拘束されるのは避けられないが、その時に南米の多くの国が援助の声を上げればマドゥロに取って重荷になる。今までマドゥロに敵対する政治家を拘留してもそれに抗議する声はそれほど出なかったのは事実。それをグアイドは変えようとしているわけです。

ところでそのリマ会議で国連の人権委員会の機能が問題になり、これだけベネスエラで国民が苦悩しているのに今だに実地活
動が実施されないとクレーム。バチェレット批判ですね。そのバチェレットはジュネーブでベネスエラの外相と会い、正式に訪
問を要請されました。マドゥロとすれば、左翼のバチェレットを招き、同国の現状を見てから、同国の努力を尊重するとレポ
ートを書かせれば、最高のシナリオですね。まさか、彼女が政権の交替を望むことは無いだろうとするのですね。
国連も双方からの要請で、実地グループを送る模様ですが、そのリーダ-としてバチェレットが入国するかは未定です。
   先週のピニェラのコロンビア訪問を評価するかどうか、国内外で議論されています。南米諸国の人民への人気取り政治を正常
化させるとするピニェラの政治を評価するかどうか各国の評論家がコメントしています。もちろんチリ国内で、政権2年目の
厳しい目が彼の動きを注目しています。
ピニェラはベネスエラの件についてバチェレットは自分のすべき仕事をしていないとはっきりクレームしています。

 
  2)元陸軍長官問題    
    2010年から2014年まで長官職を務めたフエンテ・アルバは司法の前で有罪を認めました。軍の機密費を私用にまわして
   いました。彼は今、陸軍基地に拘留されています。パソコン、電話は無いけど、テレビのある部室にいるとか。       
   さてこの問題は今週、さらに深刻化。というのは、国家監査機関は2016年に既にこの問題を時の政府、バチェレット 
   ですが、に報告しています。バチェレット政権はそれをその後、2年も放置したわけです。それにくわえ、フエンテ・アル
バ以前の長官も同様の疑いが出て、民主化以降政府のチェック機能は右も左も無い疎末なレベルだったことが明白です。 

(経済)

1) 銅の価格は最近には珍らしい2.98ドルと2012年以来の好調な出足。目標の3ドルが真近です。ところが為替は657 ペソとほとんど変化なし。
2) 最低賃金
この金曜日から2020年3月まで最低賃金は301.000ペソになります。しかしこれでチリで生きるのは厳しいですね。
3)新車の販売
去年、42万台が売れましたが、今年度は同等かそれ以上と言う予想です。1月は前年対比3.5%と順調です。

(一般)

1)自然災害
1月に地震のあったコキンボでまた地震。これは1月の地震の余震でしょうね。その内、また大地震が来るのでしょうか
山火事は11 か所に減少。もっとも先週と同じ火事では無く、どこかは消えてもまた違うところで火が出るわけですね。先の週末に首都圏公園で火が出て、近所の動物園の動物を移動させる動きもでました。動物に焼死がでなかったのは幸運です。
火山の噴火も問題になっています。チヤン火山の活動に警報がでています。
2)ビーニャの音楽祭
6日続いた音楽祭が終了しました。15000人収容の屋外ホール が連日、満席で、テレビを通じてラテン・アメリカ中に中継されて全部で2億5千万人が音楽を楽しんだとか。
3)世界の最高の国ランキング
米国の雑誌の発表ですが、1位はスイス、そして日本、カナダが続きます。チリは53位。南米の中で4 位。チリはブラジル、ペルー 、アルゼンチンの後でした。プロの目にはそうなるのでしょうが、素人の私にはチリが政治・経済、文化そして日常生活などでそれらの国の後塵を拝するとはとても思えないのですが。
しかし、日本が世界2位というのはすごいですね。 
4)犯罪者の海外逃亡
   先週、秘密警察トップだったコントレラの女性秘書リバス がオーストラリアで当局に拘留されました。彼女は政治亡命を要請しています。なんだか左翼の人間が右翼の政治家を殺し、外国に逃亡、そして政治亡命を要請したケースと同じですね。いつもチリの風に出るように,右も左も同じというケースになりますね。

 5)バチカン
先週、世界的な規模の会議がバチカンで行なわれましたが、それに参加した、チリの大司教エサッチは被害者の悲しい・苦しい心境に心が痛みましたとコメント。彼は性的嫌がらせ事件で部下の隠蔽罪として裁判になっているのですよ。よくそんなコメントができるものです。

(スポーツ)

1) サッカー
国内リーグ戦の第3戦の結果で首位は3連勝のコロコロになりました。
人気の3チーム、コロコロ、チリ大、カトリカは全チーム勝利でした。
   
    
以上