チリの風  その823  2019年2月18日―24日


秋が近いかと思わせた日のあった先週ですが、今週は暑い日が続くサンティアゴでした。なんでも3月までこの暑さは続きそうとか。もっともマラソン練習のため、朝早く外に出るとヒヤッとするようになりました。ところで天気予報ではこの秋はエル・ニーニョ現象で雨が多いとなっています。
日曜日のマラソン練習は3名で楽しく走りました。
もちろんトレッキングも楽しんでいます。
サッカー、 マラソン、トレッキングとも私のレベルは選手としては低いですが、運動を楽しむと言う点では満足できます。
長い夏休みが終り、今日は、首都圏に30万台の車が戻ってきています。

(政治)

 1)ピニェラ動向
彼はバケーションを終え通常の仕事に戻りました。これが逆なら大騒ぎになりますが、この夏休みのピニェラのようにバケーション中に働くのはクレームされません。そして先ず木曜日、南部の9州アラウカリアで山火事の被災地を訪問、そしてテムコのマプチェ問題をチェックしてから、なんと翌日、金曜日コロンビア飛びました、理由はベネスエラへの援助物資を渡す作業のチェックです。両国の国境に近いコロンビアのククタと言う町で同国の大統領ドゥケに迎えられ、その後、ベネスエラのグアイドと3人で記者会見。ベネスエラ援助の計画を練りました。ベネスエラのマドゥロ大統領は怒ってアメリカの番犬と面罵しました。
   もちろん、野党から大きな批判が出ました。「リアリティショーに出るつもりか」「他国の問題に口を入れる前にチリ
ですることがあるでしょう」と言うことです。彼はこの訪問をベネスエラが自由・民主主義の国に戻り国民が通常の生活が出来
   るように応援する連帯の行動としています。市民調査では53%がこの訪問を支持、44%が拒否となっています。
   チリ政府も緊急援助物資17トンを空軍機で同国に送ります。
ピニェラは自分の意思で同地区に飛びましたが、左翼・右翼の両方から要請されているバチェレットのベネスエラ訪問は実現し
   ていません。彼女 は自分の訪問がどういう結果を招くか考え、つまり 彼女のベネスエラ報告書は左翼・右翼の両方から否定さ
 れることを推定して要請に関し知らないふりをしているのでしょうね。
同地で金曜日に実施され30万人も集まったベネスエラ支援国際コンサ-トに出演したスペイン人の歌手ミゲル・ボセは
   国連の人権委員会の責任者の彼女がなぜここにいないのかと名指しでクレームしました。
   国連は近年ベネスエラから300 万人が出国したと発表してるから、その実情を調べに来るのは当然だろうと言うことです。
   バチェレットも立場が無いですね。
 彼女は軽く、援助物資を渡す作業で多くの死傷者が出るのはどうかとベネスエラ 政府にクレーム。
   日本のマスコミは米朝会談の話題ばかりですが、チリではベネスエラの方が重要です。
ピニェラは土曜日に帰国しましたが、同行していた外相は明日のボゴタで実施されるリマ・グループの会議に出席。
米国政府もそれに出席する由
 
  2)元陸軍長官問題    
    2010年から2014年まで長官職を務めたフエンテ・アルバは司法の前で有罪を認めました。軍の機密費を私用にまわして
   いました。
   高級車、数軒もの豪邸、海外旅行などに使用された様子。国会の防衛委員会で与党・野党議員が一致して、高給を取っ
ている長官が実施した恥知らずの行動と結論を出しました。盗み出した金額は35億ペソと言われます。全額、返金
させて刑務所に入れるのでしょうね。チリに取って恥かしい事件ですが、元陸軍長官が裁判沙汰になり、有罪になりそうなの 
   は嬉しいです。そっと隠蔽してしまうのでは無いわけですから。それに続いて陸軍高官の不正が見つかりました。給料の上乗
   せです。
   だれかが考えて、それに乗ってしまうのでしょうね。もっとも責任は軍にだけあるのではなく、それをコントロールする
   体制の無い政府にあります。ピニェラとバチェレットですね。私の考えと同じことが今日の新聞の社説に載りました。
   他の3軍も調べる必要がありますね。

(経済)

銅の価格は最近には珍らしい2.94ドルと上昇。過去6 か月で最高の数字。それで望みのポンド3ドルに6 か月位内に到着との見通し。ホンマかな。このため為替は651 ペソと大きく ペソ高になりました。
株式市場
米中関係の正常化が見られると世界の市場で ポイントの上昇が出ています。チリでも過去8か月で最高の5485ポイントに到着し関係者を喜ばせています。
ガソリン価格                                                  今週もガソリン価格が下がりました 。もとも日本円にすれば毎週1円とか2円の値下げですが。

(一般)

自然災害
南部の山火事に関し、内務副大臣は先週ですが、火事とマプチェの関連をコメントしました。これは大きな問題に
なりました。彼は航空機や消防グループに銃が撃たれた例をあげました。
消火に当る航空機、ヘリコプタ-をフルに使用し災害の火事は15 か所に減少。それでも3名の焼死者がでています。
北部の水害は被害にあったほとんど全部の家が復旧とか。
ビーニャの音楽祭
いよいよ音楽祭が始まりましたが、今週のテレビはこの番組についての報道がが中心でした。朝から夜まで、出演する歌手・グループの到着とか、予行演習とかコメンターがなん人もでて長長としやべります。興味のない私は別のチャンネルに切りかえます。
観光客の減少
なにそれと言われそうですね。2009年に128万人だった観光客は2018年に284万人と倍増。それが今年は237万人に減少と推定されています。この夏の記録も(まだ推定数字ですが)前年対比17%減少です。理由は欧米やアジアからの観光客は増えていますが、首位のアルゼンチン人が激減だからです。どうなるかな?
4)犯罪者の海外逃亡
最近、この種のニュースが続きますが、今週は軍事政権時の秘密警察トップだったコントレラの女性秘書リバス が司法の手を逃がれオーストラリアに逃亡。それが2871日後に見つかり当局に拘留されました。チリに3月に強制送還されるとか。
 5)バチカン
去年、チリで起きた神父の政的暴行事件に関し、バチカンで会議が実施されました。今週はそれを世界的な規模にして会議が行なわれました。法王は詳かく調べ結論を出すとしました。いつも同じことを言っていますね。チリから被害者代表で一人参加しました。

(スポーツ)

サッカー
国内リーグ戦の第2戦の結果で首位は連勝のコロコロとUカレラになりました。
人気の3チーム、コロコロ、チリ大、カトリカはそれぞれ勝利、敗北、敗北と分かれました。
   
    
以上