(政治)

1) ピニェラの動き
今週はマイプの戦いがあった日。もう200年前のことですが、この戦いでチリの独立がほぼ決定しました。そこでアルゼンチン代表を招待してそのマイプとモネダ宮殿で式典を行いました。ピニェラは「200年前アルゼンチンのサン・マルティンがチリのオヒギンスと手を組みスペインから独立を図ったわけで、それはその時のチリの目標だった。現在は経済発展から貧困層をなくし国民が幸せに暮らせるようにするのが目標だ。200年前と同じくチリはアルゼンチンと手を組んで、共にその目標に早くそして遠くまで到達したい」と演説しました。
彼は与野党の壁を越えて一致した運営をしたいと全党派から議員を社会の安全をテーマにモネダ宮殿に呼びましたが、野党内は分裂状態で、議員のなかには国会で議論すべきことをどうして政府が介入するのかとか、社会党の元大統領候補インスルサは私の所属する政党が良い顔をしないので不参加とか、良く分からないコメントをしています。DC党で元大統領候補だったゴイッチがそれに参加したのでDC党内の分裂が激しくなっています。新左翼は旧左翼と違って何名か参加。 さてブラジルの元大統領ルラが汚職で有罪になり、刑務所入りが確定したのに、判決に逆らって刑務所入りが遅れました。これに関し南米の左翼政治家は一斉にそれに反対し、ルラに私は君の側にいるとか、民主主義の為に君と共に戦うなど訳の分からないことを言っています。彼が右翼の軍事政権と争っているなら私も同調したいですが、彼は収賄で捕まったわけで、そんな汚い政治家を援護する意味が分かりません。ボリビアのモラレス大統領はついでにボリビアの海はボリビアのもの、フォークランドはアルゼンチンのものと付け加えました。チリでは元大統領のラゴスがルラの収監に反対しました。
チリの健康保険制度は公営と民営に大きく2つに分かれています。公営の方は保険料は安いが手術をするときなど長い間待たされます。病院・医師の数に制約があるからです。バチェレットはこの問題に手をつけませんでしたが、ピニェラは今週から週末にも手術を行い、長い間待たせた患者を助けたいとしました。勿論、病院・医師の方からは急にサービスを増加させる能力があるのか疑問視する見方も出ていますが、少なくとも一歩前進の雰囲気。
それから赤字削減のための経費節約として公務員の残業代、出張費用、公用車の増加制限などを打ち出しました。これでピニェラ政権の4年間で5億ドルの節約になるとか。これもバチェレットはやらなかったですね。
ピニェラは戸籍の性変換に関し、14歳以上の場合は受け付けるように動いていますが、チリのカトリック大司教は名前を変えても犬は犬、猫にはなれないと怪しいコメント。国民がカトリックをボイコットすれば彼らも変わるかな?
大統領就任後1か月たって市民調査ではピニェラを支持するは49%、反対は25%と選挙で投票された数字を下回りました。何でかな、バチェレットより良く機能していると思いますが。                           
2) 移民                                       
世界で移民問題が起こっていますが、チリでは移民が急増し、とうとう今年100万人を突破。全人口の5.5%が移民とか。 2014年と2017年の比較では移民数は42万人から97万人に232%増えましたが、その中で目立つのはベネスエラからは1060%アップ。ハイチは4433%アップです(1649人が73098人に)。異常ですね。
今から40年前、べエスエラは石油輸出から経済が好調で南米で最も裕福な国でしたが、もし私がそこに住み始めていれば、今は毎日の生活に困ったはずで、日本に帰るにしてもベネスエラから月1万円くらいの年金をもらっても生きて行けるはずがありません。チリに住み着いてよかったと自分の運を感謝しています。
3)労働組合
歴史上初めて組合参加者が総労働人口の20%を越えました。2011年には16%だったのですが。昨年大手の民間銅鉱山エスコンディダで長期ストが起こり大問題になりました。今週はラン航空の乗り組員がストに入りそうですが、組合って影響力がすごいですね。